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番外編:エテュード2023飲み比べ

先日フィーユブルーさんからこんなコラムが出たんですよね。

ティーブレンダーの熊崎俊太郎さんがアーモニーシリーズ、特にエテュード2023についてお話されているコラムなんですけど、そこにエテュードの比較用レシピが載ってまして。湯量・お湯の硬度・抽出時間をこの辺とこの辺にしてみると違いが楽しめるかもよ、というレシピが紹介されてました。
なにそれ面白そう!!!!!という事で早速やってみたいと思います。


材料の一例として紹介されてたのがこの二つのミネラルウォーター。これで比較用のお水①②③を作っていきます。
①は緑キャップの水と青キャップの水を90mlずつ合わせて180ml。これで硬度75mg/ℓ前後になるそうです。抽出時間は4分40秒。
②は青キャップの水を220ml。これで硬度15mg/ℓ 前後、というかボトルの記載通り17mg/ℓ ですね。抽出時間は3分10秒。
そして③は我が家の水道水。私が住んでるのは北海道の札幌市でして、調べたところ硬度は25~45mg/ℓだそうです。抽出時間はいつもの4分。
浄水推奨、と書いてはあったのですがすみません、水を浄水する器具をひとつも持ってないのでそのままです。お水浄水したことない。いつも水道水そのままじゃーっとケトルに入れて沸かしてお茶飲んでる。水そのままを飲む時も浄水せず飲んでる。これで味が気になった事が無いんですよね……生まれも育ちも札幌だからかもしれない。

では早速やっていきましょう。これはいつも使っている愛用のケトル。これで③用のお湯とポットあっため用のお湯を沸かしておきます。

沸くのを待つ間に①、②を作ります。こんな感じで測りまして。

混ぜる。なんだか実験みたいでたのしい。

水を用意して、タイマーも用意して、どれがどれかわかんなくならないように付箋も貼っといて、準備完了です。今回はどうしてもタイムラグが生まれがちなので少しでも冷めないようにまな板を敷いてみる。温度大事だからなぁ。冷めると味も変わるのはいっぱい経験してきました。
ここでお知らせなんですけど最初これティーカップで抽出してそのまま飲もうと思ってたんですよ。んでやってみたら220mlのお湯がカップから溢れまして(それはそう)。やり直しをした結果青キャップの水が足りなくなり、②は青キャップ180ml+水道水40mlになっております。無念。まぁでも私のための実験だし私が違いを楽しめたらそれでいいかなと思うので、このnoteを読む方はこの点だけご留意して読んでくださいねというお知らせでした。

気を取り直してお湯を沸かす
すぐ沸く
抽出待つ間カップも温めときます

アクシデントもありつつ、なんとか完成!
言い忘れてた気がするけど茶葉は全部エテュード2023で統一して飲み比べます。まな板ごとサイドテーブルに持っていって、飲み比べてみたいと思います。

まずは③から行ってみよう。いつものやつです。では一口……。
うん。そうそうこれこれ、いつものエテュード2023。すっきりしてて紅茶感があるクラシックなお味。甘みもふんわりあっておいしい。エテュード2023を単体で深堀りした感想はこちらのnoteで書いてるのでそちらもよろしければ。

次が②。というかこれが最初に出来上がってしまったので早くしないと冷めそう。では一口……。
……? あれっ、あれっなんか、ジャスミンっぽい味と香りがする……エテュードってこんな風味だったっけ?えっ待って待ってもっかい③を飲んでみる。そして②に戻る……んんんん全然違う!!!全然!!!違う!!!!すごいオリエンタルな味わいになってるーーーー!!!!
すっきりクラシック、みたいなところから表情一変、個性的で華やかな味わいになっています。香りがすごく独特で強い。奇妙とすら言いたくなる深みがある。中国茶って言われて出されてもワンチャン信じるかもしれない。ええええおもしろ……!!!事故により水道水を足されてしまった②、まさかの明確な違いです。違いわからんなー失敗したなーとかあり得ると思っていたのに。

②でこうだと①はどうなるんだ……?どきどきしながら①を一口。
!? 味がかたい!!渋いぞ!?渋みがくっとくる鋭利な味わいになってる!!硬いんだけどなんか不思議な奥ゆきのある味わいです。ナッツとか木材とか、ああいう感じの印象の深みのある香り。複雑さがあるんだけど、すとっと硬質な印象の味になってるんですよね。これも明確に違うなぁ……!!

①と比べてみると、②はほぼ全く渋みがない事に気づきます。代わりにきりっとした輪郭もないんですよね②は。ぼやぼやっと柔らかく華やかな印象。水彩画みたいだな。
で、①と②の後に③を飲んで気づいたんですけど。③が一番旨味が強い!舌触りや香りがどこか煎茶っぽく、旨味たっぷりの柔らかな味わいで飲みやすいです。あとあれだ、①と②を飲んだ時に感じた『不思議』とか『奇妙』とか言いたくなるような風味が無い。うおおこれはなんだ……!?なんて言葉にしたらいいんだ……!?みたいな初めて知覚した味がなく、すごく飲み慣れた旨味と甘みが楽しめる。だから私はこの茶葉に親しみやすさという印象を持ってるのかもしれないな~。


はーーーびっくりした。こうして比べてみると全然……違いますね……!
私そもそも味や香りって『私にとっての』しかわからないと常々思っていて。私の元々の五感の強弱、その情報をキャッチし記憶する脳の性質、その時の私の体調や淹れ方、という様々なフィルターを介した、主観的な私の世界における味の感想、でしかないな~と思って日々紅茶レポnote書いてるとこあるんですよね。そんな様々なフィルターのうちのたった一つ、『淹れ方』を変えるだけでこんなにも違うのか……!というのは、頭ではそりゃ当然そうなるだろうとわかっていた事ですが改めて体験するとすっごくびっくり。やっぱ体験してみるのっていいよね。好きなんだよね。実際に今目の前にある物事に触れると、身体にわっと感じるような威力がある。よく物語にあるような『本の挿絵で見ていた青空って実際に見たらこうだったんだ!』みたいなやつ。あれをまたひとつ体験できた気がします。楽しかったー!
②を青キャップフルで淹れられたらまた違うのかなやっぱ。それもやってみたくなるよねここまで違うと。②は①より再現がラクなのでそのうちやってみましょうか。

ちなみに一番好きな味は馴染み深い③でした。③うまい……旨味強くて飲みやすくて美味い……。あと実験の後余っていた緑キャップの水と自宅水道水を飲み比べてみたんですけど、緑の方がちょっとだけ奥ゆきのある味わいがあるような気がするな……?ってくらいで、美味しさに劇的な違いは感じられませんでした。
もしかして水道水美味しいのかな、札幌市……。それとも単に実家の味って美味しいよね現象なだけ?それもまた主観的な話なので、私にとっての味しかわからないのですが。

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