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生まれた国に想いを巡らせる

仕事の日。

同じシフトに入っていた留学生の男の子と休憩が一緒で雑談していた。

その子の生まれは韓国である。

👨‍🦱「韓国では徴兵があって、みんな行くんですよ」
👩‍🦰「あれって2年ぐらい行くの?」
👨‍🦱「1年半行きます。」
「で、韓国は今も北と南で戦争があって、休戦中ですけどいつまた始まるかわからない」
👩‍🦰「そうだよね。」
👨‍🦱「戦争が始まったらすぐに呼び戻されるんです」
👩‍🦰「!」
👦「どこにいるか把握されてるから、万が一戻らなかったら、永久に韓国に入らなくなるんですよ。」
👩‍🦰「そうなの?!戦争に行くか、母国に帰れなくなるかなのか…」
👨‍🦱「そうです。」
👩‍🦰「どっちかって言われたら…?」
👨‍🦱「うーーん。」
👩‍🦰「そりゃすぐに決められないよね。」
👨‍🦱「でも戻ると思います。兄弟と一緒に戦争に行くと思う。」
👩‍🦰「そっか、、戦争なんて行かないで欲しいと思ってしまうけどね。そもそも戦争なんてなくなればいいのにね。」

なんだか凄く胸が苦しくなった。
戦争は昔の話ではないと改めて思わされたし、まだそんな何度かしか会ってない知り合いでもとても心苦しく思うのだから、もし身内だったらと思うと足元が崩れるような怖さを感じた。


私は最近何をきっかけにだったか忘れたのだが、戦争のことを知らなくてはという思いに駆られてちょこちょこと文献を見たり映画を見たりした。

でも何を見ても戦争は百害あって一利ないし、暴力は何も解決しない、恨みは募る一方だと思った。

それと同時に、その当時の人たちの愛国心的なものを突きつけられ、自分にはそれがない衝撃があった。

彼は愛国心から戻ると言ったのだろうか。
それとも家族のためだろうか。

もし私が母国にいる側だとして、子どもが留学に行っているときに戦争が起こったらとふと考えた。

私はほぼ間違いなく帰ってくるなと言うだろう。
一生会えなくなってもいい、安全なところにいなさいと言うだろう。

そもそも敵の国というものが目前に迫って初めて愛国心などは生まれるのかもしれないが、国のことよりもきっと、自分の子のことを優先してしまうだろうなと思って聞いていた。

愛国心ってなんなのだろう。

私は日本のことが好きだが、日本のために死ねと言われて死ねるのだろうか。

家族のためにならすっ飛んでいくのだろうが、日本のためにはまだ死ねないなと思った。


国が違うと色々思うことも違うのだなぁ。

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