「Terra Co. 振付家育成講座」 受講レポート⑻
【Terra Co.とは】
Terra Co.は平原慎太郎が主宰するダンスカンパニーOrganWorksが企画運営する振付家育成講座です。選考によって選ばれた16名の振付家が10ヶ月で10回の講座を経て創作した作品の成果を発表いたします。
【メッセージ】
コンテンポラリーダンスという90年代から00年代にムーヴメントをおこしたダンスにおけるオルタナティブなジャンル。
そして2010年代も終盤になり、同ジャンルは専門的な知識と、個人的な思想をより求めた。
当然、振付家という言葉も裾野を広げ、誰もがそう名乗れるようになり様々なツールを用いてダンスを表現するようになった。
今企画の参加者はそんなジャンルの振付家となるべく10ヶ月間知識を蓄え、型を学びそれを壊す時間を過ごし、遂に終着点である公演に辿り着いた。
それはこれからの始点としても位置付けられる。
僕はこの機会を同業者に向ける厳しい目と、同業者に向ける敬意を持って迎えたい。
扉の表と裏。一歩踏み出せば違う景色がある事を知っているからこそ。
講師・監修 平原慎太郎
第10回講座のお題は「作品制作における基本」
(前回の記事の講座回の数字が間違っておりました。。。)
最後の回にして、主題は『基本』。作品におけるタイムラインがどのように構成されているかを考察する。
序破急/起承転結というワードを用い、どのように情報量は配置していくのかを考える。また、時間の経過をともにするダンス作品という枠の中で、時間とともに価値の変化を観客と共有することもとても重要である。
また、根拠→動機→提起・行動→根拠・・・という自身の中のアイデアを具現化するまでのプロセスを学ぶ。
タイトルが自分のものであるか、観客のものであるかと立ち返ることも重要。
作品が全体が何分か、その中でどのシーンにどのくらいの時間をかけ、どのくらいの要素を込め、どこでピークを持ってくるのか。これこそ再現性につながり、手渡しできる形作りに必須である。
私の作品はこの講座を受けたのちにこのようなタイムラインに変換した。
14分の作品中、シーン①が約9分30秒、シーン②が約3分40秒、結びが15秒ほど。
どこでシーンを区切るのかということで少し悩んだが、圧倒的にはじめのシーンを長くとる。最終講座でのはじめは長く結びは短くという(あくまで)セオリーを参考に。今回はある意味で身体に仕掛けを作り時間の経過とともに、はじめのシーンでなぜあのような動きをしたのかを補完していく構成になったらいいなと考えていた。そして、作品の後味をどのようなものにしたいかを考える。
作品を見た爪痕をいかに残せるか。
どのような体験をしてもらいたいか。
講座残隊に関しても改めて振り返ろうとと思います。