法定時間外労働について
大阪堺筋本町の社会保険労務士⚖️マチネ社労士事務所の上田麻美です⚖️
先週、目を疑うようなニュースを見ました。
超有名店のケーキ屋さんで最長「月346時間の法定外残業」
というニュースでした。
法定外残業346時間て想像できますか?
法定外残業とはどういう時間か、前回のnoteを読んでいただいた方は想像がついていらっしゃるかもしれませんが、労働時間の原則1日8時間、1週間に40時間を超える時間の合計が月で346時間になったということです。
具体的に考えてみましょう。
原則通り1日8時間、週5日の所定労働時間で働いていたとします。
月の平均労働日数が20日だとすると
1日8時間 ✖️ 20日(月平均労働日数) で160時間
大体、法律の範囲内では160時間の労働時間になります。
160時間にニュースにあった346時間の法定外時間をプラスすると
160時間 + 346時間 で506時間
これが、1ヶ月に働いた労働時間の全てです。
では、1ヶ月に時間って何時間あるんでしょう。
1日24時間 ✖️30日・・・720時間
人間が月に与えられた720時間のうち506時間を労働に使っているということです。
自由になる時間は
720時間 ー 506時間 ・・・214時間
この214時間の間に、寝て、起きて、体を休め、お風呂に入って、トイレに行って食事して通勤する。
大体1日あたり何時間くらいになるか計算できますか。
214時間 ➗ 30日 ・・・7時間
7時間の間には、業務途中の休憩1時間も含みますので実質6時間です。
与えられた6時間の休憩時間の間に、「寝て、起きて、体を休め、お風呂に入って、トイレに行って食事して通勤」の全部を収めます。
休日はあったのでしょうか。月のうち何日休めたのだろう?
労基法の原則1日8時間は
1日24時間のうちの8時間が睡眠、8時間が仕事、8時間が余暇 と考えられています。
人間らしい生活ができていたのか?また、その状態で危険がなかったのか・・
ケーキを作りながら眠ってしまったら指を切ったり火傷したりしなかったのか・・
なんて考えて想像していたら、涙が出てしまいました。
何か事情があったのかもしれませんし、何も知らずに悪くいうことはできませんが、数字のインパクトが大きくて何だか辛くなってしまいました。
休みたいと思うことも、寝たいと思うことも、こたつ入ってテレビ観ながらダラダラしたいな(私のこと)って思うことも全部人間の自然な感情ですよ。
決して悪いことじゃありません。
そう思うことに罪悪感を感じたり、苦しんだりする必要もないです。当然ですから。
お腹が空いたからご飯が食べたい や、トイレにいきたい
と同じです。
どうか、働きすぎで体も心も壊さないように自分を守ってください。