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大阪堺筋本町の社会保険労務士⚖️マチネ社労士事務所の上田麻美です⚖️


先日、私が社労士を目指し始めた頃お世話になった方の通夜葬儀が行われました。

ちょうどコロナ第7波が猛威を奮っていたということもあって、葬儀は家族葬で行われ私は参列できませんでした。


その方は「アルコール依存症」を患っていらっしゃいました。

壮絶な依存症との闘いのお話を聞いていて、人間の意思の力ではどうにもならない病気なんだろうなと思っていました。


私は医師ではないので、病気については何も言えませんが

依存症を労務観点で考えてみました。


依存症も急になったりしません。

おそらく、少しずつ少しずつ依存してくんじゃないでしょうか

依存症になるかならないか、ボーダーラインの頃の会社の対応はその後のその方の病状に大きく影響します。


その方も、始めのころは

・遅刻が増えた

・仕事中に居眠りする

・二日酔いで出勤する

・酒臭い

と言う状態から始まったと思います。


その時に会社の正しい対応方法は後になって言えることと、現在進行形で出来ることの違いはあるとしても「毅然とした態度をとる」ことが大事になります。


何かに依存する人は孤独なことが多いです。そして大きなストレスを抱えていらっしゃいます。

・家族との死別や離婚

・仕事上でのストレス

周りの方が見ていても「辛いんだろうな」と思える状況だったりします。

そして、お酒の匂いをさせて出勤したとしても「辛いんだろうな・・大目に見よう」と注意もせず見過ごします。

その結果は、依存症が悪化します。

ここで、「追い討ちをかけるようで辛い」と言う気持ちを押し殺してでも

「会社としては、晩酌は翌日の通常労務に対応できる量の酒量を保ち、二日酔いでの遅刻や居眠りは許容できない。また仕事中の飲酒はとうてい許可できない」

と伝える必要があります。

優しい社長さんや上司の方は「かわいそうで見ていられなくて」とおっしゃるのですが、その優しさが、アルコールへの依存を進めることもあるのです。


もし孤独を感じているのなら、お酒以外の方法で孤独を取り除いてあげることも必要だと思いますが、それは労務管理の域を超え、「友人」としてすべき行為だと私個人的には思います。


最近、よく思うことですが、人生を変える出来事はちょっとした些細な行動や言葉が多いのだと思います。

「お酒のんで出勤したらダメだよ。今日は帰って寝なさい、今日は欠勤とします。次に同じことがあれば懲戒処分します。」

その一言があったなら、あの日少し人生の角度が変わったんじゃないかなと思いながら、その方を想いました。


最後に、大事なことをもう一つ

「診断・治療は医師がします。」

憶測や見た目や受ける印象によって勝手に判断しない。大事なことです。







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