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下北沢で日記本を買う

2024.12.13(金)

下北沢で本屋巡り。日記の専門店「日記屋 月日」と、新刊書店「本屋B&B」に行く。どちらもSNSで見かけて気になっていた店だ。

「日記屋 月日」で柴沼千晴さんの日記『親密圏のまばたき』、大崎清夏さんの『私運転日記』、そしてずっとほしかった秋峰善さんの『夏葉社日記』を買う。人の日記を読むのが好きな私にとって楽園のような場所だった。

「本屋B&B」では何も買わなかったけれど、まるで私のためにセレクトしたかのような本たちがたくさんあり、店のファンになってしまった。

帰りの電車で座りながら『親密圏のまばたき』を読む。サイズも厚さもこぢんまりしていて読みやすい。版面を撫でると、印刷された文字がぽこぽこしていて心が弾む。

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日記を読み始めたのは中学生頃。以来、定期的に人のブログや日記本を読み漁っている。最近はnoteで文筆家や作家の日記(有料)を購入して、その人がどんな日々を過ごしているのかを覗いている。

正直に言うと、日記であれば書いている人がどんな人であろうと面白い(これは失礼かもしれないけれど「この人の小説は読まないが、日記・エッセイなら読んだことがある」という事例も少なくない)。著名であろうが、アマチュアであろうが関係ない。文体や文章の雰囲気にビビッとくれば、もう読むしかなくなる。

3冊の日記を手にして、改めて思う。日記の著者と読者の関係は少し不思議だ。私たち読者は、著者と会ったこともなければ話したこともないのに、間接的に著者の頭の中を覗くことができるのだ。もしかすると著者の友人や恋人、家族よりも深い部分を知っているのではないかと勘違いしかねないほどに不用心に開かれた、そして閉鎖的な関係だ。

私はどうして日記を読みたいのだろう。「誰かの生活を覗き見したい」という野次馬的な興味からなのか、それとも誰かと間接的に繋がっていたいという寂しさからなのか、自分でもよく分からない。ただ最近は、自分の人生に退屈しているから、誰かの人生を覗きたくなるのかもと考えている。誰かの人生の一幕に、人生を楽しむヒントが隠されているような気がしている。日々の何気ないワンシーンが、実は尊く美しいものだと気付かされる、それが日記なのかもしれない。








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