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『木漏れ日に泳ぐ魚』恩田陸

『木漏れ日に泳ぐ魚』恩田陸

描写が丁寧で、すごく、映像が目に浮かぶ本だなと思いながら読んでいた。映画みたいな本。部屋の中から、公園に設置された時計が見えるというところとか、すごく映像が浮かぶ。

でも、実はあまりにドラマチックな設定がどんどんと、たった一夜で明かされる。しかも物語がすすむきっかけは「実は〇〇」とか「忘れていたことを思い出す」とかで、実際にコンテにしようとすると、難しいかもしれない。

そう思うと、それぞれの脳

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『異邦人(いりびと)』原田マハ

『異邦人(いりびと)』原田マハ

京都に住んで4年くらい経つのかな。

主人公は関東から京都に移り住んだというのを聞いて、親近感が持てるかしらと思って読み始めたのだけど、全然そんなことなかった。むしろ、なんというか積極的に京都の中心にぐいぐいと食い込み、かつ受け入れられていく菜穂が羨ましいような、怖いような感じだった。

京都という街は人を選ぶと思うし、私はきっとこの街ではずっと「異邦人」だと思う。けれど、菜穂はすっかりと、溶け込

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