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VOL. 12 タイムラインの終わり

長かった「高校教師」のタイムライン.読んで頂いてありがとうございました.

というか,お疲れさまでした.

ドラマにも原作にもなかった『繭の架空のセリフ』を最後にどうしても入れたかった.

ただそれだけのために,私はドラマ全編のエピソードとセリフを拾い,タイムラインを作成し辿りました(もちろん純粋にタイムラインがどうなっているのかを知りたいというのもありました).

何もそこまでしなくてもと思われるのは当然ですが,すべてを受けてのセリフだと思ったから.


おそらく,二人はもう目覚めることはないのでしょう.

ただ,そのとき,羽村先生は繭に確認したと思うのです.言葉として伝えてはいないでしょう.

でも,繭は察したと思います.そして,そのときの答えがあのセリフではないかなと.繭も言葉としては言わなかったかもしれない.表情で伝えただけかもしれないけれども.


このドラマの放映は,1993年の1月から3月でした.ドラマ内も3ヶ月間に起こった物語に思えるのですが,実際にタイムラインを作成すると,それは1月7日〜3月12日でした.2ヶ月と5日です.意外と短いです.

始業式は,普通,1月8日だと思うのですが,ドラマのタイムライン内のそれを1月7日としています.第1話の冒頭で見える羽村先生の辞令の日付が1月7日付になっているというのと,始業式を7日に設定しないと,タイムラインの作成が非常に困難になるというのがありました.

バレンタインデーを2月10日に設定しなければならないというのは,タイムラインを検討・作成していて苦痛でした.ドラマ内では当日は平日なのですが,1993年2月14日は日曜日なのです.2月14日を平日に設定して……ということも検討しましたが,そうすると,その後のタイムラインがグダグダになってしまうという.

上記の絡みで,羽村先生が校長に『(繭と無断外泊したというのは)彼女の父親の勘違いです』と報告するシーンを2月12日(金),繭がテレクラ遊びするのを2月14日(日)としたのですが,これらは検討の余地があります.
 繭は思い立ったら即行動するタイプなので,中1日開くはずはないだろうと.
 14日(日)に校長室に呼び出されたか,13日(土)に校長室に呼び出されて,その晩にテレクラ遊びしたか.
 なお,わかりにくいのですが,校長室の時計は0845を指しているように見えます(1445にも見えますが).

  • 2022-0822 追記)上記のシーン,2月14日(日)に修正しました.

  • 教頭先生が繭に対して「キミはもう帰っていいよ」というのが休日に呼び出していることを示唆しているような気がしたので.

第8話での期末試験の期間は,
 2月24日(水) 〜 2月27日(土)
です.もちろん推定です.

繭と直子が在籍していた2年B組の生物の授業は,私が検討した限りでは,
 月曜日 4限
 水曜日 4限
 木曜日 6限
でした.
 第2話で古典(?)の授業が月曜日の4限に入っているのですが,生物の授業を優先します.

繭が羽村先生の下足箱に入れていた『助けて』の手紙,しょっちゅう入れてたような気がしますが,ドラマ内で描かれたのは,
 第1話 1月9日
 第2話 1月18日
 第7話 2月17日
 第8話 2月22日,2月23日
の計5回です.
 1月18日のときは,新庄先生に相談していて『毎朝必ず入っている』とは言ってますが.
 あと,2月23日の朝,手紙を入れるところを羽村先生に見られます.

最終話のラスト近くで,普通列車内で二人の小指を赤い糸で結ぶシーン.このとき,糸は繭の左小指に結ばれていたのに,そのあと,右手がひじ掛けから落ちるときには右小指になってる,という指摘を見たことがあるのですが,一連のシーンをよく見ると,繭は両方の小指に糸を結んでいます.すなわち,
 羽村先生の左小指〜繭の左小指〜繭の右小指
の順で繋いでいます.


私が,一番印象に残っているセリフは,最終回で繭が呟いた
 「あたしと会ったこと,後悔してる?」
です.自分を助けてくれた羽村先生を,こんな運命に巻き込んでしまったことを遠回しに謝っているようにも思えるのです.

こんな悲しくて儚いハッピーエンドで終わらせたくない思うし,二人を何とか助けたいけど,どうにもならないっていう,もどかしさが募る物語でもありました.

  • 繭が鎌倉で「友達の家に泊まる」と父・耕介に伝えてたら…… 

  • 羽村先生が繭に自分の意思を伝えようとした日が一日でもズレていたら…… 

  • 耕介が余命いくばくもないことを羽村先生が知っていたら…… 

  • 繭と父がなぜそういう関係になってしまったかをもっと早くに知れたら……

ドラマを見ながらこんな if を自問自答するっていう.自分で「バカだねあたし(cv 繭)」ていうセリフを頭の中でグルグルさせながら.

桜井幸子さんがインタビューで「いろんな(表情を見せる)かわいい繭ちゃんを見ていただけたら」と語ってましたが(DVDの付録映像),繭に女の子の『かわいい』を全部入れてきたなと思う.ちょっとした言葉遣いやしぐさに.

セリフで一番かわいいなと思ったのは,羽村先生の授業をみんながボイコットして出席が繭一人のとき,羽村先生が「もっと前においでよ」といったのを受けて「うん」と答えるシーンです.この『うん』を見る度に「もう堪らーん」と悶えてしまう成人妙齢男子一名.

え? 一番好きな繭のしぐさですか? それはですね,第6話の冒頭,鎌倉からの朝帰りで遅刻するシーンがありますが,そのとき繭が正門によじ登ってそこから飛び降りる,あの着地姿勢がメッチャ好きです.この感覚がわかる人,他にいませんか? あれはしぐさなのかとか突っ込まない.

一番切ないなと思ったのは,やはり青海川駅で二人が電車を待つシーンです.
 このとき,羽村先生は,やって来る電車の方を見ていて,電車が入ってくると行き先表示を見ている.
 繭は前を見ていたのですが,チラッと羽村先生の方を見て,視線を下げる.その瞬間電車が入ってくるのですが,電車越しにも視線を下げたままなんです.
 そして森田童子さんの『僕たちの失敗』が流れ始める.胸の辺りがキューっとなって涙腺のバルブが壊れてしまう成人妙齢男子一名.


私は今,猛烈な「高校教師タイムライン作成ロス」に陥っています.それを少しでも和らげるために,この note を書いています.

その一方で,(2021)年内に仕上がってホッとしているというのもあります.

ということで,#ドラマ高校教師1993のタイムラインはこの辺でお開きにしたい.


羽村先生と繭が来世で結ばれ,そして幸せになることを願って

サポートして頂けると,ベランダで踊ります.