東京工業大学2025年数学(東京科学大学,東工大,東科大,前期)



【東京工業大学 2025年 数学】
全体的に大半が機械計算なので,機械計算の知識が強い人は満点近く取れた人もいそう。
個人的には,1️⃣(3)の「逆関数の微分」が自力では分からなかった。2️⃣(2)(3)はスカラー3重積でゴリ押した。3️⃣(2)は結論の値だけ書いて飛ばした
1️⃣
(1)部分積分するが,logが微分すると消えるので,Xを積分する形で。
(2)【逆関数の積分】。東京大学理系数学20066️⃣とか,類題をどこかで演習してれば解ける。⚫︎逆関数で置換して,置換積分する⚫︎グラフを書いて長方形の面積の引き算をする。の2パターンあるが,ケアレスミスが怖いので単調増加のグラフを書いて面積計算した。
(3)【逆関数の微分】。先日2025年の慶應理工1️⃣(3)にも同様の問題が出たので,復習してた人は手がついたのか?僕は知らなかったので解けなかった。
2️⃣
(1)直線方程式でパラメータ表示して,垂直から内積計算するだけ。ここは定石問題だからいいでしょう。
(2)(3)「(1)で求めたPQの長さとかをヒントにしてV(t)を求めよ。」というのが2️⃣の本題のようだが,誘導に乗ってV(t)を導出できる人はいいとして,誘導に乗れなくてもXYZ空間上の4点が分かってる四面体の体積は,スカラー3重積で導出できるので,正統法が大変そうなら,たとえ教科書範囲外で失点を食らってもスカラー3重積でV(t)を導出すれば(2)(3)は完答できるし,他の問題への応用も効くので,四面体の体積をスカラー3重積で求めるのはマスターすべき。V(t)が求まったら,あとは微分なり置換なりすれば良い。
3️⃣
この大問のポイントは(2)以外は機械計算なので,(2)は答えだけ書いて,Qnの導出過程は3️⃣4️⃣5️⃣を完答してから後回しにする事。
(1)◯と×を並べる感じでスキームした。
(2)(1)の感じからQnの形が予想できるが,細かく導出を書くとタイムロスするので答えを書いて(3)へ。
(3)パッと見分かりにくいが,左辺と右辺を入れ替えると(等差)×(等比)型の部分和をNの式で導出して,それの極限値を取った無限級数なので,教科書レベルの問題になる。
(4)r=P(2-P)として,放物線から値域0<r<1を示した後,また部分和を取ってみると(3)のXをrに換えた式が見えてくるので,あとは誘導が使えるような形に変えて計算するだけ。

4️⃣
(1)(2)は総じて,右辺が定数とか,NやMのカンタンな式になる事は予想できるので,どんなに最悪でもN=1,2,3とかで予想して数学的帰納法すれば完答できる。
(3)は「数列{Bn}はフィボナッチ数列に似た漸化式になるんだろう」と予想して漸化式を導出して,あとは差分して極限を求める。AnとBnの間の関係式から,Anの極限値は♾️,Bnの極限値は+0と予想できるので,部分和まで求めてしまえば後はカンタン。
5️⃣
(1)はカンタンに見えるが,増減表とグラフを書くよりも
⚫︎f(-T)=-f(T)の奇関数を示して,原点対称よりT>0の部分だけ調べる
⚫︎T→♾️で(+0),T→+0で(-♾️)に極限値取る
事をしっかり示す事が重要。
(2)のエグいところは,いつもの調子で「次数や変数が大きいので,因数分解して割り算しよう」として(X-Y),(Y-Z)で割り算してしまうと,誘導が使えない形になり,詰んでしまうという話。残り時間少ない中で思考停止で割り算して詰んだ人が絶対何人かいるはず。
正解は両辺をX,Y,Zの3乗で割ってF(X)=F(Y)=F(Z)を導出する事。これで(1)のグラフと導出すれば,W=F(T)とW=Kの3つの交点の問題に帰着する。
なかなか残り時間少ない中で冷静に誘導を利用できる人は少ない気がする。

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