
一橋大学 前期 数学 2025年





【2025 一橋大学 前期】
オススメ解答順は,
一周目で1️⃣(3)と4️⃣以外を完答させ,残り時間2周目で1️⃣(3)4️⃣を完答するのがベストか?
1️⃣
(1)「自然数の正の約数の個数」「自然数の正の約数の総和」は教科書にもあるし,ほぼ準公式として暗記必須だが,無断使用するよりは,ここでd(2025)を求めるついでに表を書いて,軽く導出するメカニズムを説明しておく。
(2)とりあえず代入して式変形する。整数問題が苦手でも,たかがKとPの2つの未知数しか無いので,しらみつぶせばK=1,P=2の1組しか無い事が分かる。
(3)N=PのK乗の時に限っては,F(N)が単調増加する時はN=2の時しか無く,それ以外の時は全部必ず減少するので,KとPを総ざらいして【Nが素数の自然数乗となる時は,F(N)の最大値はF(4)】は示せる。あとは,Nがそれ以外の形を取る時を考える必要があるので2️⃣に行くべきか。問題を5️⃣まで一周して1️⃣(2)の後半を落ち着いて考える。試行錯誤すると【任意の自然数N,MにおいてF(NM)=F(N)×F(M)】の成立に気づけば,あとはそれを軽く記述して,1以上のF(2),F(3),F(4)を全部かけ合わせたヤツが答えなんだ,と気づいて終わり。√2,√3,√5などの近似値や評価は軽く示した方が良いかもね
2️⃣
(1)「円と中心間の距離」とか代数計算で処理しても良いが,図形的に処理するのが早い(図形を書くと,1:2:√3の直角三角形が出てくるので出題者もその解法を望んでる)ので,図形的に解く。
(2)直線OPと円の交線Lの交点Mが線分PQの中点になるので,これを数式的に処理すれば良い,点Qの座標をtとかのパラメータで表せたら,そのtを消去して点Qは正円方程式になる。(文系数学で出てくる2次曲線は,タテ型放物線か正円ぐらいしかない)
3️⃣
数学Ⅱの微積分を全部詰め込んだような問題。ステップとしては
(1)左辺の微積分関数F(A)をAの整式で表す。
(2)K=G(A)の形にして,G(A)をAの整式で表す。
(3)Y=G(A)の擬似的な4次関数のグラフをAY平面に記して,Y=Kとの交点数からKの範囲を定める。
の3ステップで,各ステップは教科書レベルなのだが,(3)で0≦A≦4の時に√Aが出てくるので,√A=Tなどと置換して(ここでAとTが1:1で対応する事を書かないと,確実に減点される。が,厳密に1:1で対応するのを示すのはY=√Xのグラフを習わない文系に対してどうなんだ?という疑問がある)Tで微分する事で4次関数となり,0≦A≦4の時も4次関数の谷間みたいなグラフができる。各区間を合わせて,G(A)を擬似的な4次関数みたいにグラフを書いて終了。
4️⃣
空間座標の出てくる,ほぼ平面ベクトルの問題だが,おそらく解く順序はこうだろう。1周目に(1)まで解き,(2)(3)が思いつかなければ飛ばして5️⃣を解いて,4️⃣(2)(3)は2周目に回すべきだろう。
(1)S,Tの絡んだ与式を処理して,領域D(点Pの存在範囲)を斜線部で図示する。(境界を含む)
(2)角の2等分線の性質から,円の中心Cの座標を,Kなど1つのパラメータで表す。
(3)⚫︎円の中心と接点が接線に垂直なこと⚫︎そのキョリが10√2である事の2つの立式から,連立方程式で2つのパラメータ未知数を解いて,中心Cの座標を求める。
結局,最初に図を書いてみると,線分ABを5等分した左から1,3番目の点(これをE,Gとする)を通った領域などが現れ,これでほぼ平面図形の話だと分かるはず。あとは,なんでA,Bがこの座標に設定してあるか?△OEGに特別角や特徴があるのか?などを考えて辺の長さなどを計算して試行錯誤する時間が必要。結果として点E,点Gの座標も,OE=3,OG=5の長さもキレイな数値になり,「やはりこの解法を狙っての問題設定だったろうし,この解答方針で合ってるんだろう」と自信を持てる。あとは(2)(3)の手順で解く。
5️⃣
確率漸化式と分かるが,分かりづらい現象に書いてるので「動点Qが各頂点を1秒ごとに等確率で移動して,N秒後に点A,B,C,D,Eにいる確率を各々An,Bn,Cn,Dn,Enとする。」いつも通りの動点の設定に書き直す。あとは,確率漸化式は機械計算なので,王道の定石が決まってます。
⚫︎時間も解答スペースも余裕無いので,日本語での記述は最小限にして,ほぼ図を使って説明し,日本語を省く
⚫︎Nの偶奇によって異なるなら,それを最初に使う
⚫︎初項,全確率の和,状態遷移図,漸化式を全てそろえる
⚫︎1度漸化式計算を書いたら,以降は同様の途中式は省略して良い
(1)奇数秒後にAorCorD,偶数秒後にBorEにしか止まらないので,まず偶数秒後のBnを求めてから,これをN→(N-1)にして1/3倍してAnを出して,Pn=An+Bnの値を求めるのが最短ルート。
(2)「Eに一切到達せずにN秒後にA,Bにいる確率」を同様にFn,Gnとして(1)同様に求める。なお,漸化式計算の途中式も(1)で1度書いたら,採点者には漸化式が解けることも伝わってるので,同様の漸化式なら途中式を書かなくて良い。