逆算の論理力

どうしてオセロの世界大会で11歳の少年が28歳を相手に終盤に逆転で勝てたのか。
その答えは坂口和大九段が指摘するように「相手が間違えるような終盤の構成力」を11歳の少年、福地(敬省略)が持っていたからだ。

二人合わせて60手で行われる中、福地が終盤の56手目に22対37で劣勢の放った手に対戦相手のピヤナット(敬称略)が苦痛の表情とともにその敗北を知った。布石は数手前に打たれていた。敢えてピヤナットに角を取らせた。これによって、その後に勝利を決定づける逆転の手を打てた。つまりピヤナットが角をとったときにピヤナットの負けが確定したのである。
「相手が間違えるような終盤の構成力」を11歳の少年が持っている。終盤の構成力といえば、将棋界でも詰将棋で抜群の実力を持つ16歳の藤井七段の活躍もある。

勝利という目的から逆算できる論理の力は非常に大きい。どちらに転ぶかわからない混沌の中から勝利を手繰り寄せることができる。これは誰もが憧れる能力であり物語的な読みでもある。

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