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数学ができない私の院試合格体験記(数学系) (無料記事です)

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まずはじめに、タイトルについてすこしことわっておきます。
私は東京工業大学(東京科学大学)の数学系に合格しましたが、合格したのはまぐれだと思います。
このnoteでは主に「この結果で受かるやついるんだ」といった励ましと、自分の院試対策における後悔を書いておきたいと思います。
合格した事自体が偶然なので、「合格する方法」のようなことは書いていません。

「お前は東工大生だからそれなりに数学できるだろ」とか思われると心外です。僕は2020年度の学部入試数学は100点(落ちた)、2021年度は150点で、数学以外の問題のお陰で合格しています。
少なくとも入試数学には苦手意識があり、もう二度と見たくないレベルに入試数学には嫌悪感があります。

また、以下で「過去問」と述べたらそれは東工大の過去問のことです。

やっておけばよかったと後悔したこと

ツールの暗記

ツールとは、特徴付けや、よくある解法、命題などです。

証明まで理解してれば命題は思い出せる、とかいう人がいると思いますが、証明の中身まで覚えていられるような優秀な頭の人は黙っててください

たとえば僕は院試本番で「ハウスドルフであることは対角線集合が閉集合であることと同値」というのを使いましたが、「対角線集合」がなんなのかわからなくて誤った主張を書いたうえで、証明もできませんでした。

他にも、「あー、これやったことある…」と思う内容を忘れて解けなかった問題がありました。

暗記帳アプリなどで、問題につかえるツールを登録して、完全に頭に入れておきたかったという後悔です。

もっと早くから計画的に問題演習

院試は「院試の年の4月から勉強すれば受かる」とか、もっと短い対策時間を言う人がいますが、真に受けると数学できない人は詰みます。無理ですよ。

龍孫江さんのプレイリストとかをもっと早くからみて、計画的に毎日1問ずつ解くとかしておけばよかったなあと思っています。(とくに代数の問題で、代数の問題集でちょうどいい難易度のものがわからない。)

永田の代数学演習ももっと早くから取り組んでおけばよかったのかもと思っていますが、やっていたところでできていたかはわかりません。解説が不親切な上に、誤っていたりするので。

京大院試

京大の院試は解答がたくさん転がってます
東工大でも出そうな問題はたくさんあり、これをもっと問題演習に使っておけばよかったと思っています。

もっとちゃんと復習する

何当たり前なこと言ってるんだって感じですが、僕は昔から復習するのが苦手なんですよね。
結果、同じ間違いを何度も繰り返したりしてしまうわけです。
今年(2025)の東工大院試でも過去問と同じ内容がでましたが、復習不足で「なんかやったことある」以上のことは思い出せませんでした

時間を測って院試を解いてみる

ちゃんと時間を測って院試を解く練習をすべきだったという後悔もあります。
どうせ解けないんだから、時間測っても無駄だという考えで時間を測った演習はしていなかったのですが、結局まともに解けるようになることはなく、最後まで時間を測って院試過去問を解くことはありませんでした

やってよかったこと

院試対策会

これがなければ、院試勉強はできませんでした。
同期の優秀な人達のお陰で勉強になりました。
自分一人ではどれだけ頑張っても問題を解けないので、これは必要です。

これが出来ない環境の人は、ネットなどで仲間を探しましょう。

院試解答をもらう

これもなければ無理でした。
先輩の作った解答があったからなんとかなりました。
考え方を知らないものはどう考えても無理です。
大学入試と同じで、典型的な解法があったりします。
もらえない人は買ってでも手に入れるべきだと思います。

龍孫江

龍孫江さんの代数の演習動画をみたことは結構役に立ちました。
とくに東工大では毎年体論が出るので、それが役立ちました。
だからこそ、もっとたくさん見ておきたかった(解いておきたかった)と思いました。
なにがいいって、ちゃんと解答があるということです。
解答がない問題をたくさん時間かけて頑張るのは、数学ができない人のやることではありません。
それが出来ない人は院に行く資格がないとかいう人は無視しましょう。就職してないなら院に行くしかないですよね?

ぼくがどれくらいできないか

過去問(午前)の出来は、みんなが簡単だとかいう年ですら半分に満たず、多くの年は1完程度です。完答した大問が1つもない年も多くありました。

午後については2問解く必要がありますが、1つも解けないことも結構ありました。

本番どれくらいできなかったか

僕が受けたのは2025年度入学の東工大数学系院試です。

午前の問題は2完と、あとは中途半端程度に解けたと思っていましたが、答え合わせしてみると1完でした。
周りの答え合わせに来ている人より圧倒的にできていませんでした。

午後の問題は環論と体論をえらびましたが、環論は誤った解答を書きました。(完答したと思いこんでいたが本質的なところで誤っていた。)
体論は(1)しか解けず、あとは結果しかわかりませんでした。
結構地雷だったと思います。

面接が終わっていました。
詳しい内容は述べませんが、
1. 線形代数の基礎的な質問
2. テンソル積の基礎的な質問
をされました。
1は誤ったことを答えました(誤っていることを指摘された)。2は答えられず、面接は終了になりました。
手応えは最悪で、「筆記であの出来で、面接でもこれなら絶対落ちた」という絶望感に苛まれました。

確実に落ちたと思っていたので、なぜ受かったのか今でも不思議です。内部生の優遇があるのかな。

数学できないやつに伝えたいこと

「院試は受かる」は嘘

「院試はみんな受かってる」とかいう明らかな嘘を言う人がいますが、めちゃめちゃ嘘です。
院試は普通に落ちます。
東工大院試でも落ちます。(同期の東工大生に落ちた人がいます)

ちゃんと対策しないと落ちます。
めっちゃ対策しましょう。

落ちたと思っても受かってるかもしれない

ほんとに誇張抜きで僕は落ちたと思っていました。客観的に見て僕の出来はかなり悪かったです。
でも受かっていました。

有料部分には何もありません。

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