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マタニティリープマガジン vol.36 コーチとクライアント対談:チェコ人との結婚、移住そして隕石が落ちたような出産経験、「自分の可能性を掛け算する」コーチングでリープ (1回/全3回)

みなさん、こんにちは。「マタニティを飛躍の機会に」。マタニティリープです。このマガジンでは毎週木曜日にメインコンテンツとして、マタニティ期、子育て期の経験とリープについて伺ったインタビュー記事を連載しています。今回は恩塚翔子さんのインタビューの初回(全3回)になります。読んでいただいて、共感したり、元気になったり、癒されたりと、みなさんの力となる記事になれたら嬉しいです。

恩塚さん(プラハにて)

2012年、恩塚さんが人生の迷いの中で出会ったのが、コーチのなべゆき こと 渡辺有貴(マタニティリープ共同代表)でした。初めてのコーチとのセッションは、自分の本音に気づき、行動を変えていくきっかけとなり、人生の大きな決断や挑戦を重ねてきた恩塚さん。そんな不思議な縁で結ばれた二人が再び集まり、コーチングを通じてどのように「リープ」を遂げてきたのかを振り返ります。独身時代からチェコ人の旦那さんと結婚し、移住、二人のお子さんを出産した恩塚さん。心の変遷と、人生の選択に影響を与えたコーチングの力、恩塚さんのマタニティリープの軌跡を探るインタビュー形式の対談です。(二人がコーチ&クライアント関係であることやコーチの守秘義務については、クライアントの恩塚さんから了承を受けて、インタビュー内容として記載しています。)

「揺れ動く心と新たな一歩 〜 コーチングで見つけた自分の本音」(1回目/全3回)



はじめに: 人生の大きな転機となった出会い 


なべゆき: 今日はマタニティリープインタビューということで、恩塚さんに来ていただいております。よろしくお願いします。
 
恩塚さん: よろしくお願いします。
 
なべゆき: まずは、私たち二人の関係を少しお伝えするといいかなと思うんですが。
 
恩塚さん: そうですね。なべゆきさんは私の人生の初めてのコーチでした。確か2012年頃でしたかね、私が当時、人生にものすごく悩んでいた時期に、コーチングというものを知り、たまたま見つけたなべゆきさんに初めてセッションをお願いしました。

コーチングとの出会い: 自分を変える一歩


なべゆき: そうでしたね。十年とは言わないけれど、それぐらいの間にわたって、節目節目でコーチングをさせていただいていました。いろんなタイミングで大きな決断をする際に、コーチングを通じて関わることができたのは本当に感慨深いです。
 
恩塚さん: そうですね。なべゆきさんは、私にとって本当に人生の恩人のような存在です。最初にお会いした時から今まで、私の人生のいろいろな場面でコーチングを受けながら、成長することができました。
 
なべゆき: そんなところからも不思議なご縁で、恩人って言ってくれてありがたいなと思います。とても大事なタイミングで大きな決断をしたり、いろんな思いを共にした生き証人としての関係だなと感じています。こうやって久々にまた会って十年ちょっと経って恩塚さんのリープについて話ができるというのはとても感慨深いです。
 
恩塚さん: そうですね。なんか鳥肌が立ちました、いろいろあったなと。

幼少期からの影響: 家庭環境と価値観の形成


なべゆき: 最初にお会いした時ってまだ独身時代で。
 
恩塚さん: 最初は、本当に人生に行き詰まっていた時期だったので、なべゆきさんに出会えたことが大きな転機になりました。最初のセッションで、自分の考え方や行動のパターンがどれだけ制約を生んでいたかに気づき、そこから少しずつ変わっていくことができました。
 
なべゆき: 今日はそんなところからインタビューをさせてもらいつつ、恩塚さんがどういう人でどんな思いを持って、結婚、妊娠、出産、そしてどんなリープを歩んでこられたか、お話を聞きたいと思います。まずは小さな頃のお話を伺いたいんですが。
 
恩塚さん: 千葉県生まれで、長女として父母と弟がいる普通のサラリーマン家庭に生まれ育ってきました。幼少期から中学生くらいまでは、結構イケイケ人生イージーモードというか、学校の成績が良かったり運動ができたりして。
 
なべゆき: なるほど。例えば家族とか結婚に関してどんな風に思っていたのか、ちょっと聞いてみたいんですが。
 
恩塚さん: 性格的にはかなりマイペースで、おっとりしたタイプ。小さい頃に漫画家を目指したりして、女の子っぽいけど、活発ではあったみたいです。父は九州男児で、かなり保守的な考え方で、母は当時には珍しく女性一人で海外に旅立ったタイプで、二人は正反対でした。私には父の真面目に突き進む血と、母の常識に囚われずに生きていく血の両方が入ったんだと思います。
 
なべゆき: そうですか。家庭の中でそのような影響を受けていたことが、今の生活にも反映されているように感じますね。
 
恩塚さん: 確かに、女性が働くことに対して当たり前だと思っているところがあると思います。それは母の影響が大きいです。

新たな視点と挑戦への気づき

 
なべゆき: お母様がかなり自由で、国際的な活動をされていたというのはすごく印象的ですね。スペイン語の通訳をされていたということもおっしゃっていましたが、それが今の恩塚さんの生活や考え方にどのように影響していると思いますか?
 
恩塚さん: かなり影響はしていると思います。母がスペイン語の通訳として仕事をしていたので、幼い頃から家にスペイン語の電話がかかってきたりして、私も「今お母さんはいません」ってスペイン語でどう言うの?みたいなことを聞いていた記憶があります。それが潜在的に自分の中に染み込んでいるんだと思います。
 
なべゆき: それはすごく面白いですね。日本の家庭だけど、どこかに海外の風を感じる家だったのかもしれませんね。
 
恩塚さん: そうですね。家に置いてあるものも、どこか海外の雰囲気があったりしました。母が手に職をもって働く姿を見て育ちました。今になって知りましたが、当時のお給料は私のベビーシッター代でほとんど消えていたみたいです。それでも働くことを選んだと言っていました。
 
なべゆき: それが、今の恩塚さんが結婚して、出産して、家庭を築く上で、何か影響していると感じますか?
 
恩塚さん: 今聞かれて初めて考えましたが、そうですね。女性が働いていることに対して、私にとっては当たり前だと思っている部分がありますね。ヨーロッパの女性もそうですし、母の影響も大きいです。
 
なべゆき: それは大きな影響ですね。お母様の姿を見て、自然とその考え方が身についていたんですね。
 
恩塚さん: そうですね。母がやっていたことが自然と私の中で基準になっていたんだと思います。

未来への展望: 新たなリープを求めて


なべゆき: 例えば、恩塚さんは、ニューヨークに独身時代、ちょっと短期留学してみるとか、結婚でチェコに行く前にイギリスに語学留学をするとか。ちょこちょことグローバルに何かを学んで、人と繋がってっていうことをされているような気がするんです。
 
恩塚さん: 日本企業で働いてた時って、日々の忙しさに海外のことなんて完全に忘れていて。当時キャリアもプライベートも悩みが多くて、暗黒期だったのもあって。でも、やっぱりふとした瞬間にパッて海外なのかな?って出てきた時に、すごいカチカチカチカチってハマる感覚があったのは、ベースとしてそういう家庭環境があったんだと思います。あー、やっぱり海外に行くんだな、みたいな。
 
なべゆき: おりにつけ海外のこととか、英語を使ってどこかに行くとかっていうことはコーチングでもおっしゃってましたね。大学で応援部に入って、その後に就職して、一生懸命仕事をする。さっき暗黒期っておっしゃってたんだけど、その時はやっぱり、今話してくれた感じとはちょっと違う働き方とかしてたのかなと思うんですが、その辺のことも聞いてもいいですか?
 
恩塚さん: そうですね。大学の応援部はすごくまあ人に恵まれてめっちゃいい場所だったんですけど、ザ・体育会なザ・ヒエラルキーな中で頑張っていくっていう世界でした。就職した会社も、日本の会社で、今はもう完全にグローバル企業なんですが、めちゃくちゃ忙しい会社でした。本当に朝から晩まで熱血な感じで。でもよかったなと思うのは、「お前は、どうしたいのか?」って、私はどうしたいのかっていうのを常にこう言わなきゃいけない環境でもあった。
 
なべゆき: その中で一生懸命仕事を頑張っていらっしゃる姿も見ました。とにかく仕事が忙しかったことが、コーチングを受けるきっかけになったんでしょうか。
 
恩塚さん: そうですね。コーチングを受けるきっかけになったのは、まさにそういう働き方をずっとしていて、入社六年目に差し掛かったくらいの年次で。目の前のことに追われすぎていて、自分が本当は何したいのかとか、そういうことを一切考えてないまま、恋愛しなきゃって、合コンに行って失敗してみたいな。で、あれ?このままいったら、本当に人生がまずいんじゃないかと。たまたまネットで「コーチング」というのを見つけたんです。人生変える時かな、どうしたらいいかなって思った時に、コーチングに出会って、受けてみようかなっていう。そんな流れだったんですね。受けてみようかなっていうよりかは本当にわらをすがるみたいな「これしかないんじゃないか?」みたいな感じでした。
 
なべゆき: コーチングとの出会いですね。現在コーチングをお仕事にすることに繋がっていくわけですね。
 
なべゆき: その頃28歳とおっしゃってたけど、結婚とか出産とか、その辺に関してはどんな感じだったんですか?
 
恩塚さん: 理由もなく考えていて焦っていましたね。その時期って周囲が一気に結婚とか出産とかしていく中で、会社で働いている女性は昇格していったり。私は結構仕事もできるんだけど、突き抜けないところでウロウロしてる感じで。昇格するわけでもないし、じゃあ恋愛なのかっていうと、結婚したいけど、別に相手がいるわけじゃないんじゃない。すごい焦りました。
 
なべゆき: 30歳前後って、仕事なのか、恋愛や結婚なのかって揺れ動く時期ですよね。
 
恩塚さん: そうですね。今考えると本当に自我がなかったというか、自分の軸がないままに、なんか走ろうとしてた感じがその時期はありました。
 
なべゆき: コーチングを受ける前と受けた後で、きっかけとなるエピソードがあれば聞かせてください。
 
恩塚さん: その期間での一番大きなリープは、外国人と付き合うっていう決断をしたっていうことですね。私の夫がチェコ人で、彼との出会いのことなんですけど。その…まあ、父が保守的なタイプだったし、私は日本の会社に勤めて、日本人と結婚するって信じてやまなかったから。自分自身が、まだ海外にアンテナ立ってなかったんですよね。
 
なべゆき: アンテナは立ってたような感じがするんだけど。でも意識の中にはもうなかったんですね、その時は。
 
恩塚さん: もう日常に溺れていて、忘れていて、その幼少期のアンテナとかは。その時にふと1ヶ月ニューヨークに行って、帰ってきてたまたま日本で出会ったのが、夫だったんです。なべゆきさんと話していく中で、「ありえない、日本人と結婚するんだ、私は」っていう自分と、でもなんか知らないけど彼に惹かれる自分がいるっていう。それを認めたくなかったんですよね。だけど、なべゆきさんと話していく中で、認めざるを得ないというか。「あ、そうなのか、こっちなのか」って。あそこがリープでしたね。
 
なべゆき: いや、本当に。自分の思いやこうしたいなっていうことにそのまま進んでいくことに躊躇っていうか。やっぱり恐れもあるし、不安もあるし。例えば付き合うの?とか、結婚するの?チェコに行くの?とか。すごい逡巡しながらも、最後には自分の思いに正直にやっていく姿を私は見ました。応援してる気持ちもあるし、同時にその揺れ動く葛藤みたいなことも伝わってきて、すごい胸が震えたなあっていうのを覚えてますね。
 
恩塚さん: そうですね。私は相当ビビリなので、不安だし、結構なべゆきさんの前でグジュグジュ悩んでたと思いますよね。行ったり来たりしながら。だけど、やっぱりなべゆきさんがそうやって信じて、私の未来をたぶん私よりも見ていて信じてくれていて。その上で「本当はどうしたいの?」っていう問いをまっすぐくれたの、めちゃくちゃ覚えてて。どんどん本音を言わざるを得ない感じになっていった。自分の本音を認めて生きるっていうのは、こういうことなのかとその時期に練習したなっていう感覚があります。
 
なべゆき: ありありと思い出すのが、やっぱりこっちなんだなーって思った時に、最初の一歩を踏み出すのはやっぱり勇気がいるじゃないですか。例えば、チェコについてブログで書くとか。ちょっとした行動なんだけど、でも、自分にとっての意味のある行動を本当一つずつやっていったねとコーチとしてはそんな記憶があります。
 
恩塚さん: その時のこと覚えてます。
 
なべゆき: 震えながら、「とりあえずちょっとここまでは出てみようかな?」みたいな感じで。チェコについて調べてみるとか。
 
恩塚さん: 今の夫と会う約束とかを取りたくなかったんです。自分の気持ちをわざと無視していて。そっち行っちゃいけないと思ってたから。だけど、ちゃんと気持ちに応じて会う約束をしてみるとか。そんなところからだった気がします。
 
なべゆき: そういう意味では、自分に正直になって本音とか、「こうしたいんだ」っていうことを口に出したりすると戻れなくなる。
 
恩塚さん: そうです。そうです。
 
なべゆき: それが、リープしちゃうって感じなのかな?
 
恩塚さん: そうです。本当リープしちゃう感じです。なんか言っちゃったって。言っちゃったことは自分の耳でも聞いてるし。自分で言ったことを聞いたインパクトとしても、「あ、こっちが本当だ」って自分でもわかっちゃうから、だんだんそちらのリープの方にどんどん行っちゃいますよね。
 
なべゆき: そして、コーチングのセッションの後、二週間経って、「あれ、どうだった?」って聞くじゃないですか。私の方も結構丁寧に、「どうだったの?」って。やってみたとかできなかったとか、いろいろあったと思うけど、こんな思いがあったんだーっていうのをわちゃわちゃと話しながら聞いた記憶があります。
 
恩塚さん: そうですね。本当に革命的でしたね。

<次回2回目に続く>

▪️マタニティリープ情報

マタニティリープでは、妊娠出産後の可能性や選択肢が拡がり、リープ(飛躍)につながるイベントやワークショップを開催しています。
直近では、9月23日に「自分を整える~「食」は全ての源~」と題してオンライン講座を開催します。講師は以前マタニティリープインタビューにもご登場いただいた、HACHINA主宰の木村陽子さん。管理栄養士として、小児栄養学や陰陽五行をベースに、学び・実践をしながら、長年、妊娠・出産・育児中の多くのお母さんに寄り添ってきた陽子さんです。至るところでスピードを求められる昨今、仕事や家庭や子育てと多くを担う忙しさが、知らず知らずに私たちの感性を鈍らせ、本来備わっている力を弱めているかもしれません。食や暮らしが自分を整えていくことや本来の力をとり戻すことにどう繋がっていくのか等お話を伺います。食に関する新たな見方を手に入れることができるかもしれません。ご興味のある方、ぜひご参加ください。

2024年9月23日(振休)9:30〜11:00
自分を整える~「食」は全ての源~
お申し込みはこちら

今回も読んでいただき、ありがとうございました!

<編集>
マタニティリープ合同会社
https://www.maternityleap.com/

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