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マタニティリープマガジン vol.55『自分の人生を生きる』空に返った第二子の出産が教えてくれたこと。税理士とコーチとして描くつながりのある未来(第2回/全3回)

みなさん、こんにちは。「マタニティを飛躍の機会に」。マタニティリープです。このマガジンでは毎週木曜日にメインコンテンツとして、マタニティ期、子育て期の経験とリープについて伺ったインタビュー記事を連載しています。今回は和田穂乃果さんのインタビューの2回目となります。読んでいただいて、共感したり、元気になったり、癒されたりと、みなさんの力となる記事になれたら嬉しいです。


▪️マタニティリープインタビュー 和田穂乃果さん

〜和田穂乃果さんのマタニティリープジャーニー〜(第2回)

「大切なものを失ったとき、人はどのように前に進むのか?」
穂乃果(ほのか)さんの人生は、第二子の誕生とともに大きく揺れ動きました。生後間もなくお子さんを亡くした経験は、悲しみとともに彼女に「人生の意味」を問いかけるものでした。その後の人生で彼女がたどり着いた答えは、「自分らしく生きること」でした。税理士として多忙な日々を送りながらも、ほのかさんはコーチングを学び、人々が安心してつながり合える世界を作ることを目指しています。その根底には、人生の中で起きる大きな変化や感情の揺れを「リープ」として捉え、それを前向きなエネルギーへと変えるマタニティリープのスタンスが感じられます。

「人生は一度きりだからこそ、自分の人生を心から生きる」
その思いを大切にしながら歩むほのかさんの物語は、マタニティリープの願いとも深くつながっています。今回のインタビューでは、家族やパートナーシップについて伺いました。母として、税理士として、そしてコーチとして「自分らしさ」と「つながり」を追求するほのかさんの生き方をインタビューさせていただきました。

第2回: 一緒に育てる、家族として。新しいキャリアと生活の始まり

ー旦那さんとのパートナーシップが生んだ新しい子育てと仕事のスタンスー

<第1回:妊娠・出産が変えた私のキャリア観>のリンクはこちら

支え合う家族—近くの存在の大きさ

ーー旦那さんとの出会いや出産や子育てについて、またどんなスタンスを持っているのか教えてもらってもいいでしょうか?
ほのか そうですね。出会いは、同じ職場だったんです。多分、私と違うところの方が多いのではないかと思います。でもそこがよかったというか。
彼は一見寡黙な感じで、感情を表に出すことがあまりないタイプなのですが、ふとユーモアがあることを言ってきたり。すごく人間味があって優しく、言葉にはしないけれど、温かさが滲み出ているような人でした。それに惹かれて、安心感があって結婚しました。

ーー結婚後、子供が生まれてからはどうでしたか?
ほのか そうですね、子供が生まれてからは、彼はやっぱり寡黙なところが強くて、最初は話し合いがうまくいかない感じでした。私がどう寄り添っていけばいいのか悩んでいた時、彼も父親としてどうしていけばいいのか分からず、すごく戸惑っていました。私も彼も、戸惑いながらの子育てがスタートした感じですね。
ーー出産はどうでしたか?
ほのか 立ち会いはしてくれました。
ーーご両親や旦那さんの家族との関係はどうですか?
ほのか 旦那の両親は今、福岡に住んでいます。もともとは東京に住んでいたんですが、子供たちが大きくなった頃に福岡に引っ越しました。
ーーご自身のご両親はどこに住んでいますか?
ほのか 私の父は他界していて、母はうちから徒歩12分ほどのところに住んでいます。
ーーそれは近いですね。出産後の育児に影響はありましたか?
ほのか はい、母と姉夫婦が近くに住んでいるので、とても助かりました。出産時も実家に戻ったりしましたし、何かあった時にはすぐに駆けつけてくれたり。第二子の時も本当に助かり、もし彼らがいなかったら、正直育児は無理だったと思います。

親としてのパートナーシップ—同じ目線で進む育児


ーーもう少し伺いたいのですが、旦那さんは出産後や子育てについて、どのように変わったと思いますか?
ほのか だいぶ変わったと思いますね。最初は試行錯誤しながらお互いに子育てをしていて、私としては、もっと当事者意識を持ってほしいと感じていたんです。ある時、思い切って「土日一日中、すべて夫にお願いする」と決めたんです。子育ても家事も、料理も準備も何もかも。私はただ「教えるから、自分で全部やって」って伝えました。
ーーその決断、すごいですね。どうしてそうしたんですか?
ほのか 父親としてとか母親としてというよりも、子供にとって親は2人とも同じ立場であるべきだと思ったからです。私が産休・育休を取っている間も、家にいるからといって目線は同じでいてほしいという思いがありました。

ーーそれは育休中から始めたんですね?
ほのか はい、育休中から実践していました。
ーーすごいですね。親として同じ目線で子育てを進めるって。
ほのか そうですね。その頃から、私は「一緒に考えてほしい」という気持ちが強かったです。育児を一人で抱え込むのではなく、共に同じステップを歩む仲間として支え合いたかったんです。
ーーなるほど。同じ立場でお互いに協力し合う感じですね。旦那さんはどう反応されましたか?
ほのか 最初は戸惑いながらも、「わかった」と言って、楽しんで取り組んでくれました。大変そうではありましたが、何とかやってくれている感じでした。
ーーそれを聞いて、ほのかさんの考え方も素晴らしいし、旦那さんも本当に協力的ですね。
ほのか 私が具体的に「こうしてほしい」と言ったわけではなく、私の思いを伝えた結果、主人が寄り添ってくれたんだと思います。それからは、彼が家事をやってくれるようになり、感謝しています。

ーーそのことによってできた時間やスペースはどう過ごされたんですか?
ほのか 友達とご飯に行ったり、外に出て一人の時間を大切にしていました。それがすごくリフレッシュになり、子供たちがさらに可愛く感じましたし、主人への感謝の気持ちも強くなりました。
ーーそれは素敵ですね。旦那さんも、ほのかさんに対して感謝の気持ちが芽生えたのではないでしょうか。
ほのか はい、まさにそうです。お互いの感謝の気持ちが共有できるようになったのは、本当に良かったと思います。
ーーその経験が、旦那さんとの関係にも大きな変化をもたらしたんですね。
ほのか そうですね。出産を経て、主人との関係が深まり、お互いにより理解し合えるようになったことが大きな変化でした。

新しいキャリアへの挑戦


ーー復職のタイミングはどのように決めましたか?
ほのか 復職のタイミングは、保育園の都合に合わせて決めました。4月から復帰することが決まっていました。
ーーなるほど。5月に会社を辞めた後は?
ほのか 元々税理士の勉強をしていた時に知り合った先輩がいて、その人が独立しているのを思い出して、連絡してみたんです。15年ぶりくらいだったと思います。何か急に思い出して。転職するかもと思っていたので、税理士の道を再開するのもありかなと思い連絡したんです。その先輩が、独立したばかりで個人事業主として活動しているところでしたが、よかったら一緒にやろうよと声をかけてくれました。
ーーそれはすごいタイミングですね。
ほのか そうですね。その時は税理士法人としての形ではなく、個人事業主が集まったような形で活動していたんです。独立っぽいことをしながら、でも頼れる先輩たちと一緒に仕事ができる環境になるなと思って、決めました。
ーー組織に長く勤めてから独立するのは、かなり大きな決断だったと思いますが、その時の心境はどうでしたか?
ほのか はい、本当に大きな変化でした。やっぱりすごくリープな体験でしたね。
ーー何が変わったと感じましたか?
ほのか まず、時間が自由になったことが大きかったです。働く時間や休みのタイミングも自分で決められるし、家で仕事ができる環境も整いました。それから、お客様も自分で選べるようになったのが大きなポイントです。以前のように、上司から指示されて仕事をするのではなく、私が本当に関わりたいお客様を選んで仕事ができるという自由を手に入れた気がします。
ーーそれは大きな自由ですね。
ほのか そうですね、自由な時間を手に入れた分、収入は最初かなり下がりました。売り上げが全然なかったので。でも、1年後には売り上げが2倍か2.5倍になったんです。
ーーそれはすごいですね。
ほのか ええ、そうですね。でも最初の頃は、プライベートと仕事のバランスがうまく取れず、かなり疲れた時期もありました。仕事を120%でやらなければならないというプレッシャーがあって、寝かしつけた後に仕事をすることが多かったんです。それで、体力的にも精神的にも疲れました。

コーチングで見つけた新たなバランス


ーーそのような状況の中で、どうやってバランスを取ろうと?
ほのか その時、コーチングを受け始めたんです。
ーー自分がコーチングを受け始めたんですね。きっかけは何だったんですか?
ほのか 知り合いの紹介で、コーチングをやっている人がいることを知り、興味を持って受けてみました。そのコーチはエグゼクティブコーチングをやっている人で、いろいろな勉強をしている方でした。2020年ぐらいからコーチングを受け始めて、その頃から少しずつ自分のペースを作り始めました。以前は子供を寝かしつけた後に夜2時ぐらいまで仕事をして、朝は7時に起きるみたいな生活をしていました。特に独立したばかりの7月は本当にバタバタしていて、3ヶ月ぐらいはそんな感じで仕事していました。朝は主人に子供を任せて、だいたい9時過ぎから仕事を始めて、夕方6時に娘を迎えに行って、9時に寝かしつけてからまた仕事をして、12時ぐらいまで。そこから少し自分のことをして、1時ぐらいに寝るという生活をしていました。
ーー当時はそんな感じだったんですね。
ほのか はい、そうです。でも、もうそれをやめようと決めてからは、寝かしつけた後に仕事をすることをほぼやめました。今はもう全て自分の時間に使えるようになった感じですね。
ーーそれは大きな変化、リープですね。
ほのか はい、日中にコアタイムで集中して仕事をして、夜は寝かしつけた後に仕事をしないように決めました。すっきりしますね。
自分で選べるんだということに気づいたんです。勝手に夜仕事をしなければならないと感じていたけれど、それを自分で選んでいたんだなと気づきました。それをやらないと決めたら、ちゃんとできるんだなっていう気づきがあったんですよね。

<次回最終回に続く>


▪️編集後記

今回、とても嬉しいお知らせが届きました!クラウドファンディングで応援してくださった方が、「深川えんみち」の私設図書館「エンミチ文庫」で本の棚主デビューを果たし、マタニティリープの本を貸し出し登録してくださいました。こうして本が、人と人をつなぎ、新しい場所へと広がっていくのを実感できるのは、本当に嬉しいことです。

左から2冊目!

「深川えんみち」は、子育てひろばや学童保育、デイサービスなど、多世代が交流できるあたたかい場所。そんな場所にマタニティリープの本が加わり、必要な人の手に届く機会が増えることを願っています。

たくさんのおすすめ本

産婦人科や小児科、子育て支援施設など、もっとたくさんの場所で手に取ってもらい、そこから対話が生まれたり、ワークショップが開かれたりするようなつながりができたら嬉しいなと思っています。

一冊の本から広がるご縁が、より多くの人の支えになりますように。もし「この施設でも置きたい!」というお声があれば、ぜひお知らせください!

次回のマガジンもどうぞお楽しみに!

<編集>
マタニティリープ合同会社
https://www.maternityleap.com/


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