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月刊デッキビルドナイト(2023年5月号)~墓地に送ったら強い・面白いカード紹介~

はじめに

今回の記事は、前回投稿した記事に関連付けて、墓地へ送ったら強い又は面白いカードを編集部でまとめてみました。
実践向きのカードから、予想だにしないカードまで多種多に紹介してまいりますので、宜しければ最後まで読んでいただけると幸いです。
なお、前回投稿した記事を確認したい方は、下記にリンク先を貼りますのでそちらも併せてお楽しみください。

それでは早速カードの紹介に入ります。

墓地に送ったら強い・面白いカード10選

1.グローアップ・バルブ


恵まれたステータスとシンクロ、リンク素材として優秀な自己再生効果を持つ。

このカードを墓地へ落とすメリット

  • 自己蘇生効果を墓地肥やし付きで行えるLv1地属性植物族チューナー

デュエル中1度だけ、デッキの上からカードを墓地へ送ることで、墓地にある自身を特殊召喚する効果を持っています。
これこそがこのカードの最大の強みかつ便利な点であり、ランダム性が絡むとはいえ墓地肥やしをコストにしているので、仮に相手にこの効果を妨害されたとしても大きな支障は起こりません。
また、地属性の植物族であることから、現在のカードプールでは「春化精」との相性が抜群で、規制前でもセットで採用された《ローンファイア・ブロッサム》とのシナジー性は言うまでもありません。レベルが1であることから《ワン・フォー・ワン》に対応している点も目を離せません。
その圧倒的な汎用性の高さから、大会環境から独自性の高いコンセプトデッキなど様々なデッキで採用を検討されるパワーカードといえます。
シンクロ素材はもちろん、このカード1枚で実質リンク2のモンスターを呼び込めるのでリンク素材としてもとても優秀です。

このカードを墓地へ落とすデメリット

  • デッキトップから墓地へ送る効果が場合によっては事故要因となり得る

効果発動前の処理であるデッキの上から墓地へ送る行為について、デッキに1枚のみ採用しているコンボパーツが落ちてコンボ不成立になりうる可能性は留意しておくべきかと思います。
それでも、その僅かな確率に怯えるより、このカード1枚が果たせる役割の広さを認識しつつ、その後にどう展開していくかを考えるほうが大切だと筆者は考えます。そもそも、この墓地肥やし自体が遊戯王においてはメリットでしかなく、実質的なデメリットはないに等しいともいえます。

選出者コメント(T.toshi)
2017年のリンク召喚実装以降、長らく禁止カードとしてとどまっていた《グローアップ・バルブ》ですが、2023/4/1からの改定で制限復帰した時には衝撃を受けました。そして案の定、大会環境にて《ナチュル・ビースト》の素材として採用されたり、リンク2モンスターを実質1枚から呼び込むために採用されたりなど様々な場面で活躍しています。
個人的には、「春化精」において《森と目覚めの春化粧》と地属性モンスター1枚から《ナチュル・ビースト》を場に出せる点はお手軽かつ強力であり、とても気に入っています。
正直、禁止カードに指定された当時から強力なカードが増えた今でもなお通用するカードです。今後また禁止カードに再指定されるリスクはあるものの、特にマスターデュエルを機にOCGを始めた方々には是非1度はその強さを感じてほしいですね。

2.星なる影 ゲニウス(ネフシャドール ゲニウス)


 ①か②は同一ターンにいずれかしか使用できないものの、どちらも強力。

このカードを墓地へ落とすメリット

  • 効果で墓地に送られた場合のパワーが凄まじい

効果で墓地へ送られた場合、相手フィールド上の表側のカード1枚の「発動する効果」を封じる効果を持っています。相手ターンにこのカードを墓地へ送ることで、相手モンスターの効果を牽制する事が出来るようになります。
また、シャドール名称なので、様々な融合先が存在します。最近流行りのピュアリィに対しても、例えば相手が「ピュアリィ」速攻魔法で場に出した「ピュアリィ」モンスターを対象にすると、エクシーズ召喚効果を使用できなくなるためとても強力です。

このカードを墓地へ落とすデメリット

  • 効果で墓地に送らなければならないので、コストで墓地に送られた場合は発動できない

他の「シャドール」カードにも共通していますが、《星なる影 ゲニウス》は効果による墓地送りで効果を発動でき、コストとして墓地へ送られた場合には条件を満たしません。そのため、発動コストを必要とするカードとは相性が悪いため注意が必要です。

選出者コメント(Rei-零-)
シャドール名称を持ちながら地属性なのが偉いです。《影依融合》で墓地に送ってその効果を存分に発揮させましょう。

3.古尖兵ケルベク


デッキトップからカードを5枚墓地へ送り、更に手札から特殊召喚して相手モンスターをバウンスできる優秀な効果持ち。

このカードを墓地へ落とすメリット

  • 緩い条件で圧倒的な枚数の墓地肥やしを行える

手札かデッキから墓地へ送られた場合、お互いのデッキの上からさらにカードを5枚墓地へ送ることができます。この時の条件はコストでも効果でも発動するため、軽い条件で複数枚もカードを墓地へ送れる点は非常に強く、デッキのメインエンジンになれる性能を有しています。また、自身が手札に来ても実質的な手札誘発として使用することができ、腐る場面がほとんどありません。

このカードを墓地へ落とすデメリット

  • 相手のデッキも墓地へ送るので相手も墓地誘発の効果を使用される可能性がある

デッキの上からカードを墓地へ送る関係上、ランダム性があるので送られたカードの内容によっては何も起きない場合があり不安定な点は否めません。また、相手のカードも墓地へ送るため、使用する事で相手の展開を助長する状況も起こり得ます。

選出者コメント(Rei-零-)
ティアラメンツのズッ友カードですね。誘発としても超優秀です。なぜかレベル4なのでランク4のエクシーズ素材としても活用できる点はめちゃくちゃ強いです。

4.魔サイの戦士


フィールドにいる限り他の悪魔族を戦闘・効果破壊から守る効果と悪魔族をデッキから墓地へ送る効果を持っています。

このカードを墓地へ落とすメリット

  • 墓地へ送られた場合にデッキから好きな悪魔族を墓地へ送ることができる

悪魔族モンスターを墓地へ送ることができるため、悪魔族を主体とするデッキでは非常に有用なカードです。悪魔族は闇属性が多いため、その豊富なサポートカードと組み合わせることで間接的なサーチ要因として機能することができます。

このカードを墓地へ落とすデメリット

  • このカード1枚で効果が完結できない

効果こそ強力ではありますが、逆に言えばこのカード自身を墓地へ送る手段がないと発動できないため、他のサポートと合わせてようやく真価を発揮するカードでもあります。中途半端に攻撃力が高いため、《転生炎獣アルミラージ》のリンク素材にできないのも惜しいポイントです。

選出者コメント(Rei-零-)
ケルビーニの効果でコストでこのカードを墓地へ送ることで、デッキの悪魔族なら何でも墓地へ送れる点が優秀です。悪魔族で環境を揺るがすほどのカードが現れたとき、真っ先にこのカードを採用したくなりますね。

5.絶対王バックジャック


相手ターンに通常罠をセットor墓地肥やし、自身が墓地へ送られた場合にデッキの上のカードを好きな順番に並べ替える効果を持っています。

このカードを墓地へ落とすメリット

  • デッキトップを操作しながら、通常罠を盤面に準備することができる

レベル1の闇属性・悪魔族モンスターであり、受けられるサポートが非常に豊富です。また、1枚で効果が完結しているので、このカードを採用するためのカードを余分に採用する必要がない点もデッキ作りにおいてはメリットとなり得ます。

このカードを墓地へ落とすデメリット

  • デッキトップが固定されてしまうので万が一の場合の逆転が難しい

デッキの上から3枚のカードの順番を操作するため、相手のターンにこちらの盤面を崩された際、ドローによる逆転要素が事実上皆無になる危険性があります。また、発動コストとして墓地の自身を除外しなければならないため、複数枚採用しないと効果の再利用が難しくなります。

選出者コメント(Rei-零-)
初期のラビュリンスに採用されていた記憶がありますね。次元障壁や無限泡影など、最近は強力な通常罠が豊富にあるので、まだまだ現環境でも他のカードと組み合わせて戦えるスペックを持っていると思います。

6.彼岸の悪鬼 ファーファレル


自身を特殊召喚する効果、「彼岸」モンスター以外が場にいると破壊される効果、墓地へ送られた場合にモンスターをエンドフェイズまで除外する効果を持っています。

このカードを墓地へ落とすメリット

  • 相手ターンに墓地に送ることによって妨害札として活用できる

効果により一時的に除外ができる関係上、自分のターンに相手の場にモンスターがいる状況を用意できるため、相手の場にモンスターが必要なコンボを成立させる場合などにも有用です。このカードは発動条件に墓地への送られ方が指定されていないため、コストで送られても効果が反応します。ですので墓地に送る方法を気にしなくてよいのも使いやすいポイントです。

このカードを墓地へ落とすデメリット

  • 手札に来た際の活用方法が乏しい

手札に来てしまった際、②のデメリット効果によってモンスターとして活用するためには工夫が必要になってしまいます。手札に来ても大丈夫なように手札を捨てる/デッキに戻す手段と合わせて採用したいですね。

選出者コメント(さっちゃん)
一時除外の効果は自分のモンスターに対しても効果を打つことができます。そのため、《融合強兵》などのモンスターの効果を無効で特殊召喚するカードを用いて特殊召喚したモンスターの効果を有効にするなどの使い方もできます。《ナチュル・ビースト》などのモンスターを出すことができれば非常に強力です。

7.タックルセイダー


墓地へ送られた場合、相手の表側表示モンスターを裏側表示にするor魔法罠を手札に戻す効果を持っています。

このカードを墓地へ落とすメリット

  • 状況に応じて最適な妨害を選べる

墓地に送られた場合に「相手のモンスターを裏側守備にする」か「相手フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カード1枚を選択して持ち主の手札に戻す」のうちどちらかを使用することができます。相手のデッキタイプを問わず、モンスター魔法罠すべてに対応できるのがほかの妨害系カードにない強みです。このカードは発動条件に墓地への送られ方が指定されていないためコストで送られても効果が反応します。ですので墓地に送る方法を気にしなくてよいのも使いやすいポイントです。

このカードを墓地へ落とすデメリット

  • 手札に来た際の活用方法が乏しく、手札事故の要因になりやすい

妨害系カード全般に言えますが、手札に来た際にはかなり腐りやすいカードです。デッキの構築的にこのカードのために手札を捨てるカードを採用するかという点はかなり難しいと思うので採用する際には気をつけましょう。

選出者コメント(さっちゃん)
メリットのところでも述べましたが、墓地に送られた際の効果を持つ妨害系カードでモンスター魔法罠すべてに触ることができることができるカードはかなり少ないです。そのため墓地に送るギミックが多いデッキで妨害系カードを探す場合は筆頭になるでしょう。

8.ブレイズ・キャノン・マガジン


魔法・罠ゾーンで自身を《ブレイズ・キャノンートライデントー》として扱う効果、手札の「ヴォルカニック」カードをドローに変換する効果、デッキから「ヴォルカニック」カードを墓地へ送る効果を持っています。

このカードを墓地へ落とすメリット

  • 「ヴォルカニック」カードを墓地へ送り、送ったカードの効果を発動することが出来る

③の効果で墓地から除外する効果により、例えばデッキから《ヴォルカニック・バックショット》を送ることで、相手の場のモンスターを全て破壊した後1500ポイントのダメージを与えることが可能です。 相手の初動に合わせて除外することで展開のテンポを遅らせたり、盤面が不利な状況から返し札になることも出来ます。

このカードを墓地へ落とすデメリット

  • ③の効果発動タイミングが限定されているため、タイミングの見極めが必要になる

お互いのメインフェイズにしか墓地効果を発動出来ないため、墓地に送るタイミングが非常に重要になります。また、バックショットの「ブレイズ・キャノンの名のついたカード効果で墓地に送られた時」の効果を使用する前に自身を手札コスト等で使用してしまった場合は、相手モンスターの破壊が出来なくなるため注意が必要です。

選出者コメント(みや)
相手ターン中にバックショットと組み合わせることで、相手の場のモンスターを全て破壊とダメージが入るという非常に強力なコンボに繋げられるカードとなります。また、②の効果でヴォルカニックカードを墓地に送ることで1枚ドロー出来るため、ドローしながら引いてしまったヴォルカニックの効果起動に繋げられるカードとしても重要な役割を持ちます! 5/27に「デュエリストパックー爆炎のデュエリスト編ー」でヴォルカニックの強化がされるため、さらに戦術の幅が広がり非常に楽しみです!

9.EM五虹の魔術師


魔法罠の枚数によって強烈な効果を発揮します。

このカードを墓地へ落とすメリット

  • 任意のタイミングで自身をフィールドに準備することが出来る

自分が魔法罠をセットしたタイミングで墓地からPゾーンに置くことができ、セットされた魔法罠がないプレーヤーのモンスター効果の発動と攻撃を封じるという強力なロック性能を持ちます。

このカードを墓地へ落とすデメリット

  • 自分のカードの管理が必要になり、プレイング難易度が高くなる

自分の場にセットされた魔法罠がないと自分のモンスターも効果発動と攻撃が出来ないため、自分のカードの管理も非常に重要になります。 また、セットされた魔法罠が4枚以上あるプレーヤーのモンスターの攻撃力が元々の数値の倍になってしまうため、罠カードを多用するデッキと対戦する際には逆効果になってしまう場合があります。

選出者コメント(みや)
このカードが墓地にある状態で好きなタイミングで自分の場にセット出来る《トラップトリック》や《トラップトラック》、《Vivid Tail》などと組み合わせても面白いですね。 強力なロック性能を持つカードですが、比較的容易な条件で使用することが出来る非常に魅力的なカードだと思います!

10.SR三つ目のダイス


相手の攻撃を無効にできる効果を持ちます。

このカードを墓地へ落とすメリット

  • 相手の攻撃を守るうえでスペルスピードによる優位性が高い

類似効果を持つ他のカード超電磁タートルと比較した際に、フリーチェーンで発動出来る点でスペルスピード1以下の墓地除外に強いと言えます。 また、ネクロ・ガードナーとは機械族、風属性、チューナー、SR名称を持つと言う部分で明確に差別化が出来ています。 特にチューナーであると言う点が大きなメリットで、手札に来てしまったこのカードをシンクロ素材にして処理することが出来ます。

このカードを墓地へ落とすデメリット

  • 他の類似カードと比較した場合、防御面の性能は若干劣る。

超電磁タートルと比較した際には一度しか攻撃を止められない点、また発動後最初の攻撃を必ず止めなければいけない点で劣ります。

選出者コメント(ゆー)
1枚のパワーで見ると物足りない感じもしますが、このカードの特筆すべき点は優秀なステータスによる墓地への送りやすさです。 また、機械複製術にも対応してるので最大で九つ目のダイス(?)になることも出来、墓地軸レベル3みたいなデッキを組んだ場合に例えば… 三つ目のダイス→機械複製術→墓地の娘々→ブレイクソードで1枚ずつ破壊→リヴァイエール→娘々帰還→三つ目で返しの戦闘破壊を阻止→リヴァイエールで三つ目帰還からシンクロ→墓地に三つ目…みたいなコンボも可能です。 維持して強いカードをEXから出しつつ、墓地効果で守る!みたいなことも出来るのでオススメの1枚です!

おわりに

デッキビルドナイト運営委員会が選出した「墓地に送ったら強い・面白いカード10選」、いかがだったでしょうか。比較的メジャーなものから意外性の高いカードまでピックアップされており、どの効果も高い汎用性を有しています。
前回の記事で紹介したルートを経由する事で、上記のカードを起動するトリガーとして機能するため、ご自身が作りたいデッキに合ったカードを選んで是非とも活用してください。
また、これら以外にも有用なカードがある場合、コメントで教えていただけると幸いです。
ここまでご一読いただきありがとうございます。

奥付

「月刊デッキビルドナイト(2023年5月号)」
 投稿日:2023年5月3日
 著者・編集:摩天楼デッキビルドナイト運営委員会
 投稿者:デュエルサークル「摩天楼」 代表 三乗
 投稿所:デュエルサークル「摩天楼」

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