「魔法にかけられて」
実写の人間がアニメの世界に入り込むという作品は、実はディズニーは1920年代の初期に「漫画の国のアリス」シリーズとして作っていました。戦後の「メリーポピンズ」にもそういうシーンがあります。しかし「魔法にかけられて」はその反対で、ディズニーアニメの世界からキャラクターが現代のアメリカ社会に転生するという構造になっています。ただし、アニメ界から現実世界に転生すると、アニメキャラは実写の役者になります。
しかし頭の中はディズニーアニメなので、喜んだり悲しんだりするといきなりミュージカルになって歌い出すので、周囲の現実世界に生きているアメリカ人は、頭のおかしい人が現れたと思い、そこで笑いを取る映画になってます。
つまりディズニーが自分の作っているアニメが現実世界だといかに異常で異様か、をテーマに作った自己パロディ作品です。
やはり、アメリカ人にも心の底ではミュージカル映画は現実の世界だと頭がイカれていると思うんですね。まあ、歌舞伎の世界のキャラクターが現実世界にやってきてあの隈取りメイクで飛び六方を飛んだり、異様な歌舞伎言葉で喋ったらまずは救急車を呼びますよね。
音楽は「リトル・マーメイド」「美女と野獣」「アラジン」でアカデミー賞を獲ったアラン・メンケンで、本格的なディズニーです。視聴は一回のみ。
「魔法にかけられて('07米)」
エイミー・アダムス / パトリック・デンプシー / ケヴィン・リマ
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↑プライム・ビデオ字幕版