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本『デザインの輪郭』の紹介

一言で表すと

±0、無印良品などの製品デザインも手掛けた著者が、デザインするときにどう考えているか、デザインとは何かを述べている本です。

引用からみる学び

輪郭は、日常に散りばめられた無数の要因の中から、その状況に適応した顕著な因子が瞬時に抽出され結実する。輪郭は外側から導き出される、ということである。手で壁に触れて壁というものを認識することは理解できても、同時に壁が己の手のかたちを認識させていることにはふつう気づかない。(P.18)

人に関連するプロダクトのデザインは、人を観察することから始まります。人というのは思った以上にいろいろなことを感じているはずですが、それが認識できているわけではありません。

その用意された配慮の機能の意味は、そのものを見たときにはわからない。むしろ意識せずに流れている行為の中で、急に立ち現れてくるものである。(P.58)

そして良い機能とは、そこにあるだけでは?マークしかつかなくても、その時がこれば、誰でもわかるものなのです。あるだけでは邪魔にならず、必要なときに現れます。

「幸せの現象」という課題は、デザインの導入部ですね。
「あなたたちの、デザインがよいと思える感覚は、ノスタルジックな感情とかそういうものを美として捉えたものじゃないんですよ。日常であなたが感じていること、例えば靴がすっと履けたとか、そういうことがあなたを幸せにするんじゃないの?それが見つけられる?」(P.162)

これは機能なのではなく、人の幸せの形なのかもしれません。幸せの形をデザインという輪郭で示してあげることで初めて認識できて、人は嬉しかったり、楽しくなるではと思いました。

アイデアは言葉にできる。こんなのいいんじゃないかと説明できますね。でもエクスキューションというのは、言葉で表せなくて、具現化されたときに初めて力として評価されます。
僕はアイデアリスティックなデザイナーだといわれていますが、それを具現化する力の方がずっと強いと思っています。「どんなものでもかたちにするよ」という力がなければ、アイデアはあっても着地はしない。(P.197)

ただ観察からの閃きだけでできるわけではあません。良いプロダクトをたくさん作られているイメージが強いから、パッと出てきているように思えますが、大切なのは具現化する力なのだと思わされました。

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