KOL Technologies メタバース事業部 RYO氏へインタビュー
こんばんは、小磯です。
インタビューもなんと遂に4回目!
毎回、本当にいろんな方にご協力いただいて感謝してもしきれません。少しでも多くの方に業界への理解を深めていただいたり、企業さんに興味を持っていただけたらとの思いで続けて参ります。
今回のインタビューイは株式会社KOL TechnologiesのRYOさんです。
元々、ファッションやアート、NFTなどに興味を持ち活動されていたことが高じて、新設のメタバース事業部の立ち上げを任されるようになったとのこと。
デジタルファッション×メタバース、SDGsなどを絡めたお話をしてくださいました。
小磯:先日はありがとうございます。今日はよろしくお願いします。
早速ですが、自己紹介をお願いします。
RYO:現在、京都大学に通っています。
2021年3月からNFTをはじめとしたブロックチェーン領域に興味を持ち始めて、NFTアートなどの販売をしていました。
そのうち、メタバース領域にも関心を持つようになり、派生して現在は個人的にデジタルファッションのブランドを立ち上げるというようなことも行っています。
小磯:個人でもやってるんですね。
RYO:そうですね、個人としてはクリエイターの方たちと組んでデジタル上でのアパレルを制作しています。
それとは別に、元々知り合いだったKOL Technologiesに、メタバース部署というか、デジタルファッションの部署を立ち上げてくれないかというお話をいただき、今はその部署の立ち上げを行っているところです。
小磯:すごい!だってまだ在学中ですもんね。
RYO:そうですね、今4年生で次の3月で卒業予定です。
デジタルファッションとは
RYO:デジタルファッションについてまだ認知が広まっていないと思うので、
小磯:私もそんなに詳しくないですね。
RYO:そうですよね、ご存じない方も多いと思うので少し説明します。
今は服を物理的に着ていると思うんですけど、そういうものではなくデジタル上で完結しているような洋服をデジタルファッション、デジタルアパレルという風に僕らは呼んでいます。
多くは3Dデータになるんですが、例えばそれをARで着たり、ゲーム内のアバターが着用するスキン、またはVRChatやVRゲーム内で着るようなものをイメージいただくと良いかもしれません。
今後僕たちはそれらデジタルアパレル専門のマーケットプレイスのようなものを作ろうと考えています。
小磯:めちゃくちゃ説明わかりやすかったです。私も知らない人なら、デジタルファッションって何だろうときっと思うので、ありがとうございます。
あと、余談ですがその領域でビジネスをされたい人、最近結構増えてきてますよね。
私がパッと思いつくだけで2〜3名はいらっしゃるかもしれません。それぞれ得意領域や打ち出す強みは異なると思うんですが。
RYO:そうですよね、ARを使ったものなら、フィジカルの服も家やディスプレイの前で試着できる仮想試着サービスなどを展開している会社は結構多いんですが
小磯:確かに。
RYO:今は、そういう「フィジカルの服との結びつきがなく、成立しているアパレル」という一つの新しいカルチャーを作ろうとしていますね。
小磯:ありがとうございます。
XR領域に興味を持ったワケ
小磯:個人的にはNFTとARってめちゃくちゃ親和性高いと思っています。冒頭にも少し触れた内容ですが、XR領域に興味を持ったのはなぜなのか詳細をうかがってもいいですか?
RYO:今の時代の流れに乗ったといいいますか...
今年の5月くらいから、NFTから派生してメタバースにすごく興味を持って調べ出しました。そうしていくうちに、メタバース内で経済圏が生まれるという内容を見つけて。
それがNFTとハマってるなと思い、深掘りしていきました。
最初は僕自身、あまりVRのことは詳しくなかったんですが、
調べていくうちに、メタバース空間というのは基本的にはVRの技術を使った世界と構想されていて、視覚だけでなく触覚などあらゆる情報を利用できるという点などに面白さを感じて引き込まれていきました。
小磯:そうなんですね。
RYO:あとは、SFの作品が元々好きで、
小磯:へえ〜何ですか?聞いてわかるかな。
RYO:メタバースという文脈で、わかりやすい例を挙げるなら、『レディ・プレイヤー1』という映画とか
小磯:私も観ましたよ!
RYO:あとマトリクスとか。
小磯:わ〜大好きです。
RYO:漫画とかになってくると、『AKIRA』とかサイバーパンクっぽいものが好き
小磯:いいですね〜
RYO:あと、小さい頃とかは『電脳コイル』というアニメを見ていまして、あれがARを使ったような話なんですが
小磯:そのアニメ、知っています。
RYO:当時僕としては、ああいう世界観は正直怖かったんですけど、一方でカッコいいなとも思っていました。
小磯:『電脳コイル』観てたんだ、いいですね。
RYO:ARとかVRの技術が発達していって、昔はサイエンスフィクションという言葉通り、フィクションだったものが、現実になってきているなと。
小磯:ほんまに、ほんまに。
RYO:そういう世界観に全体が流れていくと、カッコいいし面白いだろうなと思ったのと、それなら自分もそこで何かしたいなと思い始めたのが、XRに興味を持ち始めたきっかけですね。
小磯:そうなんですね。RYOさんほどイケてないけど、私と趣味嗜好が似てるかもしれない。
『攻殻機動隊』とか、私と世代が前後の人って観てるエンターテイメントのコンテンツが似ているかもしれない。
RYO:攻殻とか結構観たりとかして、割とそういう、デジタルとフィジカルの現実世界が混ざり合ってる世界観っていうのはすごくこう、しっくりきています。
小磯:ええ。
RYO:それっていうのはXRの技術を使った、メタバースの構築によって生まれてくるんだろうなと個人的には思っていて。
なので、僕の興味の出所はメタバースありきのXRっていうところですかね。
小磯:ありがとうございます。共感します。
RYO:いいですよね、ああいう世界観が。
小磯:ええ。
現状の課題
小磯:御社がこれからやっていく事業として困ってること。
RYO:本当に人が足りない。今は全部自分でプロジェクト回している状況なので。
小磯:すごいと思います。
RYO:これから、モノやサービスを作っていくにあたり、一緒にやっていってくれるエンジニアを探している。ぜひ、どなたかがいらっしゃればという感じです。
小磯:そうですよね。
ちなみに、他の方にも「困ってることは何ですか」と聞くと、皆さん一様に「人」と答えられるので、見てる方にはなんか私が言わせてるんじゃないかと思われてないか心配で(笑)
無理矢理答えていただく必要はないんですが、他に困ってることあれば教えて欲しいです。
RYO:直近の課題としては人ですが、僕としては今全部一人でやっているので困ってることは大体、全て困ってますね。(笑)
小磯:そうですよね。(笑)
RYO:少年漫画のワンピースで例えるなら、今は航海を始めたばかりの段階なので、本当に2人目の仲間を探していて、次の課題も見えてくる前ですね。
まずは仲間を集めることが次のステップに進むために必要なことでもあるし、課題になります。
小磯:今の人が足りないというところは現状、どのように対処されてるんですか?
RYO:ゲーム業界やVTuberの業界、ARの開発会社で働いている友人に紹介ベースでお会いして「こういうことをやろうとしてるので、よかったら一緒にやっていきませんか」というお話をして、声をかけていますね。
あとは、Twitterで良さそうな人を探してDMしたりしています。やってることはこの2つかな。
小磯:具体的に案件が動いた時は業務委託の方などに頼んでいらっしゃるんですか?
RYO:まだ部署を立ち上げて2週間とかなので...(笑)
小磯:そうすると、*以前友人づてでご連絡くださったのは部署立ち上げたばかりのときだったと言うことですか? *インタビューの数週間前にも一度お話ししています。
RYO:そうですね、10月の半ばくらいにKOL Technologiesの方から「一緒にやっていきましょう!」とお話しいただいて、そこから色々準備し、立ち上げというような形になったのが11月頭ぐらいなので。
小磯:そうしたら、行動めっちゃ早いですよね。
すぐ、間接的に友人にご紹介いただいたということですね。やはり皆さん、スタートアップ速度でやってらっしゃる。
RYO:他にできることもなかったというのが、正直なところではあります。(笑)
小磯:先程も少し触れたが全然違う質問になるんですが、RYOさんが観てるXRやデジタルファッション、NFTの領域はどうなっていくと思いますか?
RYO:ネットの記事を読んだ程度の情報にはなりますが、外部要因で言うとやはりテックジャイアント中でもMetaがARグラス、GoogleもARの開発に注力していったりというところをみると、ARの方が技術的に普及するのではないかと見ています。
グラスみたいなところでいくと、アニメ『電脳コイル』みたいな、日常的にそれらを装着するような未来がきてもおかしくないかなと。
ただ一方で、ARだと色々と問題点があるとも考えます。
常時つけていると、安全性に課題があったり、ユースケースも限られてきそうだなと思うので、スポット的な使い方になるのかなとは思いますね。
その中でデジタルファッションの話を例にあげるなら、例えばライブ。
今は、バーチャルライブの演出だと、服からいろんなエフェクトが出て、自分とアバター2体で共演するようなシーンというのは、PCを通したりなどでしか表現できないんですけど、
おそらく今後は、それが多分リアルの場にいても現実を拡張してその衣装にエフェクトをつけたり、変化させたり
小磯:ええ。
RYO:あとはさっき言ったアバターとの共演とかっていうのも、これから割と自然になってくるんじゃないかなと思っていてます。
そういった、ライブや舞台のような多くの人の視点が集まる場所では、デジタルファッションはかなり普及するんじゃないかと考えています。
また、パーティーなど限られたスペース内では、ARを使ったようなデジタルファッションっていうのは割と流行るんじゃないかとも予想しています。
小磯:そうですね。
RYO:その他には、Metaが発表していたように、VRChatのようなVR上のSNSはこれからますます発達してきそうだなと。
今のSNSと同じように、アイコンを変えたりなどの、ある種の自己表現方法というのはこれから出てくるだろうと思っています。
そのなかで、アイテムやスキンの一種としてのデジタルファションというのはこれから流通が増えて、市場の規模としても伸びるだろうなと考えていますね。
小磯:むしろ伸びしかないですよね。
RYO:そうですね。あとはやはり、僕ら世代だとアニメだとかゲームだとかでイメージしやすいです。そして、下の世代だとさらにすごい。
例えば、ゲーム内課金。Fortniteという著名なシューティングゲームのなかでは、基本的に強くなる課金というのはできません。代わりに、スキンという洋服や銃の模様を変えたりというようなものへの課金が主になっています。
中学生などでも、そういうアイテム課金などに抵抗なく行っているコも増えてきています。
そんな子達たちからしてみると、人と交流する場において、自分のアバターをもって見た目を変え、独自性を出していくというのは普通のことになっていくだろうなと。
そういうようなところでデジタルファッションなどは伸びていくかなと思います。
XR業界を目指す方へ
小磯:XR業界に転職したいと思ってらっしゃる方へ向けたアドバイスなどがあればお願いします。
うちへの応援メッセージみたいなものでもいいんですけど(笑)
RYO:僕自身、XR業界に片足を踏み入れたのもつい最近なので、こういう業界ですよとかあまり大きいことを言えない。
むしろこれから一緒に知っていくというか、僕の方が後輩みたいな立場になるかもしれないんですけど。(笑)
ただ、XRというのは、昔SFで描かれていたような世界観のように視覚や触覚情報だけでなく人間の可能性を拡張していける領域だと思うので
今まで、表現できなかったようなことができるようになってくると思うんです。
僕たちの関わっているファッションの領域でいうなら、ファッションと音楽とか、ファッションと映像、エフェクトの演出など、
今まで概念的にはミックスされていたけれど感覚的にはそうではなかったようなクリエイティブの領域が、XR領域によって融合され、今までなかったような表現などが生まれてくるだろうなと考えていています。
新しいインフラじゃないですが、そういうような新しいものとか楽しいものを一緒に作っていける業界だと思うので一緒に頑張っていきましょう、という感じですかね。
小磯:ありがとうございます。よければうちへのメッセージもお願いします。(笑)期待してることととかでも!
RYO:国内で一番XR系のエンジニアが職場を見つけやすいサービスだといいな、とかかな。
XR業界っていうのは割とビジョンドリブンな業界だと思うんですよ。
こういう世界観でとかこういうものを成し遂げたくてみたいな。自分と合っているところ、ビジョンで共感できるところをマッチングできるようになるとすごいいいなと思います。
小磯:頑張ります。
RYOさんからメッセージ
小磯:御社やRYOさんからのメッセージなどをお願いします。
RYO:今までのお話で、僕自身のどういうところに興味を持っているかなどはお話しさせていただいたかと思うんですが
今後、ファッション、音楽、映像、演出などが混ざり合ったような、圧倒的に新しい表現を使った洋服や映像を作っていくクリエイターっていうのは沢山出てくると思っています。
僕らは、そういうクリエイターたちが、自分達の作った作品などを売買できるマーケットプレイスを作ろうとしています。
全く新しいもの、全く新しいクリエイター。挑戦的で楽しい領域にはなってくると思いますし、自分でいうのも何ですが、割とイケてることを仕掛けていこうとしています。
また、うちのKOL Technologiesは元々、アパレルの余剰在庫を低価格で本当に欲しいと思っている方々に届けるというSDGsに関わる事業もしています。
余剰在庫というのは現在、全世界で毎年220億着が廃棄され、世界的な問題になっています。
小磯:220億着ですか!?
RYO:確か、そうですね。国連のカンファレンスなどでもアパレル業界は環境変化や気候変動においても目下、課題のある業界だと言われています。
弊社は、余剰在庫という観点から、せっかく作ったのにそれを廃棄することが当たり前になっている業界構造を変えていきましょう、と取り組んでいる会社でもあります。
厳密にいうとデータ処理をしたりするときの電力消費の問題などはあるのですが、その中でデジタルファッションというのは、廃棄するものに比べると環境に優しい。
例えば、「可愛いから買ったけど着ない。」みたいな服やただコレクションするためのスニーカーなどは、割ともうデジタルでいいんじゃないかと我々は考えています。
小磯:所有欲を満たすためのコレクションとかの文脈でいったらってことですよね。
RYO:そうですね。そういうものをデジタルでコレクションしていって、環境にもフレンドリーなもの、フレンドリーなファッション文化を作っていこうとしています。
小磯:もしかしたらMESONさんと領域としては近いんですかね?
RYO:MESONさんは自社でARを用いて作品を作っておられる会社さんだと思うので。
僕たちは自社でコンテンツを作っていくというよりかは、クリエイターたちがものを売り買いできるようなそういうプラットフォームを作ろうとしていますね。
小磯:そうするとやはり、NFTとかと繋がりますよね。
RYO:そうですよね。
小磯:つまり御社がこれからやっていかれることというのは、リアルとバーチャル空間のファッションの課題を全部まるっと解決しますよってことですね。
RYO:そういう課題も解決しながら、すごい便利なものやすごくカッコいいものを作って行きたい。そういうクリエイティブなところを大切にしていますね。
カッコいいことできる人たちをちゃんとカッコいいところに連れてって、課題を解決しようと。
小磯:カッコいいにこだわってはるんですね。
RYO:そうですね。やっぱりファッションに関わることをやっているので。
僕がこれからやっていく、デジタルファッション、メタバースの部署では実際、カッコいいところ、イケてるところっていうのは大事ですね。
カッコよかったり、魅力的なものっていうのはいつの時代でもみんなが求め続けるものですよね。
課題をロジカルに解決していくことも大事だけど、楽しく、カッコよく解決していきたいなって思ってます。
株式会社KOL Technologiesの企業サイト
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