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今さら大豆田とわ子デビューしたのでほとばしる感想を投稿してみた

置き去りにされた
邦ドラマ好きの私の恨み節


2021年春ドラマは本当に豊作だった。

好きな俳優さん
好きな脚本家さん
先が気になるストーリー。


邦ドラマは、次のクールが近づくたびに
チェックをざっと済ませ、めぼしい作品数本の
初回録画まできっちりする私だけれど、
大事な資格試験を夏に控えていたため、
2021年春クールだけは、
リアルタイムで追いかけるまいと我慢
していた期間だった。
(1作10話×数作品分勉強時間が減ると思うと、夏の試験本番を目前に手痛いロスだった。つらい。)

いざ蓋を開けてみると盛り上がる盛り上がる。
近年稀に見る豊作だったじゃないか。
何故よりによってピンポイントで……
悔しい!!!!

そんなわけで、試験を終えるや否や、アマプラに無事降臨した『大豆田とわ子と3人の元夫』を
見始めたのだった。


最初の衝撃

まず最初に思ったこと。
ダイジェストから始めるドラマて天才か。

え、画期的じゃない?
笑えるシーンやときめきどころまで
先に教えちゃうのよ?
ネタバレもいいとこやん。
ハードルごりごりに上げるやん。

でも第1話で大豆田とわ子が慎森のコーヒーに
全力で塩を振るシーンが来た瞬間、思ったのよ。

きたーーー!これかーーーーーー!!!!

多分視聴者みんな思ったよね。
分かっちゃいるけど笑ってしまった
このお決まり感。

さながら赤ちゃんにいないいないばぁ。
はたまた大阪人に吉本新喜劇というべきか。


あーこりゃハマるわ。



また伊藤沙莉ちゃんの特徴的な声とツッコミが
大豆田とわ子の世界観にドンピシャなのよね。

大豆田とわ子のするOP/EDコールも
ショーの世界に招き入れる感じがたまらん。
ドラマ放映時からコンフィデンスマンJPの
タイトルコールが大好きで、
毎週齧りつくように見ていた私からしたら
それはもう、どタイプなんですよ。

沙莉で寄り添い、とわ子が引き込む。

完璧じゃないっすか。

背伸びもへりくだりもせず
「ほら、さっき言ってた場面、これ!」
「今日もいつもの大豆田とわ子だよね〜」
なんて初っ端から馴れ馴れしさ全開のこの感じ。
まさに新学期のクラス替え直後に現れる
世話焼きタイプ
のあの子のようではないか!

右も左も分からぬ新入生の私たちは、
とりあえず押されるがままに
パワフルで人懐こい彼らについて行くことで
安心してこの世界を眺めることができるのだ。

(え、初見の感想だけでまずこの長さ。)


何が目当てだったって、
岡田将生(と坂元裕二のタッグ)
だよ!!!

はい、出ました。岡田将生くんね。
いいじゃん悪いかイケメン目当てで!
かれこれ10年くらい好きなんだよ!
(『魔法使いに大切なこと』とかかなり初期では。一時期めっちゃ見てた覚えある…)

それはさておき坂元裕二脚本という意味でも
めっちゃ惹かれてました。
『問題のあるレストラン』、『いつ恋』、
『カルテット』『花束みたいな恋をした』
ちゃんと追っかけてるのよ。

この人の脚本はセリフが毎話秀逸で、
人生のお守りにしたいような名言や
これまでのモヤモヤを
さらっと言語化してくれるような鋭い一言が
魅力なのよね。

大豆田とわ子はテンポ感もあってか、
他作品より特にこの名言密度が
高かった
気がした!
(ノルマでもあるんかってくらいギッシリ)

あと坂元裕二脚本って、
毎話泣くほどめちゃくちゃ沁みる割に
最終回があっさりっていう
イメージがあったんだけど(失礼)、
大豆田とわ子は最後まで
同じ温度感・濃度感で大満足
でした!!!

この人wikiで調べたらまだ50代なのよね。
かの有名な『東京ラブストーリー』の脚本家
なのに意外すぎる若さじゃん?
当時何歳だ…(23歳だった。天才やばすぎる…)
まだまだ作品が生まれると思うとほんと楽しみ!

(まさかの岡田将生の話が一瞬。タイトル逆では)


ダークホース田中八作。
松田龍平にハマりそうで怖ぇ……

そんなこんなで私のツイートの10日間は
「慎森が!」「岡田将生が!」
で埋め尽くされるわけなのですが、
ここにまさかのダークホース誕生。

田中八作がかわいい。

店にパスワードを聞きに来た大豆田とわ子を
無視して扉バッタンだから、
あらら?打ち解けるのに時間かかる系?
なんて思ってたら、
落とし穴の目の前で「やっほー🖐」って。
あなたやっほーとか言うんか?!!!
ゆるすぎか!!!!

慎森がほぼ初対面なのに田中八作には懐いて「ね!」って同意を求めに行くのも
かわいすぎて震えるんだけど、
あざとさで言うとこの田中八作もなかなかだぞ…
首を傾げる時、肩から30度入るんだぞ…
なんだよお前…森の小動物なのか……。

そして私は1話を見てすぐに分かったよ。
大豆田とわ子は元夫たちをうざがっているけれど
田中八作だけは扱いがちがう!!

めんどくさいなぁってツンツンしてる割に
八作と2人の時はちょっと女の子になっているし、
なんなら濡れた服を乾かす間のあの空気とか
幼なじみの兄に甘えるような
肩の力を抜いた感じと安心感があったよね……

(ドラマ視聴済の皆さんは
ここで1話の膝枕シーンをイメージしてください)

同じ“元夫”でも、八作だけは特別なんだって
すぐに分かったよ、、、
松たか子の演技力もえげつないなおい……

あと松田龍平。
私はちゃんと見たことないんだけどさ、
探偵はBARにいるとか
めっちゃかっこいんだよね?

ふにゃふにゃしてるやん!
天然の癒し系男子(成人男性なのに)やん!!

どういうことやねん……
カルテット、けもなれ、まめ夫と見てきたけど
田中八作の松田龍平が1番やばいかもしれん。
さすがオーガニックなホスト……
(カルテットの草食系オカン男子別府くんとも
違うっていうのが更にすごすぎ。演技力…)

これは探偵はBARにいるを見なければ。
そして自ら松田龍平に落ちていく気しかしない。

(めちゃくちゃ語り続けるけどついてきてる人いるのかしら…)


かごめととわ子

ここの自然体2人がまたいいんだよね。
親友っていうか姉妹みたいな雰囲気で。
それこそ、とわ子にとってかごめは
妹みたいな感じだったんじゃないかなぁ。

愚痴ってもまともに聞きやしない。
突拍子もないことを言い出しては巻き込んで、
まぁ何でもいっかー!って笑わせてくれる。

かごめの自由さ、芯の強さは
とわ子には眩しくて
でもかごめは、どう頑張っても
普通に生きられない自分と比較して
成り行きでも立派に社長をこなしているとわ子を
とても尊敬していて。

だから今やっと自分が見つけた
目の前のできること(=最高の漫画を描く)だけは
とわ子にも取られたくなくて。

(あんたは他にいくらでもできることあるじゃん!)

世間の恋愛に対する
かごめの不器用な吐露も泣けるんだよね。

恋愛にキラキラした瞬間が
あるのも知ってる。

でも男と女だと
恋愛にしかならないのが悔しい。
淋しくなる時もあるけど、
私はこんな生き方しかできない。

男と女だからという理由で
楽しいなぁ、好きだなぁ、また会いたいなぁ
とただ思うだけの足踏みが許されない淋しさ

お互いに唯一でなければ。
お互いに1番でなければ。
スキンシップをしなければ。
異性として扱わなければ。

こんな誰が言ったのかも分からないルールに
一体どれだけの人が
何度振り回されてきたことだろう。

これに
“なんか分かんないけど、私は嫌!”
をしっかり意思表示したかごめは
本当に頑張ったと思う。

“好きだけど、
 恋愛の枠に入れられるとなんか違う”

“これが恋愛に変わるのが、私は居心地が悪い”

こういうのって割と珍しくないと思うんだけど、
流されずに、はっきりそう意思表示するのって
疲れるし悲しいし、とっても難しい。
だって私も“好き”なんだもの。

でも、理由が上手く言えなくても
ひとりだけ世間とずれてても、
自分が嫌なら「私は嫌だ」と言っていい
のだ。
私の感じ方は私が尊重していいのだ。


(これ、本当に大事。なんか真面目な話になってきたな…)


大豆田とわ子は何度でも恋をする

そしてそう、恐らくここだと思うのだ。
私がこのドラマの中で1番魅力的だと感じたのは。

3度の結婚と離婚を経験した大豆田とわ子。
ドラマのタイトルにもなっていて、
まず視聴者の興味を惹きつけるところだろう。

だけど、この作品は何も大豆田とわ子の
「失恋に挫けずに立ち上がる再生物語」だとか
「本能のままに恋をする自由な変わり者」だとか
そういうことを言いたいんじゃないんだと思う。

現に作品内で、大豆田とわ子が
切々と恋愛観を語るようなシーンはないし、
1回目の失敗を分析や反省して2回目、3回目と
結婚をしているわけでもなさそうだ。

また、「好き!結婚しちゃえ!」なんて
いい加減な気持ちで判を押しているわけでも
ないというのは、「ヒゲの人 (by慎森)」との
経緯を見ても明らかである。

大豆田とわ子は、その度、その度ごとに
真剣に恋をして、相手を真っ直ぐに見て、
新しい未来の生活に期待をして、
結婚という選択をしてきた
のである。

大豆田とわ子は決して、
「離婚を×回している私」
「結婚がいつも上手くいかない私」
などという視点から相手を選ばない。

今の私、今目の前にいるあなた
ただそれだけなのだ。

そして大豆田とわ子のその純粋さ真っ直ぐさ
毎日を楽しく生きるキラキラした生命力に、
私たち視聴者はどうしようもなく魅力を感じて
応援したくなるのではないだろうか。

現に彼女は、別れてもなお、元夫たちに
明るくしつこく(笑)アプローチをされ続ける。
まさに、「大豆田とわ子は、最高です」なのだ。


ありのままでいいじゃない。

さて、ほとばしりもいいところで
そろそろ本当に長文になってきたので
ここらでこのドラマ愛のレポも完結させたい。
(原稿用紙11枚だって。まさかこんなに語るとは思ってなかったよ…)

萌えとかエモとか泣けるとか、観るほどに
いくらでも見つけられるだろうこのドラマ。
私が読み取った1番のテーマはこれだ。

「ありのままでいいじゃない。」


大豆田とわ子の中の人だって、7年も前から
吹き荒ぶ雪の中で歌っていたじゃないか。
   ♪ありの〜ままの〜
まぁ、そういうことだ。

モテすぎて死にたくなったって
器が小さいと笑われていたって
屁理屈すぎてドン引きされていたって
結婚を何回していたって更に恋したって
みんなそのままで素敵。かけがえない1人なのだ。



そんな結論に至ったところで、
今日も私は不器用な人生に振り回されようか。

批判されようと心配されようと、
私が私を認めてあげられるなら結構、結構。
周りのお小言なんてピヨピヨピヨだ。

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