読むトレーニング
プログラムというのは圧倒的に、書くことより読むことのほうが難しいと思う。
コードを打ち込む先から、書いたことがぼやけてくる。少し経ってから改めて眺めると、もはや自分が書いたことも信じられない気がしてくる。これほどまでに、自らが産み出しておきながら理解できないことがほかにあるだろうか。
それとも、読む練習が足りないってことか。
僕は、楽譜を見ながら演奏する音楽家を見る度に感心してしまう。あんな記号の羅列を曲のスピードに合わせて理解し、演奏へとタイムラグなく結びつける技術を有するくらいなら、予め丸暗記することなど造作もないであろうに、と思ってしまうのだ。でも彼らにしてみたら楽譜というものは音楽を目でイメージする最も効率的な手段なんだよね。
プログラマも、あんなふうにコードを見ただけでコンピュータの動作がすらすらと判るようになるのが当たり前なのだろうか。
すし職人が10年はシャリを握らせてもらえないように(知らんけど)、初心者がいきなりコードを書き始めるなんぞ10年早いのか? この「読むこと」に特化した地道なトレーニングもひょっとすると必要なのではないか。やりたくないけど。
書いているうちに読む力もつくという期待は、もしかすると、留学すれば英語を話せるようになると考えるのと同じくらい他力本願な幻想かもしれない。
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