非和声音を含むメロディーのハモり方
筆者 三島ゆかり
今回のテーマは、音階を一音ずつ上がるメロディを例に、メロディの一音ずつにコードを宛がってハーモニーを生みだす方法論について、です。
(筆者代理補足)
モチーフ
モチーフに対する考え方
非和声音とは、そのコードのキャラクターではない音のことです。
モチーフでは小節にDmのコードが振ってあり、レミファソ、とメロディの音があるので、レがルート、ミは9th、ファが3thで、ソは11thと考えてしまう向きもいるでしょうが、この場合のミ、ソは、テンションではなく非和声音の音として考えます。
非和声音として別のコードを一時的にあてた方が面白い効果が得られる場合があり、今回はその解説をしてゆきます。
(筆者代理補足)
1.ダイアトニック+ブロック・コード
ブロック・コードは、トップとボトムでオクターブ離れたメロディを鳴らし、そのオクターブの間にコードのすべての音を詰め込みます。
独特の響きを持ち、ときに効果的ですがときに聴き苦しさを伴います。
(こういう効果を求めるときは、トップ・ノートの下は長2度でも短2度でもお構いなしなのです。)
2.ダイアトニック+ドロップ2
ドロップ2は上から二つ目の音をオクターブ下げることにより、ひとつひとつの音がブロックコードよりも聴きやすくなります。
また上から2つめを下げたことにより、トップと元3番目が空きすぎるときは元3番目をテンションノートとします。
トップとボトムが10度で流れるとき、もっとも美しく響きますが、この例ではうまくいっていないところがあります。
3.クロマティック+ブロック・コード
メロディーの2音目「ミ」と3音目「ファ」が半音で動いているので、その部分に当てたコードの音すべてを半音で動かした例です。
そこだけ調にない音が増えるので刺激的です。
このようにコードの音をすべて半音で動かすことをクロマティック・アプローチと言います。
4.クロマティック+ドロップ2
クロマティックに動かすことにより、2つめの和音の10度問題は
解決しましたが、いささか刺激的に過ぎるかもしれません。
5.ドミナント+ブロック・コード
クロマチックに動かすよりは部分転調と考えドミナント・モーションにした方が刺激が和らぐという考えです。
ただし、内声のなめらかな流れは損なわれます。
6.ドミナント+ドロップ2
機械的にドロップ2としたところです。
ブロック・コードよりも内声の動きが目立つだけに同音の連続が気になります。
7.ディミニッシュ+ブロック・コード
内声の流れがなめらかになりました。
ただし、いかにも予定調和で教則本的な響きなので、違うことをやりたくなるかもしれません。
8.ディミニッシュ+ドロップ2
ドロップ2とすることで内声のなめらかさが際立つと思います。
なおC#dim、Edim、GdimはすべてA7に♭9thを加えたものなので、機能的にはドミナント・モーションと同義です。
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