京都駅観光案内所で見た、日本のインバウンド観光の課題
編集部注:本記事は弊社代表・青木優のブログ「HIBILOG」の2014年7月15日掲載の記事を転載・編集したものです。
京都駅にある総合観光案内所。
観光案内所の様子です。
10分100円で使えるPC。ブラウザのメニューも日本語でした。せっかくお金を取るなら、言語変換機能ぐらいつけるべきではないでしょうか。
あるいは隣に英語が話せるスタッフがいたらいいのに、と僕は思いました。
無料で印刷できるプリンター。
日本語のキーボード。外国の方にとって、ローマ字変換するのも一苦労のようでした。
先月京都に行った際、京都駅の観光案内所に行ってみました。20分くらいその場を観察していると、やっぱり外国の方が多かったんです。観光案内所には10分間100円で使えるPCを設置していて、そこでアメリカ人2人が何やら困っている様子だったんですね。
どんな話をしているか気になったので、聞き耳を立て見ると、直島に行きたいようでした。でも、どれだけ調べても京都から直島までのいいルートが見つからない。僕は、ちょうど一昨日まで直島に行っていて、3年連続直島に行ってるくらいだったので、関西ルートからどう行くと一番安いかを知っていたんです。
なので、アメリカ人2人に声をかけました。「直島行きたいの?だったら、ここから神戸の三宮に行って、三宮からジャンボフェリーで高松まで行くといいよ。直島は高松の港から大体40分くらい。ジャンボフェリーは4時間くらいかかってしまうけれど、フェリーのデッキから見る瀬戸内海の景色は素晴らしくて、きっと気にいるはず。値段も新幹線とかを使うよりも全然安くて、3,000円くらいで行けるよ。」と言って、神戸三宮経由でいくのを勧めました。
京都駅の有料PCは、Webページの印刷は無料でできるようだったので、乗り換え案内の日本語版のページを印刷して、ローマ字を書いて渡しました。ついでにMATCHAのチラシと名刺を渡しました。
2人が凄く喜んでくれて、僕は純粋に嬉しかった。そしてそれ以上に、自分が海外を旅をしていた時を思い出したんですね。それは何かというと、旅で一番調べ物に時間を使ったことは、その現地の食事や宿の情報よりも、どうやってその場所にいくか、だったんです。
How to情報の充実を
上記の例を挙げると、世界一周中では、エジプトのダハブからイスラエルのエルサレムにいく方法を数時間かけて、また何日か日をまたいで調べた記憶があります。治安の問題を考慮しながら、またバスの時間などを調べながら、結構な神経を使いました。結局良くわからない場所に到着して、ヒッチハイクをして国境へ向かいました。
旅行という多くの人にとって限られた時間。そこでの体験価値の向上という意味で、こういったルート情報、いわゆる僕らが呼んでいるHow to系の情報の充実は急務だと感じます。日本人にとっての当たり前の便利さは、それを知らない外国の方からしたら不便利でしかないんですよね。
MATCHAが、まだまだ対海外の方向けの視点が足りないというのは重々承知です。これからより多くの外国人の方が日本に訪れてきます。インバウンド観光の1つの改題として、僕たちが解決できることは数えきれないくらいあり、少しずつですが、より良いメディアにしていきたいです。
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青木 優
1989年、東京生まれ。明治大学国際日本学部卒。株式会社 MATCHA 代表取締役社長。内閣府クールジャパン・地域プロデューサー。学生時代に世界一周の旅。デジタルエージェンシーaugment5 inc.に勤めた後、独立。2014年2月より訪日外国人向け WEB メディア「MATCHA」の運営を開始。「MATCHA」は現在10言語、世界200ヶ国以上からアクセスがあり、様々な企業や県、自治体と連携し海外への情報発信を行なっている。
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