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世界遺産「熊野古道」がJapan Tomorrowで300万円を突破!〜越境クラウドファンディング成功の秘訣〜

新型コロナウイルスの影響により、インバウンドはまだまだ回復の兆しが見えません。そんな中、弊社で始めた越境クラウドファンディングのプラットフォーム「Japan Tomorrow」で、初めて300万円を超える調達に成功した事例が生まれました。本記事では、どのようにして海外からの支援を集めることができたのかを整理してみました。

Japan Tomorrowとは

Japan Tomorrowは「想いなら、海を越えられる」をコンセプトに、日本語・英語・繁体字・タイ語の4カ国語に対応した越境クラウドファンディングです。海外からの支援を受けることができるのが最大の特徴で、プロジェクトの掲載には初期費用・掲載料不要。海外へのプロモーション、資金調達、素敵なプロダクト・商品の開発や販売、テストマーケティングのツールとして幅広くご活用いただけます。


初期プロジェクトの「熊野古道」が目標の200万円を達成

10月1日のリリースに合わせて開始した世界遺産「熊野古道」のプロジェクトが、約2ヶ月で目標の200万円超の調達に成功しました。(残り20日間ほど残っているので、引き続きご支援お願いします!)

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簡単にプロジェクト概要を説明します。今や海外旅行客からも人気となった熊野古道ですが、新型コロナウイルスの影響により旅行客が減少しただけでなく、近年は過疎化高齢化や風水害に伴い熊野古道の日常的な維持が困難な状況になっています。

そこで、田辺市熊野ツーリズムビューロー(以下、田辺市熊野TB)の皆さまを中心に、地域ぐるみの持続的な観光活用により、熊野古道の自然環境と文化的景観を次の1000年につなぎ、いつ旅人が訪れても安心して歩くことができる状態を保つために立ち上がったプロジェクトです。

集まった資金は、熊野古道の補修や看板などに使われます。


どんな人が支援しているの?

さて、そんな熊野古道のプロジェクトには、どんな人が支援してくれているのでしょうか。今回は、日本語英語繁体字タイ語4カ国語で実施しました。

1. 支援者数の25%、購入金額の35%が英語圏とヨーロッパ

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支援者のうち、支援者数の25%、購入金額の35%が英語版でした。また、逆に言えば、海外だけでなく日本人からも多くの支援を得ることができるので、合わせ技でPRを行うことができます。国籍はアメリカやオーストラリア、ドイツ、フランスなど幅広くいます。

2. 平均支援額は、英語圏の方が日本人よりも約10,000円高い

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なんと、平均支援額は英語圏やヨーロッパの方が約10,000円も高い結果になりました。元々クラウドファンディングはアメリカで始まったものであり、寄付に対する意識が日本人よりも強いと言いますが、このように差が付くのは示唆的です。実際に、30万円のリターンを購入した方が2名いらっしゃいますが、そのうちの1名はアメリカ人でした。


人気のリターンと、タイトルの工夫

今回用意していただいたリターンは、3,000円〜300,000円まで9種類。最も多くの人が購入したのは5,000円の「熊野古道保全応援プラン+熊野古道ピンバッジ&ステッカー」。2番目が10,000円の「熊野古道保全応援プラン+「(仮称)Friends of Kumano Kodo」メンバーズカード」。

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過去に熊野古道に訪れたことのある方々や、元々繋がりのある方、周辺に住んでいる方々が、大好きな熊野古道を守りたいという想いでご支援いただいたのではないかと思います。

一方で、高額の体験ツアーを購入する方もいましたが、こちらは「これから熊野古道に行きたいと思っている人」でしょう。

つまり、「過去行ったことがある人が応援したくなる」ものと、「これから行きたい人が楽しみになる」両パターンのリターンを用意できると良さそうです。

また、今回の工夫として全てのリターンに共通の「熊野古道保全応援プラン(Friends of Kumano Kodo)」を付けることによって、一貫したプロジェクトであることが伝わりやすかったのではないかと推測しています。


目標達成までの施策内容

目標の200万円を達成するために、プロジェクト実行者である田辺市熊野TBさんと、弊社で行ったこと施策毎に分けて振り返ってみました。

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田辺市熊野TBで行ったこと
- プロジェクトは英語から作成。日本語からの翻訳ではない。
- 繋がりのある海外エージェント100社くらいにメールを送付。
- 地方紙Web版に取り上げていただく(Yahoo!ニュースに取り上げられる)
- 地方紙紙面版にも取り上げていただく
- 熊野古道に関する複数のFacebookグループへの投稿
- 知人等への支援依頼のご連絡
- スペイン大使館の方によるシェア
- フランスのメディアに掲載
- チラシを自作して配布
- メールの署名には、クラウドファンディングのリンクを貼ることを徹底

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MATCHAで行ったこと
- 開始と同時にプレスリリースを配信
- いくつかのメディアに取り上げていただく(TimeOut TokyoJapan Forward、KLOOKなど)
- MATCHAで紹介記事を執筆
- MATCHAのFacebookに投稿
- 広告配信

ポイントは、田辺市熊野TBさんで行っていただいているPR施策が非常に効果的だったこと。もちろん、我々は海外に向けてアプローチする上で最大限のことを行うのですが、クラウドファンディングはやはり、プロジェクトを実施している方々自らの声が最も力強いです。プラットフォームに載せるだけでは、なかなか支援を集めることはできません。自分たちの力で、PRすることが成功への鍵になります。

また、今回は田辺市熊野TBのブラッドさんに英語でプロジェクトを作成していただきました。これにより、日本語と英語でそれぞれのターゲットに向けたストーリーを的確に伝えることができ、海外からの支援を募ることができたのだと思います。(通常は、日本語でプロジェクトを作成いただき、弊社が海外向けに翻訳致します。)

ブラッドさんは、「このプロジェクトを通じて、コロナで疎遠になっていた海外のエージェントと絆を結びなおそうという気持ちで、メールを送った」とおっしゃっていました。クラウドファンディングにはそのような側面もあるのです。

(上)ブラッドさんのインタビュー記事


まとめ

熊野古道は、Japan Tomorrowにとって初めて200万円を超える調達ができたプロジェクトになりました。改めて成功したポイントを整理すると、以下の5つにまとめることができます。

①「世界遺産の保全」という社会貢献のストーリーが明確でわかりやすい
②日本人、外国人問わず、既に多くの旅行客が訪れており、ファンがいる
③資金の使い道が明確
④リターンの価格のばらつき、数のバランスが良い。またこれまで繋がりの深い人、未来のお客さん共に魅力的。
⑤田辺市熊野TBの皆さま自身でのプロモーションが力強い

明確なストーリー、リターンの設計、PR・拡散力は非常に重要だということがわかりました。これから海外向けにプロジェクトを実施されようとしている方は、ぜひ参考にしてください。


弊社のビジョンは「日本の価値ある文化が、次代とともに残っていく。」です。Japan Tomorrowでは、コロナ禍でも未来の訪日旅行客に向けたプロモーションや、海外の日本ファンの方にアプローチしたい方々を応援します。これからも、日本全国様々なプロジェクトが並んでいきます。

プロジェクト掲載にご興味がございましたら、どんな些細なことでも構いませんのでこちらのフォームからお問い合わせください。


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