レリムウッド滞在記を遊んだよ
「TRPGシナリオ書きたいサーバー Advent Calendar 2024」閲覧中の皆様、こんばんは!
https://adventar.org/calendars/10238
12/23の記事はURIさんの「TRPGと着物について書けたらいいな。」でした。
12/24の記事は僕、マッチ棒こと山内(@match_bo)によるソロジャーナルのプレーログ。お題は「レリムウッド滞在記を遊んだよ」です。
レリムウッド滞在記は、hakoniwa-8528こと猫あきらさん作のソロジャーナル10本集です。
読破してからのプレイ前提の、軽量ソロジャーナル10本入り冊子で、架空の村レリムウッド村を訪れた旅人が村で体験するアレヤコレヤをプレイヤーが決めて記述していきます。
面白かったです! ビバ・スローライフ!
ミニ・ソロジャーナルの中にリンクしやすい話題が仕込まれていて、後半に行くにつれてソロジャーナルで言及した内容がつながっていくんですね。
丁寧な作りで、好感が持てました!
作品はこちらで頒布を受けられますよ!
https://conos.jp/product/lelimwood/
というわけでプレーログを公開しますね。以下、だ・である調でお届けします。
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まずは旅人の作成だ。主人公は旅人なのだ。質問に答えていくだけなのでキャラクター作成は簡単だね!
性別:男
年齢:40代のくたびれた男
旅を続けている理由:受け継ぐはずの地盤を親の借財で失ってしまった。
旅に終わりはある?:それを見つける旅なのだ。
普段はなんと名乗っている?:ガン
それは本当の名前?:はい。
レリムウッド村は……
穀物畑の中を通る街道沿いにある平坦な村。古くからある静かな村らしい。
村の奥に神殿がある。万屋、酒屋などもあるが、高齢化が進んでいる模様。
木造の家屋が多いが、壁や窓、入口は二重構造になっているようだ。
お世話になる宿はダンホーの宿。歩くと床が鳴る、ちょっと心配な宿だ。
2階建てで、客は2階に寝泊まりし、1階は食堂と従業員の住まいらしい。客室は2部屋で簡素なつくりだ。
財布の中身は……
56G。Gは貨幣の単位である。Gとつくが銀貨である(金は価値が高すぎて商業利用できないのだ)。
宿のばあさまに作ってもらった山盛りの茹で麺を食べて村を散策する。
滞在費10Gを払って出発だ。
財布:56→46
まずは農園を見ていこうか。
「素敵な野菜の品種改良」
野菜の品種改良が活発らしい。いいことだ。
作物の価値を高めたり、増産できたりするのは最終的には村が潤うし、人々も助かるだろう。
農園を訪れると、それなりに大きな平屋の建物と農園とが並んでいた。農園の主はシハカータという老爺である。
老爺といっても体はシャンとしているし、健康そうだ。老爺は品種改良についてざっくり説明してくれた。ありがたい。
野菜をかけ合わせておもしろ野菜を作るようだ。なんでも、促成栽培ですぐ手に入るらしい。
春菊(のようなもの)とほうれん草(のようなもの)を混ぜてみよう。
春菊は、食べ応えと多少の筋感、見た目の鮮やかさ、少々の苦みを伴う大人向けの野菜である。軽く茹でて食べる。
ほうれん草は、高い栄養価と食べやすさ、少々のしびれを伴う美味しい野菜である(しびれ成分は茹でるとなくなる)。
これをかけ合わせれば、
高い栄養価と見た目の鮮やかさを持った食べごたえのある野菜ができるはずだ!
レシピを見せると、農園の主である老爺は材料となる野菜の種を持って奥の部屋に入っていった。
待つように言われ、1時間。
老爺はできたよ、と言って、丈の短い、肉厚な春菊を持ってきた。早速生食してみよう。
味は:苦い
あれ? まあいいか。茹でれば苦みは軽減されるだろうから、鍋の具にいれるといいのではないか。
茹でた後刻んで、おひたしにしてもいいだろう。
名前は、ほうれん菊だね。レリムウッド村の新たな特産だから、レリムウッド・ほうれん菊。
ところで1時間でできる促成栽培ってなんだろう。どういう技術なんだ?
そのことを尋ねるが、老爺は微笑んで何も言わなかった。秘密なんだろうな。
お土産にレリムウッド・ほうれん菊をもらった。
価値:4G
宿に戻ったら、山盛りの麺をばあさまが孫と一緒に食べていた。良い光景だ。
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二日目。
滞在費10Gを払って出発だ。
財布:46→36
持ち物:レリムウッド・ほうれん菊
なんとこの村には図書館がある。
村立図書館だ。維持大変だろうに、これはすごいことだと思う。
司書のキワドーカ氏(村長のキワドーカ氏の親戚らしい)に挨拶し、早速利用者登録をさせてもらった。
頑丈な本棚が壁に沿って並んでおり、読書コーナーというか、勉強コーナーとして机と椅子が並べられている。
革の装丁の匂いがかすかに感じ、机では若い男女がノートを広げ、鉛筆で勉強していた。
なんとなしに一冊の本を棚から取り出した。なにかに導かれている?
その本は図鑑だ。タイトルは地域に関するものだから、地誌というのが正確だろう。
パラパラとめくると、レリムウッド村のことが書いてあった。
どうも、レリムウッド村(旧名:イアーザイ村)はこの国が軍事政権から帝政へと政権交代した際におきた動乱で最後まで抵抗した村落のひとつらしい。
抵抗は激しかったが、もともと学問に長けた一族が村内に複数おり、その幾人かが帝政側の英雄レリムウッド将軍との知己であったことから、廃絶を免れたようだ。
村落を廃絶しない替わりに、村落の名前を変えたわけだな。
戦争の英雄レリムウッド将軍の名を冠し、帝政に帰順した村という体裁を整えることで、潰す理由を有耶無耶にしたんだろう。
いい話だなあ。
地誌も借りられるらしいが、さすがに借りるには重量がある。今日はやめておこう。
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三日目。
滞在費10Gを払って出発だ。
財布:36→26
持ち物:レリムウッド・ほうれん菊
ばあさまに聞いたところ、この村には商店も開いているらしい。何でも物々交換でものを取り替えられるそうな。
村のメインストリートを歩くと中ほどにあるのが、ダンホーの店だ。ばあさまの親戚とのこと。
まさに万屋という感じで、新品、中古、いろんなものを売り買いしているようだ。
思わず手に取ったのは、中古の服だ。
現地の、まだ軍事政権下だったころの民族衣装らしい。すそが長すぎ、だいぶ長身の人物が着ていた事がわかる。
帯は貧相だが、生地はすごくいいものだ。クラシックだがなにより見栄えがいい。ちょっと手直ししたら着られるんではなかろうか。
今や着るものとていない装束だそうなので、着付けには苦労しそうだが、交換することにした。
幸いにもレリムウッド・ほうれん菊が手元にあったので、これとの交換を依頼した。
交渉の結果、財布から6Gを追加で払った。
面白い野菜だが、調理に手間がかかるというのが難色を示す結果につながったらしい。
うまいのになあ。
ともあれ、中古の服を手に入れた。
財布:26→20
宿に戻り、中古の服を見せると、それは昔(軍事政権下)の戦士の装束だと言う。
なるほど。僕にはすそが長すぎるが、詰めれば着られるかもしれない。別に戦士ではないが、旅情を楽しむには面白いね。
ばあさまは、隣の家が服のお直し処をしている、との話をしてくれた。
シャバコーの裁縫店、という店だそうだ。早速明日、行ってみよう。
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四日目。
滞在費10Gを払って出発だ。
財布:20→10
持ち物:イアーザイ戦士の服(中古)
シャバコーの裁縫店に早速向かってみたところ、店の中では客らしき人物と店のおばさんが話をしていた。
中性的で性別不詳、年齢も不詳で若者のようにも見えるが、年齢を超越してそうな気もする。妙に背が高いのが気になった。
店のおばさんはしきりに恐縮している。
持ち込まれている服はツーピース以上の一揃いだが、サイズが合わないらしい。よく見れば軍人の制服だ。
当世風に軍衣を入手したが、どう考えても入らない。どうにかしてくれ。ということらしい。
そりゃ無理だ。大は小を兼ねるというが、小さいものを大きくするのは難しい。
せっかくなのでお直しの理由を聞いてみた。
時代がかった話し方で彼?が話すところによると、彼?はこの村のイダ=ウコ神殿の関係者で、近くある行事のために礼服を欲しがっているそうな。
そこで氏子から礼服を献上されたが、どうにもサイズが合わず、困っていた、ということらしい。
簡単な解決方法があった。やることは万屋と一緒だ。
僕の持ってる中古の服は戦士の装束で、かつ、サイズがひときわ大きい。
礼服は軍服で、サイズが神殿の人には小さすぎる。戦士の装束と礼服とを取り替えれば、解決するんじゃないか?
そう提案した。
店のおばさんはなぜかガタガタ震えているが、なんだろう。
提案を聞いた神殿の人は満足げな顔で、それでいこう。と言い、戦士の装束を持って、ふっと消えた。
えっ。
店のおばさんは腰が抜けたらしく、その場にへたり込んでしまった。
店のおばさんいわく、今の客はイダ=ウコ神殿の神様そのもので、神社にある絵姿そのままの軍神が現れた。らしい。
軍神はかつて武威を誇った、この地域全域での英雄神、とのことだ。
神話によると、英雄神はだまされて戦装束を奪われ、下着姿のままで敵に襲われて亡くなったそうな。
それが戦装束を手に入れた。ということは……
そう考えていると、天はにわかに黒雲を生み、雨を降らせ始めた。
雨は風を巻き込んですぐに勢いを増し、刈り入れの終わった田畑にいくつもの稲妻を落とした。
メインストリートの先にあるイダ=ウコ神殿が光を放ち、神殿の入口からは細い竜巻が上空の黒雲へと登っていた。
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五日目。
滞在費10Gを払って出発だ。
財布:10→0
持ち物:軍の礼服
街道を進んでイダ=ウコ神殿に向かう。
雨風は以前強く、イダ=ウコ神殿を中心に風が巡っていた。傘をさすのは早々に諦め、ばあさまに合羽を借りている。
ふと見ると、中年の男が追いついてきた。制服から察するに、郵便局の局員さんらしい。
局員さんは僕の顔をみると、不思議そうな、なにか納得したような顔をしながら、ガンさんですね。郵便です。と声をかけた。
はい、僕がガンです。と答えると、僕あてのはがきと小包を渡された。異様に古いはがきで、差出人はアーサー・レリムウッドと書いてある。誰だ?
ともあれ中身を読んでみる。
「ガンくんへ。これは良い知らせだ。
イダ=ウコ神殿の神は戦士の衣装を得て復活してしまった。が、まだやりようはある。
神話の人物は神話になぞらえた展開を追従してしまうのが弱点だ。彼らにとって神話こそが存在の寄る辺だからだ。
わたしの経験によれば、イアーザイ戦士の衣装は帯が緩むとすぐ脱げてしまう。隙を見て帯を斬るなり解くなりして、服を奪うこと。
服を奪い、弱体化したところでとどめを刺すこと。健闘を祈る。未来予知者のアーサー・レリムウッドより」
なんだかわからんが、イダ=ウコ神殿の状態を放置するのはマズいのはわかる。
はがきの内容に従って、神殿の男? をどうにかしよう。小包には新しい帯と同じく戦士の衣装、それと古めかしいレボルバー拳銃が入っていた。
これでどうにかしてほしい。ということらしい。
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あとになって思えば、無茶をした。
礼服に着替え、礼を尽くして、新しい帯を献上する、という体裁で神に近づき、神の着替えを手伝う形で帯を解いた瞬間、後頭部をレボルバー拳銃で打つ。
撃つじゃないぞ。流石に神殺しは御免被る。だいたい当たらなかったらどうするんだ。
そのまま倒れた神から衣服を回収したところ、嵐は止み、日がさすようになった。レリムウッド村の危機はなんとか脱したわけだ。
ちなみに倒した神はダンホーの宿の孫娘を依り代にしていた。神降りの後遺症で急に背の伸びてしまった孫娘の変わりように、ばあさまは腰を抜かしていた。
孫娘は(村の揉め事や噂話の種になるため)、一旦別の村にいる親戚に預ける事も考えられたが、結局入り婿を取って村に残ることになった。
なお、入り婿とは僕のことだ。
よもやレリムウッド村が終の棲家になるとは思わなかったが、こういう人生もよかろうと思う。毎日山盛りの麺を食わされるのだけがつらいが、
この麺のように、末永く、のびのびと暮らしていけたらいい。
ああ、素晴らしきスローライフよ!
(レリムウッド滞在記 ひとまずの完)
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というわけで、レリムウッド滞在記、初回プレイの様子でした。
次回(最終回)、12/25の記事は
猫あきらさんによる、「今年のアドカレ総括」です。有終の美を飾る振り返り記事となることでしょう。
明日以降、TRPGシナリオ書きたいサーバー Advent Calendar 2024のページ
https://adventar.org/calendars/10238
から飛んでみてくださいね。 僕も楽しみにしています!
どうぞお楽しみに!