ソード・ワールドRPGと、令和時代のシナリオ自作について
ソード・ワールドRPGを推しています、マッチ棒と申します。
ソード・ワールドRPG 1stは、ファンタジー異世界「フォーセリア」を舞台に、様々な技能判定を駆使しつつ、
剣と魔法による冒険の過程を楽しもう。というTRPGです。
( https://www.groupsne.co.jp/products/sw/intro/index.html )
このnoteではソード・ワールドRPGの推しを語りつつ、シナリオ自作の楽しさ、令和時代のシナリオ自作についての話を、三つのポイントに絞って、お話したいと思います。
ソード・ワールドRPGの最大の特徴は、「わかりやすさ」と「取りまわしのよさ」です。難易度バランスは丁寧に作られていますし、背景世界フォーセリアは、いわゆるスタンダード(西欧的)なファンタジー世界です。
ファンタジー世界の設定に不安を感じる方もいるかもしれませんが、ルールブックには簡単な世界観設定もありますし、読みやすいワールドガイドが2冊も出ています。
システム・世界とも秀逸で、安心して遊びたいときの選択肢としては今でも色褪せません。ここは今でも推せるところです!
しかしながら、いささか時間のたったシステムなので、シナリオが流行りのTRPGほどは、手に届くところにありません。
必然として、TRPGシナリオは自作が中心となります。
でも、この令和の時代に、どうして自分でわざわざシナリオを書くの? という人もいると思います。そこで今回のポイントその一です。
シナリオ作成の意義。それは「自分の欲望は自分で満たすのが一番早いから」です。
どういうことかと申しますと、遊びたいシステムのシナリオが欲しい、だったり、自分のヘキ、つまり自分の好きや嫌いを満たす完璧なシナリオが欲しい、だったりを満たせるのは、究極的には自分だけなんです。
それに、自作なら、参加してくれるプレイヤーのヘキを完全に押さえたシナリオを用意することだって、理屈上はできます。
そのうえで、ソード・ワールドRPGはオーソドックスなファンタジーTRPGですので、いろんなヘキを乗せやすいです。
また、ソード・ワールドRPGには現在のところ、最新の公式展開がほぼありません。すでに展開を休止して長いTRPGですので、
「あとから出た公式展開と自分等の卓設定とが矛盾した結果、公式に負ける」なんてこともないわけです。
でもシナリオって書くの難しいと思いますよね。ちがいます。
「むしろこの令和の時代、一昔前のシステムだからこそ、シナリオは簡単に作れます。」今日のポイントその二です。
今夜話す方法を使えば、簡単にシナリオを作成することができます。
使用するのは、ソード・ワールドRPGの「ルールブック」、「ワールドガイド」、そして生成AIです。
なお、今回は生成AIとしてChatGPT4oを使います。
ChatGPTがする発言の元ネタは過去情報ですから、最新情報が追加提供されない懐かし系TRPGとは案外相性がいいんです。
(ChatGPT4oが生成AIとしてトップクラス級の性能を持っているのもその理由です)
今回紹介する使い方は、シナリオ作成の相談相手として便利な、ものしりな仲間としてChatGPT4oを使うことで、(より丁寧で、よりプレイヤーに楽しんでもらえる、より面白い)シナリオを作成する助けを得る、というものです。
しかもChatGPTは疲れませんし、文句を言ったりもしません。
本当なら、まさに今日、6月7日に日本でもリリースされた、Googleの「NotebookLM」を使用したいところです。
「NotebookLM」は資料(となるPDF)を食わせることで、食わせた内容に基づく質疑応答がいい感じにできる、というAI式学習支援ツールです。
TRPGのお供に結構オススメなんですが、ソード・ワールドRPGはPDFで販売してないんですよね。残念です。
もちろん、ChatGPTでも大体同じことはできます。
昔はChatGPTに設定を呪文のように入れていましたが、今のChatGPT4oはもっと簡単です。
具体的には、次に言う3つについて明確に質問するようにするだけで、それなりに良い回答をくれます。
その1.自分が今何をしたくて、ChatGPTに何をしてほしいかを書く。
必要なものを明確にしてブレさせないのが第一のコツです。
その2.ChatGPTに対するインプットはなにかを書く。
ChatGPTが一番得意なのは、すでに提示されているものを元にして、続きを作ることです。
なので、こちらが想定しているものがあれば、事前にインプット情報として提示しておいてください。
ルールテキストや世界観文章のサマリーなどあれば最高ですが、ない場合でもなんとかなります
その3.アウトプットとして3つ例を出し、表形式で列挙してください。と書く。
ChatGPTは基本的に正確な答えというのは出してくれません。なので、いくつか回答例を挙げて、その中から私達が正解を選び出す、という使い方をしてください。
ChatGPTでのシナリオ作り最大のコツはここです。
ChatGPTに直接答えを書かせるのではなく、あくまで決断や判断、発想は自分が行い、その材料をChatGPTに用意させる、という使い方をします。
つまり、ChatGPTが出してくるアイデアや材料を元に、あくまで作成は自分でする、というのが、ChatGPTのパワーを一番効率的に扱えます。
とはいえ、いくら過去情報に詳しいからと言って、ソード・ワールドRPGの全てを網羅した完璧なアイデアを、ChatGPTが出すかというと、そんなことはありません。今夜のポイント三つ目です。
「生成AI、奴らは嘘をつきます。」
なので、裏とりが重要です。
もちろん裏とりには、ルールブックとワールドガイドが役に立ちます。
ソード・ワールドRPGでしたら、それぞれBOOK☆WALKERやAmazon Kindleで電子書籍版が買えます。
ChatGPTの書いてきた内容を拾って本文を作る際に、ルールについてはルールブックを、世界観についてはワールドガイドをそれぞれ参照して、ChatGPTの言ってる内容が正しいかどうか、検証してください。
検証は面倒な作業ですが、なにもないところから生み出すよりはよほど簡単です。
シナリオのアイデアはこれでできました。そのうえで、シナリオの構築にはデータ作成と描写作成の両方が必要です。
さらに、描写は情景描写とNPCの描写に分かれますし、
データ作成はフローチャート、敵データ、NPCデータ、各ユニットの動き方などを含むでしょう。
しかし、何が必要なのかがわかっているわけですから、これらもChatGPTに依頼して材料を提供してもらうことができます。
材料をうまく吟味して、調理するのに集中しましょう。
以上のようにChatGPTを活用することで、シナリオ作成は簡単になります。
もちろん、シナリオには、シナリオの概要やプレイヤー向け公開情報、データの詳細、描写なども書いていく必要があります。それでも、AI支援を受けながらという前提であれば、慣れてしまえば、ワンアワーでシナリオは書けます。
それに、このやり方はソード・ワールドに特化されているものでもありません。ちょっと昔のTRPGシステムであれば、この手のコンピュータ支援は簡単に受けられるはずです。
というわけで話のまとめです。
シナリオ作成の意義。それは「自分の欲望は自分で満たすのが一番早い」です。
そして令和の時代である今、「一昔前のシステムだからこそ、シナリオは簡単に作れます。」コツは以下の三つ。
その1.自分が今何をしたくて、ChatGPTに何をしてほしいかを言う。
その2.ChatGPTに対するインプットはなにかを言う。
その3.アウトプットとして3つ例を出し、表形式で列挙してください。と言う。
この三つです。
しかし、生成AI全般に言えることとして、奴らは嘘をつきます。なので、
ルールについてはルールブックを、世界観についてはワールドガイドをそれぞれ参照して裏取りしましょう。
それでも、無から何かを生み出すよりはよっぽど簡単です。
今回の話を聞いて、皆さんがTRPGのシナリオをどんどん作ってくれることを願っています! それが「ソード・ワールドRPG」のシナリオだったらもっといいですね!
最後に告知です。
2024年7月6日(土曜)に静岡県掛川市で行われる、TRPG同人誌即売会「第二回掛川シ場」において、わたくしマッチ棒も頒布ブースをお借りしております。
そちらでは、「俗悪映画制作TRPG ミッドナイトミミック」の最新で最後のサプリメント
「ムーディー・ムービー・ムーブメント」を頒布いたします。
今回の話をさらに進化させたすごいシナリオ制作ツールの他、
ゲーム環境を面白くする様々な追加データ・追加ルールを提示しておりますので、ぜひ手に入れていただければと思います。
どうぞよろしくお願いします!