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【小説】タイム・ペンフレンド⑥

「そっか…そのお友達…アサコさんって人…彼氏さんができてたんだ…」
「そう…とまでは良かったんだけど、結婚まで考えてご両親にも挨拶されたみたいだけど、随分と反対されて…断念せざるを得なかったようね…それからご病気にもなったようだから…」
今度はヤギがつぶやいた。
「そうらしいですね…と言っても、あっしは一介の郵便屋、それ以上は介入できなかったので、申し訳なかったですけども…」
「分かったわ…なら今度は励ましの手紙を書かないと!」
「おばあちゃん、切り替え早っ」
通子はおもむろにタンスにしまっていた押し花を取り出した。
「これはね…まだ綺麗なのでアサコさんの大好きな朝顔で作ったの。これを手紙に添えて出してもいい?メルギーさん?」
「ハイ!それぐらいなら…って言っちゃあなんですけど時間法に触れない範囲だと思うので…」
「時間法?何それ?」
「というのはですね…簡単に言いますと、過去が変わっちゃうような、もっと言えば歴史が変わっちゃうようなモノは送っちゃいけないんですけども、押し花なら大丈夫っスよ!」
「えっ、じゃあ…また良いご縁がありますように、とか…そういう内容は…」
「ま、ま、ま、手紙の内容にもよりますが、そこは悪いですけども内容を吟味させてもらうことになるかもしれませんので、ご容赦を!」

続く。

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またゆき君
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