一泊5ユーロ(600円)の宿
僕が初めて”一棟貸切りの宿”というものに泊まったのは2014年、マケドニアのオフリドという小さな湖畔の街にある、60㎡程の小さな二階建て一軒家でした。
一階にはリビングとキッチン、風呂トイレ、二階は二間続きの寝室にダブルベッドが3台ありました
価格は破格の5ユーロ(当時約600円)
1泊だけのつもりがあまりに快適過ぎて1人で3週間ほど生活していました。
昼間は街や湖畔を散策し、帰りにスーパーに寄り食材とワインを買い込み家で調理し、毎晩1人で豪華な晩餐を楽しみました。
毎日最高な時間を過ごしました。
狭いドミトリーを渡り歩いていたバックパッカーの自分には、この貸切り宿はあまりに快適な空間でした。
その5年後の2019年、長野県松本市で僕は小さな2つの貸切り宿をつくりました。
55㎡のKURAと70㎡のNIKAI
当時特に意識していなかったのですが、サイズ感や気取らぬ雰囲気、心地良さなど、あの5ユーロの宿を無意識にトレースしていたのかもしれません。
貸切り宿の運営はお客さんと接する機会が少ない分、正直手応えも少ないです。ですが
「最高でした!」とレビューを頂ける度に、みんな各々自由に楽しんでくれたんだなと少し嬉しくなります。
そう、あの5ユーロの宿で自分自身が感じていたように。