知ってはいるけど出来てない事は、諦めて良し!
子育てハウツーって溢れていて
賢い子を育てるには…
優しい子に育てるには…
運動神経を良くするには…
背を高くするには…
自立させるには…
自己肯定感を上げるには…
飯が食える子にするには…
というようなフレーズをいたるところで目にします。
親が知っておかなければいけない、
気をつけて育てないといけない、
と言われることの分野も
食の安全性
脳を含めた体の発達に影響する栄養について
政治
経済
環境問題
お金の教育
様々な教育法についての基礎知識
性教育
ネットリテラシー
学校の勉強
外国語
挙げ出したらキリがありません。
マタニティ期から、子育て関連の色々な雑誌や本、ネット記事を読み始めたり、アンテナが立って、そういった情報が目につくようになる方は多い。
そして、マタニティ期や、子育ての初期に、たくさんの情報を集めて高い理想を抱き、いざとなったらその通りに出来なくて
自分を責めたり
子育て失敗だと絶望したり
自分のせいで子どもが可哀想だと嘆いたり
ということも多い。
情報の中には、実際にやったほうが良い事は沢山あります。やったほうが楽になる事も沢山あります。
でも、子育て中それを読んだり聞いたりした時に
きっと誰もが
何度となく
心の中で叫ぶであろう言葉があります。
『そんな事は分かってる!!!』
出来ないんだよ。
分かってるけど無理なんだよ。
例えば
『怒鳴らずに、共感しつつ、まだ言葉が未発達な子どもの気持ちを代弁してあげましょう。』
正解です。絶対的に正しいです。
でもそれが出来るのは、この知識に加えて、それを実行できるだけの『余裕』がある時だけ。
『分かってるよ!でも無理なんだよ!』
と叫んだことのある人に伝えたい。
まだ叫んでいない人には覚えておいてほしい。
それは、
あなたに向けられた言葉ではありません。
それは、
それを知らない人に向けて発信されています。
あなたには信じられないかもしれませんが、世の中には、子どもは厳しく育てないとダメになる。体罰も時には必要。子どもにナメられてはいけない。子どもは無知で未熟だから大人の支配下に置かなければ。
と、考えている人はまだまだ沢山いるのです。
そういう人に向けて、伝えているんです。
だから、もう知っているけど
いっぱいいっぱいで
今はできていないだけなのに
何度も何度も同じ忠告を受けて
自分を責めるのはやめましょう。
そして、初めて知ったことで
良いことなのかもしれないけど
『そんなことまでやってられない!』
と思う事も
今する必要はない。
知っていれば
出来る状態になったらできます。
大丈夫。
他の事も同じ。
知っているなら、余裕が出来たらやれば良い。
そして最後に。
子育てに
そんなに幅広く深い知識って
本当に必要ですか?
大切な時間を使って
『出来ない』を増やしていませんか?
まずは我が子を
『かわいい』と思う気持ちを感じて生きること。
特別なことをしてあげられないあなたの元に生まれたその子は、可哀想なんかじゃありませんよ。
1番してほしいことだけをしてもらえる、世界一幸せな子です。
写真は、
この文章を良いと思ってくださった方に
私が贈りたい絵本です。
【ロバのシルベスターとまほうの小石】
ウィリアム・スタイグ さく
せた ていじ やく
評論社
私は、
この母さんロバのように、
ふしぎなむなさわぎをおぼえる
親でありたい。
この父さんロバのように、
ふと小石を見つけられる
親でありたい。
2021.9.13
またよみ協会 武田多佳子