たばこの話〜4本目、映像とお話編〜
1ヶ月空いてしまいました。もともとこういうエッセイを書くのは苦手です。
たまに書きます。開くこともあります。どうかお許しください。
MVが300回再生をいただきましたので、裏話的なものを綴ろうという今回のシリーズ。
と言いつつ、実はもう400回再生いただく勢いなのですが。ありがたいことです。
今回は映像について。
今回の映像制作は、佐賀のクリエイター「猫舌だけど知覚過敏。」氏にお願いしました。
ユニークな視点と演出家的な視点からのアドバイスは、今回のMVにおいて存分に発揮されています。
今回のMVで、僕が指定したのはただ一つ。
紫色の映像効果。
同じ画角のシーンをあえて多く撮り、見比べる。
主人公がヒロインと共にいる時間は、このMVの中においては、記憶の中身。
かかった色は、タバコの紫煙。
紫色というのは、古来から高貴なもの。
日本では「冠位十二階」という、奈良時代に聖徳太子が制定した官僚制度の最上位に、紫の冠が与えられたといわれます。
また古代ローマにおいても、紫は特権階級の者たちにのみ許された染料でした。
たばこは煙草や烟草と書く以外に、紫煙という呼び方があります。
もともとは一部地域にて神との交信道具とされていたものが、いつしか大衆で消費されるようになりました。
そこに、この紫という色が示されたものだと思われます。
黄泉へと伸びる、紫の糸。
空との交信。
亡き人との思い出。
去来する感情は、きっとひとつではなくて。
そうした中に重なる姿や記憶は、きっと一つの鍵でみんな開く。
そんなことを思いながら、この曲を書きました。
最後のシーン、2人のシーンの中で唯一紫のフィルターがかかっていない。
なぜなのか。
そんなことを考えながら、皆さんにもまた見ていただけたら、と思っています。
次回は、PVの中に出てくる「髭の小男」について、すこし。