宵闇
死とは不思議なもので
そこにいたものがそこになくなる
文学的に言えば文化的営為の終焉であり
生物学的に言えば生命活動の停止。
人はその営為にいつだって名前をつける
それは、死に意味をつけるためだ
例えば橋の上から身を投げ出すこと
例えば自分の家族が病によって目を閉じること
それら全ての瞬間を
人は自ら認識することはできない
僕は、その瞬間を知ってみたいという好奇心に
時々苛まれる
それは自殺願望というより
人が知らぬ世界を知りたいという
究極の承認欲求なのだと思う
人によっては呆れるほど下らないことも
人によっては命をかけるに値するものだ