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■うる星やつら Beautiful Dreamer[1984]はどのように評価されているのか
■うる星やつら Beautiful Dreamer[1984]はどのように評価されているのか
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いろんなメディア度々目にすることがあるこの映画について考察します。
映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』は、1984年に公開された日本のアニメ映画で、押井守が監督を務めた作品です。この映画は、もともと高橋留美子の漫画『うる星やつら』に基づいていますが、原作の枠を超えた哲学的なテーマや斬新なストーリーテリングで高い評価を受けています。
評価のポイント:
独自のストーリー展開: 『ビューティフル・ドリーマー』は、ループする時間や現実と夢の曖昧な境界をテーマにしており、日常の破綻と自己認識の変容を描いています。原作ファンにとっては、通常のラブコメ要素やギャグから大きく離れた内容ですが、その大胆さが評価されています。
押井守の作家性: 押井守監督の個性的な演出や哲学的な要素が強く反映された作品で、後の『攻殻機動隊』や『イノセンス』などに通じるテーマを垣間見ることができます。押井自身が原作を超えて独自のビジョンを反映させたことは、ファンと批評家の間で賛否両論を巻き起こしましたが、アートとしての価値は高く評価されています。
アニメーションの質: 1980年代のアニメとしては非常に高水準の作画と演出がなされており、特に独特の背景美術や異世界的な風景が印象的です。
評価と影響: 当時はその独特さから賛否が分かれましたが、後年になって再評価され、現在では日本のアニメ映画の名作として広く認識されています。また、多くのアニメ監督やクリエイターに影響を与えた作品でもあります。
批判点としては、従来の『うる星やつら』のコメディ的な要素を求めていたファンにとっては、映画の内容が難解すぎると感じられたこともあります。それでも、この映画はアートとしてのアニメーション映画の可能性を広げたという点で、非常に高く評価されています。
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■うる星やつら Beautiful Dreamer以前の、商業的に成功しつつアート的なアニメーションというのはどのような作品があったのか?
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』以前にも、商業的に成功しつつ、アート的な要素を持ったアニメーション作品はいくつか存在しました。以下は、その代表的な作品です。
1. 『鉄腕アトム』(1963年)
概要: 手塚治虫が原作・監督した、テレビアニメの草分け的作品。テレビアニメ産業の礎を築いたと言われています。
アート的側面: 手塚治虫の描く未来社会や哲学的テーマ(人間とロボットの共存、倫理観など)が含まれており、アニメというメディアが持つ表現力の可能性を示しました。物語の中に深いテーマを織り交ぜつつ、商業的にも大成功を収めました。
2. 『未来少年コナン』(1978年)
概要: 宮崎駿が監督を務めた作品で、SF冒険物語。未来の荒廃した地球を舞台に、少年コナンの冒険を描いています。
アート的側面: 宮崎駿らしい豊かな世界観や、キャラクターの感情表現、自然と人間の関係性をテーマにした深いメッセージが含まれており、アートとしても評価されました。商業的にも成功し、後に宮崎駿のキャリアにおいて重要な位置を占める作品となりました。
3. 『アルプスの少女ハイジ』(1974年)
概要: 宮崎駿と高畑勲が関わった、スイスの作家ヨハンナ・シュピリによる児童文学を原作としたアニメーションシリーズ。
アート的側面: 自然描写やキャラクターの繊細な感情表現に力が入れられ、日常の中にある小さなドラマを大切にした作風が特徴。アート的にも高い評価を受け、商業的にも成功しました。高畑勲の演出力と宮崎駿のビジュアルがアートとしての価値を高めています。
4. 『銀河鉄道999』(1979年)
概要: 松本零士原作のSFアニメで、宇宙を舞台にした冒険物語。哲学的なテーマや人間性についての考察を含んでいます。
アート的側面: 物語は「永遠の命」や「人間の心」などのテーマを扱っており、単なる冒険譚に留まらない深みを持っています。ビジュアル面でも、独特の宇宙観やデザインがアート的に評価され、商業的にも成功しました。
5. 『機動戦士ガンダム』(1979年)
概要: 富野由悠季監督によるリアルロボットアニメの先駆けで、戦争をテーマにした群像劇。
アート的側面: 単なるロボットアニメの枠を超えて、人間ドラマや戦争の悲哀、リアルな政治や社会問題を描いたことで、アート的に高く評価されました。初期の商業的成功は限定的でしたが、後に劇場版やプラモデルなどで大ヒットし、文化的にも大きな影響を与えました。
これらの作品は、商業的に成功しつつも、アニメーションの可能性を拡張し、アートとしての価値を持つ作品として高く評価されています。『ビューティフル・ドリーマー』は、その流れの中でさらに新しい挑戦を行った作品とも言えます。
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つまり『ビューティフル・ドリーマー』をルモア(私)なりに解釈すると
オリジナルではない既存の作品をアート作品風にしつつ商業的に成功を収めた。
この点において評価されるべき作品ということになります。
二次創作の良い意味での成功例とでも言うべきでしょうか
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