またたび文庫改装日記 vol.3
ペンキを買いに行く
カウンター解体、場所の片付けがひと段落つき、
本格的に改装作業へと突入。
10/16月曜日。
村上さんと塗料の買い出しへむかった。
北広島のアウトレット周辺には、
大きいホームセンターが3軒も密集している。
今回のミッションは、壁用のホワイト系の塗料、天井用のグレー塗料を購入すること。
ペンキをぬるハケやローラー、塗らない場所を保護するマスキングテープ、マスカー、ビニールシートなんかも必要だ。
わたしは壁のペンキ塗りはもちろん
ホームセンターすらまともに歩いたことがない。
ジョイフルAK、カインズ、ソーホー。
はじめてきく店名もある。
「目的のモノを整理しとかないと迷うからね!」
「ホームセンターごとに値段も全然違ったりするんだよな〜」
と、村上さんのことばをききながら一緒に目的のモノを探す。
2メートル越えの木材から、1センチにみたない小さなビス。
大小さまざまなモノにあふれたそこはまるでジャングルだ。
納得いく色を探せ
まずはペンキ。
温かみのある白、薄めグレーのペンキを探す。
既存のペンキを買う方法と、微妙な色ニュアンスをつくってもらう方法もある。(「調色」という)。
白に関しては、直接色見本をみせてもらい、「J25-92B」を調色してもらうことにした。
グレーも同じように頼みたかったのだが、難しいそうで断念。
店頭に並んでいた「フレンチグレー」、「スレート」、「ブルーグレー」、など色々なグレーを見てみた。
「この色にしたいんだけど、多い量のものがないな〜」
なんとなく、色味とほしいサイズ感に納得がいかない。
結局、周辺3つのお店すべて当たることになった。
たくさん見てみたけれど、自分が何にこだわっていたのか、よくわからなくなってきた。
色のゲシュタルト崩壊。
「なんか、コレでよかったのでは??」
「光によっても色が変わるしな・・・」
最初に”微妙かも?”と判断していた「フレンチグレー」に決めて、ひと安心した。
帰路につく
情報量の渦にまきこまれながら歩いたホームセンターを後にした。車内で村上さんとおしゃべりしながら帰路に着く。
”自分の実力や意思ではどうにもならない部分が、ふとしたご縁でスっとうまくいくことがある。だから、「ご縁」は本当のことだし、ただ感謝しかできないなぁ〜と、思うんですよね、、、。”
そんな内容のことを村上さんにふと話すタイミングがあった。
「自分は最近、祖先に感謝するしかないなと思うことがあったよ。
やりたいことが多すぎて、自分の一生だけでは到底実現できなさそうだ。
でも、息子ふたりが面白い仕事をすることで、意思が受け継がれていく。
もしかしたら、自分も受け継ぐべきモノを持って生まれてきたのかもしれない。祖先には感謝するしかないし、じぶんの役目も、そのバトンを渡すことなのかなぁと、思うよ。」
村上さんと話すと、ひとまわり高い視座からの捉え方に、思わず唸ってしまう。
ただ、言葉は理解できても、自分の感覚値ではまだわからない。いつかわかるときが来るのかなぁと思いながら、日記にメモしておくのだ。
尊敬する方と一緒に仕事をしたり、楽しいことができる。それだけでも本当にありがたいなぁと思った。