【農業・芸術・食をテーマに3ヶ月でヨーロッパ6カ国③】 イギリス-ロンドン Urban Farm -都市型農園-
「農業」「芸術」「食」をテーマに周っているヨーロッパ。
今回の記事は、"Urban Farm" つまり、都市型農園についてです。
とても簡単にいうと、都会にある農園や都市で行う農業システムの事。
今、私の中で最も興味があるものの一つで、日本でもオーガニックショップやカフェが増え発達してきた中、まだヨーロッパと日本とで、"Urban Farm"という視点では大きく差があると感じています。
そもそも私がUrban Farmに興味を持ったきっかけは、「Tomorrow パーマネントライフを探して」という映画を見てから。色んなヒントが転がっている映画なのでおすすめです。
今回の旅でも絶対ヨーロッパの現状を見たいと思っていたので、行ってきました。
私が今回見てきたUrban Farmは2つ。この2つは隣り合わせにあります。
・Spitalfields City Farm
・Nomadic Community Garden
1つずつご紹介。
"Spitalfields City Farm"
ホワイトチャペル地区にある、ザ・王道の都市農園。Shoreditch High Street駅とBethnal Green駅の間、線路沿いにあります。線路沿いにあるので、電車が走る姿を動物と一緒に畑から眺めるという、このミスマッチ感がまさに都市農園!
子供が遊べるスペースがあり、野菜を育てているだけではなく、ロバやヤギ、豚などの動物や、"bug hotel"という昆虫ハウスもあって、色んな生態系が繋がっている事を学べる仕組み。説明書きもそれぞれにあるほか、ワークショップも開催されており、遠方の学校などからも学びに来ているそう。
広々としたスペースで、動物の手入れもしっかりとされていて、清潔感もあります。ボランティアも多く働いている様子。手洗い場やトイレもしっかりしていました。
サイトを見てみると、1978年からあるそうで、地域復興の活動として生まれたそう。貧しい環境だったそうで、一度閉鎖になるという過去もありますが、慈善団体としての地位を確立し、今では地域との結びつきも強く、学びを提供する場となっています。
https://www.spitalfieldscityfarm.org/
沢山の親子連れやカップルが、のんびりと過ごしていました。
"Nomadic Community Garden"
ここは、上で紹介したSpitalfields City Farmのほぼ隣に位置し、ここもバッチリ線路沿い。けれど、雰囲気がガラリと変わります。
壁はグラフィテで覆われていて、アンダーグラウンド臭がすごい!
スケーターやヒッピー、レゲエ好きが似合う風景。なにも知らず入ると、最初びっくりしますが、よく見ると丁寧に苗が整えられていました。その苗の横に、ベンチやペイントされた廃車があったり。ドレッドのおばさまがやっている小さいカフェがあったり。
ここは、もともと使用されていなかった場所を、地域住民が使用する庭園に変えたそう。
http://nomadicgardens.weebly.com/
こどもが遊んだり、ベンチでくつろぐカップルがいたりと
ここでものんびりした空気が流れていました。
ー感想
今回、雰囲気の全く違う2つのUrban Farmを見れて大満足でした。
大事なことは、何よりも地域に根付き、地域の人が自発的に活動に参加して、その土地を生きたものにしていくことだと思います。スタイルなんかは関係なくて、自分たちが気持ちのいい空間を作っていくことが大事で、色んなタイプの人がいる都市に色んなタイプの都市農園が生まれることは当たり前なんだと納得させられました。
都市農園の最大の課題は、どう維持をしていくかだと思います。
ですが、その反面、一般的な"公園"とは違い、
地域の人が手をかけ作っていく必要性も許容範囲も大きく、人々との結びつき方や、そこから生み出せる価値が多方面にあるという、発展の可能性が大きいことが「Urban Farm -都市農園-」の良さだと思います。
日本でも、住む場所や好み、年齢やライフスタイルが違っても皆それぞれに暮らす土地に興味を持ち、色んな生命の循環を作る農業に心地よく関わっていけるようになっていってほしいと思います。