【旅する食】 イギリス 青トマトの使い方
イギリスの学校農園で働き出して教えてもらったレシピを紹介します。
10月半ばにさしかかり、温室内にあるトマトを全部撤去することになりました。冬用の野菜に変えるため、夏野菜のトマトはシーズンオフです。忙しかったため通常より少し遅めの撤収。トマトの苗にはまだまだ沢山実が付いていますが、寒さが厳しいイギリスでは温室の中と言えどこれ以上置いていても赤くはなりません。ということで、撤収作業をしました。すぐ食べれる赤い実、熟れかけの実、まだまだ青い実の3つに分けながらすべて収穫して行きます。すぐ食べれる赤い実は、もちろん学校のキッチンへ。熟れかけの実は、野菜室にそのまま置いて熟れるのを待ちます。ちなみにトマトのヘタは残したまま収穫をした方が鮮度が保たれるので、ヘタをつけたまま収穫します。私のボスは、トマトのヘタのことを"crown"(王冠)と呼んでいました。
そして気になるのが青い実の行方。沢山ある青い実はキッチンへ持っていてチャツネにしてもらうそうです。チャツネとは、酢や砂糖、スパイスを加えて煮たジャム状のものです。お肉やチーズの付け合わせとして食べます。私が今働いている学校ではお肉料理の頻度は少ないですが、サラダコーナーにいつもチャツネが置いてあり、ドレッシングの一つとして食べています。ちなみにチャツネの起源は南アジア、西アジア。インドではカレーの付け合わせとして食べるそう。インドを植民地としていたイギリスに輸入された食文化の一つです。イギリスでは、クリスマスにチャツネをプレゼントする習慣があるそうで、シーズンオフの夏野菜を冬用の保存食のチャツネにするというのは、イギリスらしい食文化を感じる行為です。
その他にもう一つ。大きく実ったけど青いままのトマトを見て、なんかいい食べ方ないのかなと呟いたら、ボスが美味しい食べ方を教えてくれました。
それが「青トマトのソテー」です。作り方はとっても簡単。青いトマトをスライスして、塩、ハーブをしてから、全体に小麦粉をまぶしてオリーブオイルでソテーする、それだけ。
その日、青いトマトを何個か持って帰って夕食に作ってみましたが、これがなんとも美味しかったです!
ジューシーだけどホクホクして食べ応えもあり、爽やかな香りもプラスされてお野菜だけでも満足感が大きい。ベジタリアンの人にもおすすめです。周りを小麦粉で覆っていて水気も出ないため、サンドイッチにも向いてそうでした。いつかピクニックに持って行きたいと思います。