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歩き遍路の記録36【土佐久礼〜37番岩本寺】

2024年5月2日 区切り遍路5日目
早朝6時頃、他の人の準備の音で目が覚める。
この日の行程は20kmほどのためさほど急ぐ必要はなく、まだまだ寝ているつもりだったのでうるっせえな…と思いながら布団の中で縮まっていた。

しばらくして他の人は全員出発したのか宿が無音になったのでのっそりと起き出す。洗面やお手洗いを誰のことも気にせず使えるのが嬉しい。
昨日の内に買っていた朝ご飯をキッチンで一人食べた。

前回の遍路の記録はこちら↓

ゲストハウスの方からはそのまま出ていってくださいと言われていたので特に挨拶をせず、8時頃出発。
本日の天気予報は曇り。昨日までの雨も止んで良かった。びしょびしょだった靴も靴乾燥機を使わせてもらってしっかり乾いて気持ちがいい。

朝方降ったのか地面は少し濡れていた

さて今日はこれから37番岩本寺へ向かうのだが、道中七子峠という峠越えがあり、ルートも3本に分かれている。

①添蚯蚓(そえみみず)遍路道
②大坂遍路道
③国道56号線

さすがに今日は雨も降っていないので③の国道は却下。せっかく遍路に来ているのだからコンディションの良い日は旧道を行きたい。

では①と②のどちらを行くか。
それぞれの特徴は↓のリンクを見てもらうと良いと思います。詳しく書かれているので。

結構ギリギリまでどっちで行こうか迷ったのだが、②の大坂遍路道にした。
前日までの雨で山道のコンディションがどうなっているかわからないので、荒れていることもある添蚯蚓遍路道は断念。大坂遍路道も雨が降っていると川の水量が増えて通行不可な日があるということだけど、流石に昨日午後からの雨量でこの時間まで水嵩が増えてるとは思えず問題なかろうと判断して大坂遍路道を行くことにした。

大坂遍路道は「四国のみち」と被るようで案内板が出ていた。

黒竹という竹が植わっているらしい。

これがその植物だろうか。確かに色が黒っぽい。
荷台いっぱいに竹を積んだトラックが停まっていた。この竹をこれから何かに加工するのだろう。
竹籠とか竹細工のものは好きだ。こうやって生産されているものなんだなあ。

あの橋の下をくぐる

向こうに見える橋は四国横断道。
橋脚細いな…

こんなに細くていいんですか

ところでこれは途中で見かけた日向ぼっこ猫ちゃんズ

舗装路から未舗装路へ。
始めのうちはなだらかで楽だった。

ここから傾斜度が上がる

恐らく増水すると渡ることができないとされる沢の部分、かな?

こっちかも。

そして現れる急過ぎる階段。

めっちゃくちゃしんどかった。
地面は濡れてるし手摺りも濡れてるし怖かった。
あと、なぜかこの急な山道の途中に家電のゴミとかいっぱい放置してあった。
誰や、こんなとこに捨てたん。捨てるなや。

登頂しました。

七子峠からの眺め。下を通ってきた四国横断道が見える。

海と下くぐってきた四国横断自動車道が見える

七子峠には閉店したお茶屋があり、その軒先で休ませてもらおうとしたら先日巡航船で会った白モンベルさんがいた。
白モンベルさんは国道から来たらしい。少し雑談をして出発。

七子峠から小一時間ほど歩いて休憩所に入る。

ここで2日目に渡船で一緒になった杉本哲太似のお遍路さんと合う。
七子峠から少し歩いたところにあったうどん屋が美味しかったと教えてくれた。
ちょっと入るか迷ったので「やっぱり美味しい店だったのか…」と判断を失敗した気分になる。少しの雑談のあと、遍路再開。

休憩の度、とまではいかないけどこうやって時々話をする遍路中だけの顔見知りが増えてきてちょっと楽しい。

歩いている間は一人で気ままに。休憩のときだけ軽く会話するという感じがとても心地よいのよな。
理想的な遍路だわ。

ところでこれは小学校の前にも関わらず遮断器のない横断歩道。(信じられん)

大変立派な鯉のぼりと武将が描かれた旗。

こどもの日が近い。

あと信じられないぐらい簡素なホンダカーズのお店。
本当に店なのか?本当にホンダの店なのか????

窪川に着く少し前、歩道を歩いていると道沿いの家からでっかい犬にめちゃくちゃ吠えられれる。
ちゃんと犬種見なかったけど顔の細長い毛の長い大型犬だった。庭で放し飼いにしていたようだ。普通に歩道歩いてるだけで大型犬に吠えられるとか気分悪い。
躾ちゃんとしろや。
とりあえず犬に向かって「じゃかあしわ💢」とは言っといた。あんま意味ないけど。

ちょっとイラッとしながら歩いているとスクーターに乗ったお兄さんから声をかけられた。「はい、これどうぞ」と手を差し出してきたので受け取る。

500円玉だ。お接待貰った。嬉しい!
遍路の始めの頃、金銭のお接待をいただいたときは恐縮したものだけど、もうお接待にも随分慣れてきたので元気に「ありがとうございます!」と言って受け取った。

ちなみに最初にお接待でいただいたお金はまだ使わず、お守り代わりに遍路用のサコッシュの中に入れている。

犬に吠えられて悪くなっていた機嫌が一気に回復。やったね☆
せっかくお接待を頂戴したのだし道の駅あぐり窪川で使いましょう。

道の駅 あぐり窪川

何を食べようかと見ているとなんだか美味しそうなおにぎり屋さんがあった。

3個セットを頼む。

3つともとっても美味しい。

かわいい
四万十ポーク角煮
天然鮭の塩麹焼
若鶏の鶏そぼろ

ただちょっと私の腹には小ぶりすぎたのでとなりのアイスクリーム屋さんでソフトクリームを買った。
こちらもとても美味しかった。

腹も満ちたので出発。岩本寺はここから1時間もしないくらいにある。

道の駅から小一時間ほど歩いて本日の宿に到着。
美馬旅館本館である。

美馬旅館

明治から続く老舗の旅館の本館に宿泊した。
新館も近くにありそちらはモダンな建物だが、本館は昭和初期に建てられたもの。
どちらも雰囲気が素敵だが広縁のある本館を選択した。
ちょうどチェックイン開始の15時頃に到着したので宿から歩いて5分ほどの岩本寺には荷物を置いてから行くことにし、先にチェックインすることにした。

広縁付きでお庭が見えるお部屋に通される。
やったー。最高。
軽く荷物を整理したらすぐ岩本寺へ行こうと思ってたけど、ついついゆっくりしてしまった。

広縁最高です

第36番札所 岩本寺

第37番札所 藤井山 五智院 岩本寺

16時頃着

本堂の格天井に天井画が描かれてるお寺はよくあるけど大概は日本画だと思う。しかしここは洋画風とかポップな?絵もあったりする。映えを意識した現代的なお寺のようだ。

境内には色々POPなアートが飾れてて、それが外国人にも人気なのか他のお寺より白人系外国人をよく見た。猫の顔がびっちり描かれたスパッツ履いた外国人さんがいた。そういうタイプの人が好きなお寺なんですかね。
っていうかすげえな…どこで買うたん。それ。(大阪のおばちゃんもビックリや)

ちなみにここには宿坊があり泊まれるのだが、2月の時点で1〜2人部屋は埋まっており予約はできなかった。かなり人気の宿坊である。

さて、札所を打ったあともう一軒立ち寄りたいところがあるので足を伸ばす。

南国製菓 水車亭

塩けんぴで有名な水車亭である。
おお、でっかい水車があるぞ。

店内はいろんなフレーバーの芋けんぴやその他洋菓子なんかも売っていた。
自宅用とお土産用に1kg入りの塩けんぴを買って配送の手配をする。

1kgの塩けんぴなんて食えるかな?と思ったけど結局1週間で食べたのでもっと買っても良かったかもしれない。

ご覧。↑これが1kgの塩けんぴだよ。
美味しいよ。

水車亭から美馬旅館へ帰る途中、窪川名物・ジャン麺の有名店「満州軒」があった。

17時からの営業で開店まで少し時間があったのだが、店舗の前にテントが張ってあり椅子も置いてある。待合場所になっているようだった。既に先客がいてなんだが大柄のお兄さんがふんぞり返って貧乏ゆすりしながら座っている。
「このお兄さんといっしょにあそこで待つのちょっと嫌だな」と思ってパスすることにした。
う〜ん惜しい。お昼食べたの2時頃で腹減ってなかったのもあるのだが。食べたかった。

宿に戻ってお風呂をいただき、宿の中を探索する。
趣があってとてもいい。最高ですわ。

お玄関
ロビー
階段
階段
お二階の廊下
かわいい照明
今日は少浴場の方だったけど全然OKです
灯が点ったお玄関

広縁でスーパーで買ったお弁当を食べようと思ったけど広縁の電気のスイッチが全く見つからず、我慢して食べるのには暗すぎたので部屋で食べた。

ところでこれはスーパーで買った傷んだところをカットして大小品種を混ぜて売ってたお勤め品のイチゴ。(こういうのでいいんだよ。こういうので)

ほな今日はここまで。
続きはまたこんど。

※ルートは目的地だけを指定したものでこの通りには歩いていません。
大坂遍路道はグーグルマップでは表示されていないので国道ルートが表示されています。

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