見出し画像

日足ボックス抜けは事前に予測できたか

今回は、下図日足チャートの青色ボックス抜けについて考察しますよ。

画像1

2020年5月10日月曜日に、ふた月に渡って形成されたボックスを上抜けました。

では、
・このボックス上抜けは、事前に予測できたのか?
・また、できたのであれば、どの時点からか?
を考えてみたいと思います。

と、本題に入る前に、そもそもボックスを描くタイミングは?

とりあえず高安値が決まったんじゃないかな? という基準で考えると...

画像2

まず、安値ライン①を下抜けたので、戻り高値がライン②に移動します。
赤丸を付けた2カ所、ひとつ前の高値と戻り高値ライン②の上ヒゲがほぼ近い高さにあるので、とりあえずこの辺りをボックス上辺にしてみましょう。

安値ですが、陰線と陽線のペアが出た(赤枠部分)ので、ここで値動きは上昇転換したと考え、暫定的な安値が決まります。

もう少し時間を進めてみましょう。

画像3

この辺りまで来ると、ボックスの下辺で反発し、さらにローソク足実体での安値が切り上がっていますから、ボックス下辺はこのラインで確定と見做していいと思います。

では、ボックスのサイズが決まったところで本題。
どの時点でこのボックスを上抜けていくだろうと予測できるかを考えてみます。

まずやるべきことは、日足トレンドの確認です。

画像4

逆N字を描いて下降トレンド発生中。
戻り高値はライン①です。
素直にトレンドに従って考えれば、ボックスの下辺を下抜けそうです。
ただ、波動の最小単位である逆N字をすでに形成済みであること。
また、先に書いた通り、ボックス下辺で反発し、実体安値を切り上げていることから、戻り高値付近まで戻りが入るか、あるいは戻り高値を上抜けていく可能性も考えられます。

時間を進めます。

画像5

戻り高値ライン①を上抜けたので、ここで下降トレンドは終了
押し安値はライン②になります。
トレンドは未発生、レンジ状態になりました。
ただ、押し安値が発生していますから、あと一歩、直近高値を更新しさえすれば、上昇トレンド発生です。

時間を進めます。

画像8

さて、この時点で、もしかしら、あるものが出たんじゃない? と気付かなければいけません。
さて、なんでしょう?

アレです。

画像7

修正3波ですね。
修正3波についての詳しい説明は、2021年3月31日(水)の「おまけ」解説をご覧ください。

画像13

・上昇N字を描くための第一段階(下降トレンドが崩壊済み)が発生中
・「上昇が推進方向である」と仮定すれば、それに対する修正3波も完成
・ボックス内センターラインで分けた上段に現値が位置

どうやら、買い方有利にかなり傾いてきているようです。

時間を進めます。

画像9

ここで、トレンドラインⒶを上抜けたので、目線は上に固定。
ギリギリ惜しいところで直近高値ライン①を、そしてボックス上辺を抜けられずに止まりました。

※FX会社によっては、高値ライン①を超えて確定しているチャートもあります。その場合は、日足上昇トレンドが発生したと見做して問題ありません。

では、このままボックス上辺で抑えられて、再度、下降していくことはあるのか?

これについては、2021年4月15日(木)で解説した、アウトサイドウェーブインサイドウェーブの考え方が参考になると思います。

つまり、下降するには、アウトサイドウェーブをダブルで発生させなければならないことになります。

画像10

この時点で、翌日すぐにボックス上辺を上に抜けていくか、あるいはいったんトレンドラインくらいまで押してから抜けていくのかまではわかりませんが、まず上に抜けると踏んで問題ないでしょう。

画像11

翌営業日は週明け月曜。
始値から高値ラインを上抜けてのスタートです。

上昇の目標値は、あらかじめN字形成をイメージできていれば、簡単に出すことができます。

画像12

直近の目立つ高値ライン①と、フィボナッチエクスパンションの1.0ラインがほぼ重なっています。

さいごにまとめです。
ボックスを描くことで、レンジの範囲や、売り方と買い方どちらが優勢かを把握しやすくなります。
ですが、ボックスの上辺・下辺やセンターラインそのものが抵抗・支持線になると考えるのではなく(もちろん、なりやすいです)、必ず、重要な水平ラインやトレンド判断を根拠に値動きを予測する必要があります。

もちろん、そんな細かいこといちいち考えるのめんどくさいや! ということで、ひたすら値動きの縮小から拡大だけを狙っていく(ブレイクアウト手法)、というのでもぜんぜんOKなんですけどね(^ω^)

おしまい

いいなと思ったら応援しよう!