楽器用エフェクター電源(センターマイナス)の謎
楽器用のエフェクター🎸を購入するとき、電源は角形の006Pと呼ばれる電池を使用するのが一般的。
そして、長時間のプレイに備え、ACアダプターを接続しようとすると、必ず問題になるのが、DCプラグの極性。
■センタープラスとは?
一般的には下図のように中心電極がプラスのセンタープラス。
機器やACアダプターに表示されるマークはこんな感じ。
ところがエフェクターはなぜか逆のセンターマイナスがほとんど。
なので、一般的なセンタープラスのACアダプターを接続すると、プラスとマイナスが逆になり、機器の故障に至る危険性があります。
この問題は長年、謎とされているようですが、実は意外と簡単な理由でこうなっているのです。
■エフェクターの電源スイッチ
それにはまず、エフェクターの電源スイッチがどうなっているのかを知る必要があります。
例えばディストーション DS-1w取扱説明書を見ると、このようになっています。
INPUT端子は電源スイッチも兼ねている・・・???
どう言うことかと言うと、通常楽器のシールドケーブルは下図のような6.35mmのモノラルプラグが使われています。
ちなみにケーブルはノイズの問題を避けるためにシールドと呼ばれる網目状、もしくは金属膜に覆われたシールドケーブルが使用されます。
信号は中心部の電線を流れ、ノイズが混入しようとしても外側のシールドにより信号が守られます。
シールドは通常はマイナス側(アース側)に接続されています。
これはエフェクターも同じで、外側のケース全体がマイナス側(アース側)になっています。
話を元に戻します。プラグはモノラル。
しかし、エフェクターのINPUT端子にはステレオジャックが使用されていて、ここに電源スイッチの機能が組み込まれているんです。
簡単な動作図で示すと、こんな感じ。
要するにモノラルプラグのアース部を利用して、本来はRチャンネルとなる端子とグランド端子を繋ぎ、マイナス側を接続させて電源のオン・オフをしているのです。
■ACアダプターを接続してみよう!
ここで乾電池ではなく、ACアダプターを接続したとしましょう。
もちろん使用するのはセンターマイナス。
一連の動作をGIFにすると。。。
ご覧の通り、何の問題もありませんね。
■ところが・・・
センタープラスで設計した場合、下図のようになります。
なんかいやな予感がしますよね。
上の動作図は極端な例ですが、インプット端子を電源スイッチに使用している以上、どうしてもこのような設計にせざるを得ません。
乾電池とDCインプットの電流が喧嘩💥して危険ですよね。
もちろん、物理的スイッチをつけるとか、回路を工夫すればなんとかなりますが、部品点数が増え、回路の簡素化、コストとの兼ね合いを考慮すると難しいです。
■そんなわけで・・・
エフェクターは、一般的なセンタープラスではなくセンターマイナスなのです。
ただ、一部の電源スイッチが組み込まれたエフェクターはセンタープラスの場合がありますが、いわゆるコンパクトエフェクターと呼ばれる機種は、今でもセンターマイナスがデフォルトという理由でした。
エフェクターのACアダプターを購入しようと思ったら、極性に注意してくださいね。
純正品を購入するが一番なのは当然ですが、やむなくという場合もありますし、念のため。
間違って接続しても保護素子が入っているので故障する可能性は低いですが、接続するACアダプターによっては事故⚡🔥の可能性は否定できませんから。
十分ご注意を!!