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ワインディングマシンの修理

愛用の自動巻き時計のゼンマイ巻き用に、数年前、オークションでジャンク品を購入しました。
ジャンクの理由は片側のローターが回転しないという物。
モーターの回転する音はするという事だったので、おそらくベルト切れだろうと予想し、分解したらやはりベルトが切れていました。
ベルトを交換して1年ぐらい使用していたのですが、ある日全く回転する音がしなくなってしまいモーターが壊れたかな? と思ったのですが、不思議なことに両方とも動かない。

モーターに電源を供給すると、問題なく回転するので、回路側の問題のようです。

回路基板を調べてみると・・・・ん?

基板に焦げ跡

ありゃ!? 基板が焦げてる!

外して確認するとドライバICが見事に昇天していました😇
使用しているドライバは台湾ELAN MICROELECTRONICS製のeSW4506A。
最初こんなIC見たことがなかったので、探しまくってようやく判明した次第。
データシートをダウンロードして仕様を確認すると4.5VでMax.670mAの出力電流とのこと。

ということは、それ以上の電流が流れた??
ならば、使用しているモーター マブチのRF-300EA-1D390のデータシートを確認。
3.9V時の最大効率時で84mA程度。2個並列なので168mA・・・特に問題ない。
しかし、これは運転中の電流値で、モーターは動き出すときに大きな電流が流れる。
ではストール時の電流は・・・340mA。
もしかして、これが原因じゃないのかな?
停止するような負荷がかかっていないとしても、動き出すときに一瞬大きな電流が流れる。
しかも一定周期ごとに運転、停止、運転…を繰り返すので、ICにも相当な負荷がかかっていたはず。

こりゃ捨てるしかないかな、と思ったのですが、新たに手に入れるにしても、ワインディングマシンってこんな玩具みたい(失礼)な構造なのに意外と高価なんですよね。

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なんとか修理する方法はないかと、情報収集をしていると、電子部品購入でお世話になっている、秋月電子通商さんのサイトでローム製のブラシ付モーター用フルブリッジドライバBD6211Fなるものを発見。

データシートを確認すると、BD6211Fの場合、最大出力電流1.0Aも取れる。
しかもVREF電圧設定でPWMデューティ制御もできる。
ノーマル状態では回転数が高く、夜中に結構な動作音がして気になっていたので、PWM制御で回転数を落とせば、モーターにも優しく、さらに静音化もできるかも?
ピンアサインが異なるのでそのまま載せ替えは不可能だけど、何となく使えそう。

ということでデータシートを参考に基板レイアウトを検討。

IC1個でモーター2個を駆動することも問題なくできると思いますが、さらなる安全と余裕度を持たせるために、各モーター1つにIC1個という構成にしました。
ちなみに上図検討段階ではそれぞれにコネクターを設置し、接続する予定でしたが、限られたスペースへの組み込みを考慮し、簡略化のために電源と制御入力Rin,Finは基板上で結合して、コネクタ付きのリード線で接続しました。

できるだけコンパクトに納められるように工夫しましたが、メンテナンス性も考慮し、ローター裏のフレームにホットボンドで固定しました。

今考えると、背面に基板スペーサーで取り付けて、ボリュームの調整ができるようにすればよかったな、と後悔。。。
ま、そんなに調整をするものでもないからいいか。

時計を搭載して1日動かしてみましたが、ICの発熱は確認できず、動作も問題なし。これならICがパンクすることもなさそうです。
清音化は・・・思ったほどではなかった (^^ゞ

ケースを元通りに戻して終了。
これで安心して使用できるぞ😊

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