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16年後の【青年海外協力隊ベトナム日記 2006〜08】
2008年6月28日
深夜にハノイの空港から飛び立った飛行機は、翌朝成田に到着した。
2年ぶりの日本。
清潔な町並み、日本語の看板、スーツ姿で通勤する人々。
帰国してすぐの日々は日本の日常の光景の何もかもが新鮮に感じつつ、新しく始まる日々に期待と不安が入り混じった複雑な感情を抱いていた。
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あれから15年以上経った今、私は日本で家庭を持ち、子供にも恵まれ、大好きな海のすぐそばに居を構え、やりがいのある仕事に就き、休日は海で遊んで浜辺を散歩する日々を過ごしている。
大金持ちにはなっていないが、子供と関わる時間や趣味に費やす時間はそれなりにあり、慎ましく生活する分にはそれほど困ることもない程度の暮らしはできている。
改めて書き出してみるとなんだかあの頃にぼんやりと思い描いていた未来像に近い人生を送れているような気がする。
ベトナム日記の最終話は、
「本当の豊かさとは何だろう。
本当の幸せとは何だろう。
その答えは、まだ見つからない。」
と閉じた。
個人的に叶えたい夢や目標はまだまだあるものの、ひとまず今の暮らしはあの時の問いに対しての、私なりのひとつの答えなのかもしれない。
家の近くのいつもの浜辺で、目の前で遊ぶ子供たちを眺めながら今の暮らしのことを、そして、この青い海の先にある2年間暮らしたベトナムのことを思った。
今夜は寝かしつけをしながら久しぶりにあの頃の昔話を聞かせよう。
そして、子供たちがもう少し大きくなったら私が2年間過ごしたあの町の美しい海に連れていこう。
2024年 春
青年海外協力隊ベトナム日記
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