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【美術展2024#47】感覚する構造 法隆寺から宇宙まで@WHAT MUSEUM

会期:2024年4月26日(金)〜8月25日(日)

本展は、建築の骨組みを創造してきた「構造デザイン」に焦点を当てた展覧会です。
日本には世界に誇る建築家が数多く存在しますが、建築家の仕事を支える構造家の存在はあまり知られていません。重力や風力といった力の流れや素材と真摯に向き合い、その時代や社会とともに創造してきたのが建築の構造デザインです。専門性の高い構造デザインの世界ですが、建築の「骨組み」の模型を見たり、模型に触れたりしてその仕組みを分かりやすく紹介いたします。
このたびの後期展では、近年サステナブルな建材として注目が高まる木材を用いた建築にフォーカスします。日本の伝統的な木造建築から最先端のものまでを取り上げ、木造の特質を歴史的に俯瞰し、未来の木造建築の可能性を考察します。また、構造デザインを応用したファッションや宇宙開発など、他領域との横断的な取り組みを通じて、構造デザインの広がりを提示します。前期展から大幅に作品を入れ替え、100 点以上の構造模型を鑑賞できます。開催期間中には、展覧会に関連した書籍の出版や、トークイベント、パフォーマンスイベント、ワークショップなども予定しています。詳細は順次お知らせいたします。

WHAT MUSEUM


入ってすぐの法隆寺五重塔の模型。
現存する世界最古の木造建築がこの地震大国でなぜ崩壊せずに立ち続けられたのか、その肝となる柱や構造をじっくりと観察することができる。
本来は見えない部分を見ることができるのは模型ならではの利点だ。
1/10サイズだが高さは3.6mあり見応えは十分。

構造的な特徴などは説明文を読んでふむふむなるほどと納得するが、コアな部分に関しては、私の理解力では本質的な理解はできていないかもしれない。
だが感覚的にその構造が美しいと思った。

そういえば中高生の頃、数学の公式って美しいなあと思っていた。
教科としての数学に対してはそれほど強い関心があったわけではなかったが、数式を用いて描き出される世界の法則みたいなものには不思議な美しさを感じていた。
なんだかそんな遠い昔のことを思い出した。


各地の名所の模型が並ぶ。
やはり行ったことのある場所は感情移入がしやすい。


単純に柱が太くなればなるほど構造物の耐久性は上がる。
だが時代が現代に近づくにつれて木材の枯渇で太い柱が使えなくなってくる。
その分構造的に工夫することで強度を補うことになる。



近代になると建築家の仕事にスポットが当たりやすくなってくるが、構造家の重要性も以前に増して大きくなってくる。
名車にとってデザインと動力機構のどちらも疎かにできないのと同様に、名建築も意匠と構造の両立がしっかりしていなければ成り立たない。
ただ、車の場合はエンジンがポンコツでもとりあえず走ることはできるかもしれないが、建築物は構造がしっかりしていなければ崩壊してしまう。
そう思うと建築家より構造家の仕事の方が実は重要なのかもしれない。



私はキャンプが趣味のひとつだがテントの構造にはいつも感心する。
見たことのない構造のテントを見ると少年のようにワクワクしてしまう。
ノースフェイスのテントはたまにキャンプ場でも見かけるが、構造が特殊なモデルが多くてかなり目立つ。

数学的な美しさを感じる。



そして舞台は宇宙へ。

環境が地球とは大きく異なる場所ではその場所の重力や自然環境のルールに合わせた構造物が必要になる。
まさにこのような場所でこそ「未来のかけら」が必要になるのかもしれない。



建築家に比べて構造家はその名が世に出ることが一般的には多くない(それとも私が注目していなかっただけ?)。
私も今まで名建築を前にした時にはどうしても目につきやすい意匠的外観ばかりが気になり、細部の構造やそれを司っている職業のことまで考えることはほとんどなかった。
だが建築物は建てて終わりではなく、むしろその後の建ち続けていく時間の方が圧倒的に長い。
特に地震大国の日本においては構造家の仕事は建築家に勝るとも劣らない程に相当重要なのだと改めて痛感した。

これからは意匠的な視点とともに構造的な視点も大切にして建築物を見ていかなければと(今更ながらに)思った。



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