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【美術展2024#03】味/処 AJI/DOKORO@神奈川県民ホールギャラリー

会期:2023年12月17日(日)〜2024年1月27日(土)

 神奈川県民ホールギャラリーで「味/処」が開催される。本展は、同館で昨年度に開催された「ドリーム/ランド」展に続く、場所をテーマにした展覧会第2弾。
 本展覧会は、共同キュレーターとして伊藤まゆみ、吉田有里の2名を迎えた、3名による共同キュレーション。参加作家は、さとうくみ子、澤田華、川田知志、丸山のどか、今村遼佑、倉知朋之介の6名。
「味」は味覚だけではなく、視覚、聴覚、嗅覚、触覚と、五感に訴えかけるもの。身体感覚を多く刺激する「味」によって、人は時に喜怒哀楽といった感情の湧出をも促される。また「味わい」という言葉には、風情や趣といった、いわゆる情景という意味も含まれる。個人の身体性や感情と、社会が培ってきた文化や歴史とが共に見出す「味わい」は、われわれが広い世界や時間と共に在ることを思い起こせてくれるだろう。

美術手帖


神奈川県民ホールギャラリーの2023年度企画展。
6名の若手作家が広い空間を贅沢に使う。

さとうくみ子

ダンボールや紐のような身近にある素材を用いたオブジェ。
細部まで作り込んであるオブジェの心地よい素材感の中に潜む、ニヤリとしてしまうようなゆるキャラ達。


澤田華

光が鏡に反射し新たな光と影と作り出し、いくつかある映像を関係付けている。
スクリーンに映し出されているのは何の影なのかをを探しているそばから、その光の前を通る他の鑑賞者の影が投影される。
今自分が見ている映像はプロジェクターが発する光の強弱そのものなのだということに気付かされる。
影があることで光が強調される感覚が心地よかった。

川田知志
丸山のどか


今村遼佑

暗く広い部屋に点在する映像や、油断していると蹴飛ばしてしまいそうになるほど無造作に置かれたオブジェたち。
耳をすませば微かな音が聞こえてくるものもある。
普段あまり意識することのない自然界の小さな営み、路地裏の雑踏の片隅に存在する微かな息吹。
改めてそんなものを意識する感覚に気付かされた。

通常では展示に用いないであろうスペースにも隠れキャラのように作品が展示してあったり、会場の空間を巻き込んでインスタレーションを展開していたりと、場の使い方にそれぞれの世界観が表出されていた。

平日昼間に行ったのだがちょっと運営を心配するくらいのガラガラっぷりだった。
世界観に没頭できたのは良かったが。


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