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Open Air イヤホン のススメ

【2589文字】

オープンエア型の

イヤホンというのが
どんな物か分かりますか
通常のイヤホンは外耳の入り口部分に
パッドを当てて
完全に耳の穴をふさぐ形にしてしまいます
そうする事で音がクリアになり
重低音から超高音まで
繊細なサウンドを楽しめるのです
しかしデメリットとして
外の音を完全に遮断してしまう事と
パッドが当たっている外耳の皮膚に
それ相応のストレスをかけたりします
それに代わってオープンエア型は
耳の穴をふさぐことなく
耳への負担が軽減されます
何より外の音が遮断されないので
爆音にしない限り環境音も聴こえるのです
デメリットは重低音がイマイチなのと
爆音にすると音漏れが激しいです
勿論共に爆音で長時間聴くのは
耳の健康を著しく害しますので
そういうのは論外ですけど

僕は現在

嘱託の給料取りです
デスクワークが7割
顧客宅訪問が2割5分
打ち合わせが5分
これがザックリとした仕事ペースでしょうか
オフィスには音楽などは流れてなく
その代わりではありませんが
隣席の上司の独り言が
念仏の様に一日中響いています
何度か指摘したのですが
「え?あそう?失礼失礼」
と言った1週間後には
またブツブツと念仏が再開されます
これはもう自己防衛という事で
自分の耳の方に細工をしました
なので僕はデスクワーク中
必ずオープンエア型の
Bluetoothイヤホンをしています
大きな音で聴くのではなく
薄っすらと曲を流すのです
でもノリノリの曲とかではありません
歌詞も激しいビートもない
静か目のインストルメンタルで
日によってSmooth Jazzや
Ambient Musicなどを選んで
聴いています
歌詞があったりリズムが激しかったり
何か意味のあるPodcastを聞いたり
そういうのはこの場合不向きです
仕事に集中するためには
インストルメンタルの曲は有効です
実際は聴いてるという感じではなく
背景に流している
という感じなんです
勿論音量にもよりますが
オープンエア型イヤホンなので
人の会話や生活音などは
いつもと変わらずに聞こえて来ます
唐突に誰かに話しかけられても
普通に対応しそのまま返事も出来ます
個人的に感じるのは
している時としてない時では
している時の方が
より集中力が高まっている
という感覚です
実際仕事がはかどっている気がします

今年の春から

夕食後にウォーキングしてるんですが
そもそもそのために
このイヤホンを購入したのです
以前は密閉型のイヤホンを使って歩いてましたが
これがぜんぜん宜しくなくて
一歩一歩踏み出す度に
その音がボコッボコッと聞こえ
不愉快で仕方なかったのです
でも
そんなことより何よりも
密閉式のイヤホンが
ウォーキングに適さない最大の理由は
実に危険であるという所です
外の環境音を遮蔽してしまうので
車や自転車の接近などに
気付けない事が多くありました
これは大変に危険で
当初はイヤホンを浅く装着したり
ステレオ効果を捨てて
片耳だけにしたりしてました
そこへ来てオープンエア型は最適です
音楽と共に環境音も
同時にちゃんと聞き取れますからね

オープンエア型イヤホン

を選択した理由は
安全が確保されながらにして
早歩き用にテンポがそろっている楽曲をかけ
それに合わせて歩く事が出来るためでしたが
ところがやってみると
この決められたテンポというのが
なかなかのストレスで
普段バンドでドラムをやっていても
この場合リズムに合わせて歩く事が
全く面白くないのです
人の欲求というのは勝手なもんですね
なので最近は
お気に入りのPodcastを聞いています
これが大正解
興味深い話を聞きながら歩いていると
時間はあっという間に経ち
無理なく運動を終える事が出来ます
話の続きが聞きたいので
翌日もモチベを保ったまま
歩きに出る事が出来ます
痩せるために始めたウォーキングですが
最近は目的がひっくり返って
Podcastを聞くために歩いているような感じで
結果継続につながっています

この体験は

似既感にきかんがありました
1980年ごろでした
生まれて初めて
自室でもなく友人宅でもなく
モノラルの小さなスピーカーでもなく
街中を歩きながら
高音質の音楽を聴いた時がこれでした
ウォークマンは僕にとっても画期的で
歩きながらすれ違う人全員の中で
今高音質の音楽に浸れているのは
自分だけだという優越感と
何とも言えない不思議な感覚
見慣れた景色が
曲によって違って見えるあの感覚です
最近の高級Bluetoothイヤホンでは
何故かそういうのは感じなかったのです
オープンエアは音楽と現実を融合させ
何やら新たな感覚を教えてくれる感じです
よく知っている楽曲が
映画の中の挿入歌として流れて来た時
普段聴いている時より
何か溌剌としてたり
とても感動的だったりすることがありますが
それと同じではないかと思います
車の移動中に聴くのも少し似てますが
景色は変わっても常に車中ですから
本当の自由な空間じゃないですよね
Spotifyのプレイリストを
ランダム再生しながら歩いたり
電車に乗ったりして景色を感じていると
偶然その景色とマッチングしたり
ミスマッチしたりして
人知れず感動の渦にハマる瞬間があったりします
誰一人として意図していない状況
誰の作為も感じられない状況での
景色と音楽のマッチングは
二度と観れない自分だけの映画を観ている様で
本当に感動的です

音楽を

音楽だけで聴くのも
もちろんとてもいい聴き方です
音楽家のほとんどは
創作した音楽のどんな小さい音も漏らさず
隅から隅まで聴いてほしいと思うものです
なのでいい音環境でじっくりと
その音楽だけに集中して聴いてもらうのは
本当に有難い事なのです
何もいい音響設備が必要という訳でもありません
密閉型のイヤホンで
何かグッと気持ちを上げたいときや
思いっきり泣いてやろうと思った時
そういう時にも
音楽だけに集中して聴く意味は大いにあります

その一方で

音楽を生活の演出効果ツールと思って
そう割り切って聴いてもらうのも
ひとつの音楽の聴き方だと思います
生活の挿入歌にしてみたり
思考背景の一部にしたり
音量抑え目に聴くでもなく
聴かないでもなく
音楽を存在だけさせておく
というのはなかなかいいものです
最近Spotifyなどのサブスクで
音楽は益々身近になっています
スマホとオープンエアイヤホンがあれば
常に生活の背景に
好きな音楽を配置する事が出来ます
知っている曲である必要はありません
サブスクには様々なプレイリストがあり
「夕方の浜辺でゆったり」
とか検索すれば
それに近いリストが沢山出てきます
精神の安全性や健康を増進させたいと
もしあなたが思っているなら
この方法は悪くないと方法です
生活の背景に色を加える為
オープンエア型のイヤホンを
活用してみてはどうでしょうか