妄想 『道を開けないベビーカーお母さん』
【現実世界】
ショッピングモールなどで用があるのか、並んで立ち止まっているベビーカーを押しているお母さん2人組。本人は端にいるのですが、ベビーカーが邪魔してしまい通れないがお喋りに夢中で気付かない。ショッピングモールで買ったのか沢山の紙袋がある。
僕が得れる情報はこれだけ。
【妄想世界】
お母さんになるとやる事が多い。
家の事もそうだけど、ご近所付き合いも大事だということが最近になって分かってきた。この街の情報や人間関係。私の言動で家族の印象が良くなったり悪くなったりする。芸能人はイメージが悪くなったりしても、日時が経てば忘れてくれたりする。
ご近所は忘れない。ヘタしたら一生忘れてくれない。
だから、ご近所付き合いは、多分大事。
今日は、ご近所の古畑さんと近くのショッピングモールでランチ。
古畑さんは、ウチの子と同い年のお子さんがいて、ご近所の中でもリーダー的な存在。この人に嫌われたらご近所の人の全員から嫌われる。
待ち合わせは、中のフードコートで待ち合わせ。
何も話してないが、予定の時間より早く来て席を私が取る。
多分、そっちの方がいい。
向こうから古畑さんがベビーカーを押してやって来た。凄い量なブランド品の袋をベビーカーのフックに引っ掛けている。
私の存在を知らせて、古畑さんが着くや否や「何買ったんですか?」と聞く。
多分、そうした方がいい。
「ちょっとお店の前通ったら、良さそうなのがあったから買っちゃったー」
ちょっと買うにしては、だいぶ勇気がいる買い物にしか思えなかった。
その後、食べ終わってショッピングモール内をどこに行くか決めてもいないが、お互いベビーカーを押しながら歩く。そこでも、古畑さんのブランドのちょっと買い物しちゃった話に付き合う。
多分、私の話はしない方がいい。
そのお店の前で立ち止まって話す。
通路では1人のお兄さんが通りにくそうにしているが、お兄さんからの印象より古畑さんからの印象の方が重要だから気付かないフリして相槌をうつ。
帰って印象良かったか考える。
多分、大丈夫。
そう思って、私は子どもの寝顔を見ながら泣いた。
【現実】
なんつって。
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