解散したかった自分と決別する 優しい歌
今回紹介するのはMr.Childrenの20枚目のシングル、優しい歌です。
都市伝説レベルではありますが、優歌という名前の娘さんがいるのでその子を意識しているのでは?とか再婚の時期に出された曲なので再婚する自分に対する曲だとか比較的いわく付きの曲です。
3分程度と全シングル中トップくらいに短い曲ではありますが、
勇気をもらえるドラム
ロックバンドっぽいゴリゴリのギターとベース
意味深な歌詞
と非常に良いバランスに仕上がっている曲に感じます。
それでは早速一番の歌詞から行きましょう。
解散を考えていた自分と向き合う1番
しらけムードの僕等は胸の中の洞窟に
住みつく魔物と対峙していけるかな
ミスチル現象と呼ばれる過度な注目をされていた時代を経験し、加熱するファンの行き過ぎた行動によりプライベートがなくなり、心身ともに疲れていた櫻井さん。
しらけムードの僕らとはまんま頂点を極めきったMr.Childrenの事を客観的に表しており、住みつく魔物とは解散をするかしないかという自身の迷いと読めます。
魂の歌 くすぶってた。
照れ隠しの裏に忍ばせた 確信犯の声。
ただ、いくら解散を意識していてもやっぱり歌う事が好き。
もっとひっそりと活動したいと主張するももっと自分達の作品を世に出したいという強い欲求も出てきている事が分かります。
喜びに気づき、決意を決める2番以降
出口のない自問自答 何度繰り返しても
やっぱり僕は僕でしかないなら。
どちらに転んだとしても それはやはり僕だろう。
このスニーカーの紐を結んだならさぁ行こう。
1番のAメロの歌詞、住み着く魔物と対峙できるかどうか?という自問自答に対しての回答の様な歌詞です。
どれだけ考えても自分は変わらないという潔い結論にたどり着きます。
ほどけていた靴紐の様にバラバラだった自身の気持ちを一つに結び、一気にサビ→ラスサビまで駆け抜けます。
この辺りは聴いていて本当に気持ちが良い。
群衆の中に立って空を見れば 大切な物に気づいて狂おしくなる。
優しい歌忘れていた 誰かのために小さな火をくべるような。
愛する喜びに満ち溢れた歌。
群衆がプライベートなのかライブ中なのかはリスナーの決めの問題ではありますが、僕はライブ中派です。
360度、ファンとメンバーに囲まれてふと空を見上げたくなるくらい充実感を得ている櫻井さん。
愛する喜びとは、ファンを、メンバーを、音楽を愛するという全方位に向けられた物と僕は読みます。
まとめ
深海あたりで自分の闇と向き合った櫻井さんの原点回帰というか、
誰かの心をあたためる曲を作り演奏する事に喜びを感じている様子が良く分かります。
この曲から、櫻井さんは明確に音楽をどんどん好きになっていき、2019年現在も精力的に活動しています。
優しい歌とは、もがき抜いた90年代との決別を表明し、
2000年代を可能な限り走り切る事を宣言したきっかけとなる曲です。