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ブリティッシュ・ベイクオフに狂った人間の備忘録②シリーズ6について

シリーズ6を一気に見終えた。

見終えた後の脱力感というか、力が抜ける感じが他のシリーズと比べて高い気がした。決して悪い意味ではなく、ベイカーのバタバタ感が視聴者側にも特に多めに伝わってきて、感情移入がしやすかったからかもしれない。

とにかく今シリーズは難しいシリーズだったように思う。
課題の難易度という意味でもそうだが、それだけではなく、各ベイカーのポジションのアップダウンがあまりにも顕著だったからだろう。
味付けがうまいタマールとテクニカルに強いフローラは割と安定していたほうだったが、初回のスターベイカーであるマリーが次回でいなくなるとは全く予想していなかった。と思えば、快進撃を続けていたイアンが急に危険水域に落ちたりもする。優勝者のナディヤも初回はボロボロで、正直長くは残らないのかな、と思っていた。わからないものである。このシリーズは、リアルタイムで見ていた視聴者も毎回相当ハラハラさせられたのではないだろうか。

とはいえ、最終回後にここまで感情を揺さぶられたのは、やはりナディヤのせい(おかげ?)だと思う。彼女は終始エモーショナルで喜怒哀楽を素直に出し、割と口も悪かったように思う。過激な発言が多めでよく笑わせられた。
そんな姿を見ているからこそ、相当序盤のころに「脱落したら子供たちががっかりする」と言っていた彼女が優勝したのはこちらまで本当にうれしかった。この番組は主婦が出演することが多いが、彼女らが口にする「自信がない」「勝ったことがない」という言葉は(個人的な問題か、社会構造上のものなのかは別として)結構重いものなのだろう。その上で一番になる、というのは、単純だとは思うがやはり心に来る。

この番組の構造を理解してからは、初回の印象からなんとなく推し枠を決めて視聴しているのだが(そのせいで見ていて勝手に疲れるんですが)、今回はマリーとポール、フローラだった。マリーはいかにも経験値が高いおばさんということで期待していただけに、あまりに早い退場は残念だったけども。
ポールはハリウッドと同じ名前やんけ!で妙に気に入ってしまい、ひそかに応援していた。彼も課題によってふり幅が相当大きかったですね。アイスロールの回でビキニ女性人形を作っていたのは正直めちゃくちゃ笑った。これまでのブリティッシュ・ベイクオフで一番笑った場面かもしれない。
フローラは最年少枠で、おっ今回もかわいい子がいるぞと注目していたが、その後徐々に出てくる妙に生意気な感じにどんどん好感度が上がっていった。キッチンにやってくる審査員に目もくれず放つ、若干けだるげな「モ~ニ~ン」がすごい好きです。


気になった作品にも触れておく。
今シリーズで一番食べてみたいと思ったのはナディヤのヴォロヴァンだった。完成はしなかったけど、フィリングがとにかく味の想像がつかず美味しそうで今でもめちゃめちゃ気になっている。ナディヤはバングラデシュシリーズと駄菓子シリーズで作品からキャラがすごく立ってましたね。
甘いとこでいうと、マリーおばさんのショートブレッドと、ベイクドチーズケーキ回のタマールのが味の想像ができて美味しそうでしたね。
あとビスケット回のマットの消防車はめちゃくちゃかわいくてお気に入りです。ガラスのとことかすごい。

テクニカルもどんどん知らないものが出てきてネタが尽きないな~と毎回関心しているのですが、テニスケーキは意味がわからなくてなんだこの文化!と笑ってしまった。甘そうなフルーツケーキにさらに砂糖細工を乗せるの、いかにもって感じですねぇ…食べるならケーキだけかな…。
ファイナルの課題でいうとイアンのアイデアがすごく好き。アイシング連結ニンジンは見栄えするしかわいい。一番日本人の口に合うのはレモンドリズルだろうけども。

ファイナルといえば、今シリーズはファイナルの出来が全員素晴らしいという稀有な回だったように思う。大体の場合、一人くらいは若干のダメ出しを食らっていた気がするが、今回はべた褒めだった。ポールがナディヤに「ウェディングケーキならご主人に」と言っているのをみて思わずじーんときてしまった。飴と鞭はズルいですよ!
まぁ、全員が高評価だったからこそアイシングパンとテクニカルの出来でサクッと優勝者が決まったともいえるのかもしれない。メルが言ってたように、シリーズ1は優勝者の決定にめちゃめちゃ時間かかってましたねそういえば。

シリーズ6はここまで。
今シリーズも本当に面白かった。早くシリーズ7を見たいところだけど、このシリーズでメアリーとメル・スーがいなくなるらしく、今の段階から心が死にそうになっている。つらい。耐えられるのか私は。

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