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スタートアップ起業家は必ず知ったほうがいい"イグジット(EXIT)"とは何か【M&AGAZINE】

早速だが、あなたは"イグジット(EXIT)"とは何か説明出来るだろうか。

毎日ニュースやスタートアップ界隈では、資金調達、プロダクトリリース、PMF、IPO、買収など、スタートアップ企業では様々な単語が飛び交っている。その中の1ケースとして、資金調達の相談で投資家から「貴社では、"イグジット(EXIT)"の計画はありますか?」と聞かれることがある。ニュアンスは分かるが、きちんと説明しにくい人も多いだろう。

今回は、その資金調達をした起業家が目指すべき一つのゴール"イグジット(EXIT)"を解説していく。

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1、資金調達をした起業家のゴール=EXIT?

まず、起業家にとって起業をすることのゴールは、ミッションの達成や売上の向上、従業員1,000人など、いつまで経っても終わりはない。

しかし、起業家に投資をしているVCやCVC、事業会社などの出資者たちにとっては、ある一定の期間で区切り評価をしなければ、持っている株式がどれくらい成長したのか、投資によって利益が出ているのか分からない。

"イグジット(EXIT)"というのは、「株を保有している経営陣も含めた出資者たちが利益を得ること」である。

つまり言い換えると、何らかの形で"イグジット(EXIT)"することで、未だ価値がついていない(又は価値が低い)株式に対して、価値をつける(値付けする)ということである。
この値付けがされることによって、株式の売買が容易になり、投資家たちは買った時と売るときの差額の利益を得ることが出来る。

「"イグジット(EXIT)" = 出資者が利益を得ること」といえる。


2、"イグジット(EXIT)"の種類

"イグジット(EXIT)"には大きく分けて、2つ種類がある。

①市場への株式公開(IPO)
② 株式譲渡による事業売却(M&A、バイアウト)

詳しく説明していこう。


 ① 市場への株式公開(IPO)

こちらは、企業の株式を市場に公開するというやり方である。

分かりやすくイメージを伝えると、企業にとって株式が自社の経営権である為、この株式保有者になって支援してくれる人を探すわけだ。この支援してくれる人に対して株式の譲渡を行えるのが、日本では「東証一部」や「東証マザーズ」、アメリカなどでは「ナスダック」などと呼ばれる証券取引所である。

つまり、市場に対して株式の企業価値を公開することで、買いたい人(支援してくれる人)に見つけてもらうことが出来るのである。

ただし、この企業価値が正しくかつ実在しなければ、誰も買ってはくれない。

市場に株式公開する時に、スタートアップが一番困るのがココである。
監査法人を使って、会社が正しく事業を行っているのか、また企業価値が一定の基準値あるのかをチェックするのである。
(※東証マザーズでは、上場時見込み時価総額が‎‎10億円以上必要)

すると、なかなか基準値に達しなかったり、何らかの不具合があったりで市場に公開できないのである。

ちなみに、2019年は86社の企業が株式公開していて、ここ数年は約90社の企業が平均となっている。
2020年以降に関しては、延期などで、コロナの影響もありかなり数が減っているそうなので、また別の機会に述べたい。


 ② 株式譲渡による事業売却(M&A、バイアウト)

それでは、市場に公開出来ない企業は取引出来ないのだろうか。

そこで出てくるのが、もう一つのやり方、所謂M&Aやバイアウトと呼ばれるものである。

こちらは、分かりやすく比較すると、市場には公開できない株式でも、欲しい人や会社がいれば、値付けをして取引しようというものである。

例えば、下の記事は、マネーフォワード社が、スマートキャンプ社をM&Aしたものだ。未だ一般個人に企業価値を公開される前に、欲しい企業を子会社にするのにもよく使われる
この場合、企業価値を算定するのは、経営陣や買収をする側の会社が納得のいく方法を考えて提案し合うことが多い。こちらの例では、約20億円の企業価値ということである。

このように、"イグジット(EXIT)"は会社の状況や判断によってやり方が異なるのである。


3、何故起業家は"イグジット(EXIT)"を知ったほうがいいのか

今までの説明で、"イグジット(EXIT)"というのは、出資者に対して利益をもたらすことだと分かったと思う。

カネ余りと言われる時代なら未だなんとかなるが、基本的に投資家は儲ける為に投資をする。もちろん、他に大義名分はあるかもしれないが、仮に応援したいという気持ちで投資をしていても、会社の企業価値が上がり成功することは喜ばしいはずだ。

つまり、"イグジット(EXIT)"についてきちんと理解しているスタートアップ起業家は、投資家にとって魅力的だということだ。

もちろん、起業しながら成長していく、やりながら覚えていく論はあるが、概念を知らないと説明することすらままならない。だからこそ、起業家やスタートアップ経営者ほど、"イグジット(EXIT)"について理解を深めてほしいと思う。


4、"イグジット(EXIT)"の応用した使われ方

また、ベンチャーキャピタルやコンサルタントでは、「出口戦略(EXIT STRATEGY)」という言葉も使われることがある。

元々は、戦争の時代で使われていた用語らしいが、投資においては投資効率の最大化を図る為の戦略、経済的な損失をしない戦略のことを言う。

資金調達相談をする時には、是非"イグジット(EXIT)"についても考えてから話すことをお勧めする。


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