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【中編】ドラクエ6、黄金のドラゴンの謎

おいっす!

ドラクエ6のお話の中編は、ドラクエ6の最大の謎「黄金のドラゴン」について考えようという内容でふ。


↑前編も名文なのでよく読むように(大ウソ)。

ではとっとと本題に入りましょう。

【黄金のドラゴンの正体は・・・】

黄金のドラゴンの正体ですが、ネットでもあーだこーだ言ってやがるが俺様がはっちり言い切ってやる。

あれは・・・「わからない」が答えです。

いや、わかる!ふざけるなというのはわかるが、最後まで読んでくれたら絶対わかってくれるはずだ!

ではやっていこう。

まず正面から黄金のドラゴンを理解しようとしても絶対無理です。

おそらく設定が途中で放棄されていて堀井先生ですら黄金のドラゴンの設定上の正体はわからないだろうと俺は推測しています。

よく言われているのが「バーバラ」「マスタードラゴン」というのがありますが、決定打になる根拠が作中で示されていないんですよね。

①黄金のドラゴンの正体バーバラ説

(カルベローナでのセリフから見ても)正直これが一番スッキリするとは思うんですが、結果としては中途半端なまま語られなかったのでこれを設定上の正体とするのはちょっと俺はなじみません(別にそう解釈する人がいてもいいと思います)。

②黄金のドラゴンの正体マスタードラゴン説

ドラクエ6はドラクエ4の前の時代の話というのは公然の事実なのですが、マスタードラゴンはおそらく6のエンディングの卵から生まれたであろうという気はするのでこれも違うかなと。

ただ基本は①になるはずだったし、それ用のシナリオもあったとかっていう噂なので、素直に解釈するなら黄金のドラゴン=バーバラってことでいいと思います。

俺はぶっちゃけピンと来ないんだけどね。

【なんで黄金のドラゴンなんて出したんだ!】

まさにこの見出しの通りで「じゃあなんで黄金のドラゴン出したん!?」って話なんすよね。

作中できちんとケリをつけられない設定を出すんじゃないよ、とぶっちゃけ僕はそう思っていますw

テリー、チャモロを差し置いてパッケージにも登場のドラゴンくん

しかし、それは裏を返せば「それでも出したかった!」ということなのではなかろうか!?

したがって設定やストーリーの回収の不自然さがあったとしても、それでも黄金のドラゴンを出す選択をしたことにもっと着目すべきではないか?と俺は思うわけです。

ここで!ドラクエ3が出てくるわけです。

結論から先に言おう、黄金のドラゴンはドラクエ3のラーミアのリベンジです。

本当はラーミアでやりたかったことを黄金のドラゴンでやったわけだ。

【ラーミアでやりたかったこと】

じゃあドラクエ3のラーミアで本当にやりたかったことってなんだ?と言ったらこれですよ↓

ラーミアの翼に乗って魔王城に突撃、そしてそのまま魔王と戦闘!!

これですよ、間違いねえ!

当時のスタッフ陣のラーミアへの熱意は熱かった

すなわちドラクエ6のオープニングはドラクエ3でできなかった「夢」を実現したわけです。

もしファミコン版のドラクエ3で容量や技術的な問題がクリアできたのであれば、おそらくラーミアに乗ってギアガの大穴を通過し、そのままゾーマ城に乗り込むくらいは本来はやりたかったんじゃないかなと思うんすよ。

誰もが納得できる客観的な根拠はない。

しかしどうも俺には堀井先生がそういうイメージをしていたのではないかという気がしてならない。

あくまでも俺なりの根拠を2つ示そう。

①根拠1「知られざる伝説」

昔「知られざる伝説」というドラクエ3のサイドストーリーを書いた短編集の小説があったんですよね。

ぱふぱふ娘の話もあるよ!

例えばサマンオサが乗っ取られた経緯やカンダタの過去、オリビアとエリックの話などが描かれてたんですが、最終章では勇者の母親が出てきます。

そしてその話では「息子の勇者はラーミアに乗ってギアガの大穴に行き、それきり帰ってこない・・・でも私は彼を待ち続ける」というけっこう物悲しい終わり方をします。

俺は当時これを読んだときすごく印象に残ったんだよね。

息子が帰ってこない母親の視点もそうだし、この「知られざる伝説」の中ではラーミアごとアレフガルドに行ったんだなという気付きがあったわけです。

あるときふとこれを思い出し、

「あれ?ひょっとして・・・

ドラクエ6の冒頭の黄金のドラゴンに乗って下降しながら魔王城に突撃するのって、ギアガの大穴からゾーマ城に向かうのを意識してるのか・・・?」

となんか妙に繋がったような気がしたんですよね。

高い場所から魔王城を見下ろし神に近い存在の背に乗り魔王城を目指すとい
うシチュエーションはかなり似ていると思いません?

この「知られざる伝説」の設定がどこまで公式的なものなのかは正直非常に怪しいのだが、けっこうな主要スタッフがインタビューに応じていたり、エニックスが発行しているあたり、ボツ案なんかも多少取り入れて構成しているんじゃないかな?と思ってんすよね。

(スターウォーズなんかだと映画本編のボツネタをスピンオフ小説で再利用する、なんてことあるのでドラクエも似たようなことあるんじゃないかなという妄想です)

②根拠2「レティス」

これはもうわかりやすい。

ドラクエ8の最終決戦のシチュエーションを思い返してほしい。

レティスの背に乗って魔王と対峙しそのまま戦うというものだ。

ラーミアに乗って魔王城に突撃したら、そのまま魔王と戦いたいと思うのは当然ではないだろうか?

ゲームなんでどうしてもラスダンというものを設定せざるを得ないのでそういうことはできないが、物語の演出としてはレティスのように一緒に戦う方が盛り上がるだろう(実際ドラクエ8のラスダンはちょっと異質だったよね)。

なのでドラクエ3でやりたかったことを推し進めたのがドラクエ8の最終バトルってことでしょう。

この①②を見るとドラクエ3のラーミアで本来やりたかったことが浮かび上がってくるような気がするのだが、いかがだろうか?

そしてこれは制作陣の夢の実現に他ならないと思うのだ!

ファミコン版のドラクエ3制作当時にこういうことがやりたい、やってみたかったというのが時を超えてドラクエ6で実現されたわけだ!

そう、黄金のドラゴンの正体を暴くにはこの「夢」というキーワードからのアプローチをかけなければいけなかったのだ。

【結論!黄金のドラゴンの正体】

さてここまでの話を総括した上で黄金のドラゴンの正体をもう一度考えると次のような結論になる。

黄金のドラゴンの正体は「実現した一つの夢」である!!

人類共通の夢である空を飛ぶという夢、

ドラクエ3でできなかったことを実現させたという夢、

困難を乗り越えるという夢・・・

これらを総括するための一連のシーンがドラクエ6のオープニングなのだ!

だからどうしても冒頭に持ってきたかったのだ。

「ドラゴンに乗って魔王と戦いましたという寝て見る夢」と「ドラクエ3からずっとやりたかった演出を実現しましたという制作陣の起きて見る夢」のダブルミーニングなのだ!

困難を乗り越えれば夢は実現するという強いメッセージがオープニングには込められている(これは前半のnoteで主張した「困難を乗り越えたカップル」にも通ずる)。

この結論に行くにあたっては漫画版ドラクエ6の最終話が大きなインスピレーションを与えてくれた。

ドラゴンクエスト 幻の大地 10巻 150Pより いいセリフだよね

この漫画版は名作なのでぜひともドラクエ6好きには読んでほしいのだが、最終話でとあるキャラがドラゴンに変身するのだ、まさにそのドラゴンが「夢」を具現化した存在とも言える描かれ方をする。

そう、ドラゴン=夢そのものなのだ。

すなわち今作におけるドラゴンクエスト(Dragon Quest)というタイトルは「竜(夢)への探求」という意味合いを持つことになる(文法は気にするな!)。

まさにドラクエ6を体現した素晴らしいタイトルではなかろうか?

はっきりしない、あやふやな印象の残るドラクエ6だが、夢とはまさにはっきりしない、あやふやな道・・・"幻の大地"を進むようなものだ。

このnoteの冒頭で俺は「黄金のドラゴンの正体はわからない」と述べたが、夢と同じでそれは実現するかは「わからない」のだ。

いや、むしろ夢の結末がどうなるかなんて「わからなくていい」のだ!

我々は実現するかわからない夢への道を進み、いつか辿り着くかもしれない"幻の大地"を目指しているのだ!

そう考えるとなぜ俺がドラクエ6を最高傑作と位置付けているかというのも理解していただけるではないだろうか!?

え!? わからない!?

グ、グム~~~ッ・・・!!汗

【オープニングとエンディングの対となる構成】

前編のnoteにてエンディングでペガサスがクラウド城に向かうシーンに対となるシーンがあると俺が述べたが、そのシーンとはもちろんオープニングで黄金のドラゴンに乗ってムドー城に向かうシーンだ。

OPとEDを対比させるのは基本ですね

ムドー城にドラゴンで向かうのは制作陣の夢、対してペガサスに乗ってクラウド城に向かいバーバラと再会を果たすのは主人公(=プレイヤー)の夢。

よくできた構成ですよね。

だからこの観点から言えば黄金のドラゴン=バーバラ説もやっぱ全然ありなんだよね。

オープニングで迎えに来てくれた黄金のドラゴン(=バーバラ)に対して、エンディングでは逆にバーバラを迎えに行くっていう。

バーバラからしたら迎えに来てくれた主人公や仲間たちこそ夢の実現になるのだろうし。

それだけに黄金のドラゴンのシナリオが完成させられなかったのはやっぱ無念というか、残念というか、とは言えやっぱ未完成なままの方で良かったと思うべきか・・・複雑なんだナ~

結局このあたりはプレイヤー側の想像や解釈次第だ。

俺の主張が合っているなんてことはないし、君の主張も間違っているなんてことはない。

双方ともに尊重されるべきものなのだ。

これがドラクエ6の懐の深さというわけだな!

【黄金のドラゴンとルビス】

さて、こうなってくるとドラクエ6にルビスが出てくるのも非常に意味深になってくる。

ルビスの作った笛がドラゴンを召還するカギにもなっているあたり、黄金のドラゴンとルビスにも何かしらの関係性があると見ていいだろう。

ロトシリーズの登場人物であるルビスが4と5には出なかったのにドラクエ6に唐突に出てくるあたりも不思議な点だ。

このあたりについては後編のテーマなのでそこで改めて話そう。

次回後編ではいよいよ「ドラクエ3とドラクエ6との関係性」を語っておしまいだ!

チャンネルはそのままで!



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