見出し画像

2023年のSmartHRとアクセシビリティ

これはSmartHRプログレッシブデザイングループのオープン月報の12月号でもあり、2023年まとめバージョンでもあります。今月もSmartHRのアクセシビリティ向上の取り組みを紹介します。

2023年のSmartHRアクセシビリティ月報一覧


最新のアクセシビリティ関連アップデート

2023年はアクセシビリティ向上を含むリリースが45件ありました🎉

アクセシビリティ向上とラベリングされるのは既存機能が改善されたリリースです。なかなか既存機能の改善はチケットの優先順位が上がりにくいのですが、有志活動を中心に45件もの改善がありました。

特に年の前半は、ウェブアクセシビリティ簡易チェックリストをもとにしたもの、後半はアクセシビリティテスターによるテスト結果の改善が目立ちました。

既存機能の改善も進んでいることから各機能ごとにアクセシビリティ品質を検証した結果をデザインシステムに掲載しています。全部◯で埋め尽くしたい!

2024年は、増え続けるプロダクトを当たり前にアクセシブルにする取り組みを、有志活動に依存せずに進めて行こうと思っています。まずはウェブアクセシビリティ簡易チェックリストをアクセシビリティガイドラインに昇華させたいと思っています!乞うご期待!

アクセシビリティテスタープロジェクト

2022年に始動した障害当事者がプロダクトをテストすることでアクセシビリティも向上するし、障害者雇用にも繋がる一石二鳥プロジェクトことアクセシビリティテスタープロジェクトですが、2023年にはparuruさん、yanaさんに入社いただきテストの幅が増えました。

全身の筋肉運動機能障害があるparuruさんには主に、Assistive Touch、コントラストテーマにおけるテストを、弱視のyanaさんにはスクリーンリーダーや拡大鏡でのテストを担当してもらいました。

paruruさんによるAssistive Touchを利用したテストの様子
SmartHRの入社手続き機能のテストの様子。画面の色が反転され、マウスカーソル周辺が画面下部に拡大されて表示されている。
yanaさんによる拡大鏡・画面反転を利用したテストの様子

二人には発信もたくさんしてもらいました。


また期の途中からはyoriさんにJIS X 8341-3:2016の試験にもチャレンジしてもらっています。

これによりアクセシビリティテスタープロジェクトは、障害特性に基づくテストとJIS規格(WCAG)などのガイドラインに基づくテストの2つをカバーできる体制を目指していきます。

発信

アクセシビリティテスターだけでなく、対外的な発信は継続してできていたように思います。

  • isee! "Working Awards"2023 で Most Edgy Technology Player賞を受賞(3月)

  • 人事・労務メディア「SmartHR Mag.」が第11回Webグランプリ「アクセシビリティ賞」を受賞しました(11月)

  • Creatorzineで連載「SmartHRが実践!デザインからアプローチするアクセシビリティ」がはじまりました(9月)

  • Sight Worldで「あなたの生活を便利にするNVDA活用事例紹介」が開催されました(11月)

  • 働くの学び舎「UXとウェブアクセシビリティの基礎講座」

    • 学校法人 河合塾学園 トライデントコンピュータ専門学校さん(2月)

    • 国立東京工業高等専門学校さん(4月)

    • 国立鳥羽商船高等専門学校さん(5月)

    • 神山まるごと高等専門学校さん(12月)

  • ウェブサイト「SmartHR ACCESSIBILITY」公開(7月)

  • スペシャルムービー「職場に必要なのは、あなたの優しさです?」公開(12月)

我々が発信していく目的は、アクセシビリティの重要性を社会に理解していただくことなので、そういう意味では社外から評価された以下の2点は良かったなぁと。

また昨年から継続して活動している働くの学び舎も2023年は、4校の学校でお話することができました。

またこれらのアクセシビリティの発信をまとめていくサイト、SmartHR ACCESSIBILITYを公開しました。合わせて我々の考えも改めて整理してお伝えできました。

SmartHR ACCESSIBILITY 仕組みで解決できることを、やさしさで解決しない
https://accessibility.smarthr.co.jp/

そしてその流れで、SmartHRのアクセシビリティに対する考え方を「職場に必要なのは、あなたの優しさです?」を公開しました!

おかげさまで、多くの反響をいただきました。制作過程なども色々な形でお話はしていますが、狙いはこういう社会課題があるということを社会に知ってもらうためでした。二次利用なども多くしていただき一定の目標は達成できたのかな、と思っています。

またSmartHR ACCESSIBILITYのサイトからスペシャルムービーまではブランドマーケティングチームとコミュニケーションデザインチームと一緒に取り組んでいました。特にスペシャルムービーが多くの反響を頂いたことで、会社の考えを社会に知ってもらう、それによって会社に良いイメージを持ってもらうブランディングにアクセシビリティは良いテーマだ、という認知が社内で得られたということも一つ良かったところです。

2023年は総じて「取り組んでいる」ことを発信してきたんですが、2024年はプロダクトの品質をもっともっと発信していきたいなと考えています。

イベント/勉強会

イベント、勉強会も山盛りでした!今期は特に他社さんと共催させてもらえることが多く、広がりを感じています。

新たな領域への挑戦

身体的な障害だけでなく、発達障害や知的障害、言語面などこれまで取り組めていなかった領域のリサーチとアクションをした年でした。まだまだ仕込み中なところはありますが、今年はガンガン製品に反映してアウトプットしていけるハズ!

とくにやさしい日本語は、多言語チームとアクセシビリティチーム、さらに社内のUXライターが関わっていて、非常に可能性を感じています。

ビジネスへの貢献

発信と合わせて、サービスサイトにアクセシビリティのページを用意したり営業資料を作るなど、セールスの方々が紹介しやすいような取り組みも行いました。

その成果というわけではありませんが、ミライロさまで人事評価を導入いただいたり、他にも多くの障害当事者を雇用されている企業に導入いただくことができました。まだまだ数は少ないですが、こうやって事例ができていくことでドンドン広げていきたいです。

2024年は、より広いユーザーの方に使っていただきたいのと、多言語ユニットとあわせてこれまでサクセスできなかった従業員の方へ向けた取り組みをすすめていきたいです!

2024年の話

さて、、、書くのイヤイヤしてたけど、書き出したらなんだかんだで書くこといっぱいあるし、かなりのことができて誇らしいな〜という気になりました!2023年も本当に色んなことをやれたんですが、実は、まだまだ!やりたいことが!たくさん!あります!

やりたいことに対して、アクセシビリティスペシャリスト/エンジニアが足りません。2024年のSmartHRのアクセシビリティ活動に名を刻むには、いますぐ応募するしか無い!お願いします!応募しろ!…して...💙


いいなと思ったら応援しよう!

masuP9
そのお金で大事な人にうまいものでも食わせてやってくれよ