エッセイ 小説を読んで戦慄が走る
今日は、人生に影響を与えるのか与えないのかよく分からないイベントが夕方まであり、クタクタであった。
帰りに書店に寄り、もともと読みたかった小説を購入した。
しかし、私はこの小説の恐ろしさを狭いの自室の中で、「ウヒャウヒャヒャ」と気持ち悪い笑い声を挙げながら、感じることとなった。
それは、前野ひろみち氏による短編集「満月と近鉄」である。
特に、私が卒倒してしまったのが、「ランボー怒りの改新」という話。
読み終えた瞬間、戦慄が走った。
支離滅裂とか、時代錯誤とか、そういった次元ではないのだ。
どういうものかと言うと、ベトナム戦争帰りのランボーが、大化の改新が行われようとしている古代日本で活躍するという話である。
タイムトラベル系の話かと思ったが、全くそうではなく、当たり前のように「ランボー」と「古代の日本」がつながるストーリーとなっていた。
違和感がまるでない。いやもちろん、違和感はあるが、何重にもわたる違和感が重なり合って普遍性を生み出しているとでも言えようか。
「ありえない。ありえない」
もはや、畏敬の念すら感じさせる。間違いなく上半期「出会えて良かった小説」ナンバーワンである。ささやかながら、この場で感謝を申し上げます。
もっとこういう本に出逢いたいですねぇ。