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エッセイ 御家流との戦い
歴史の教科書に流しそうめんのようにさらさらと記述されていたキーワード「青蓮院流」。
天台宗の寺であるが、後々皇族が入寺していき、書道では青蓮院流、またの名を御家流として、いわゆる江戸時代でよく見られるくずし字を編み出したグループとでも言おうか。
そんなサラサラ流れる「青蓮院」なぞ、高校時代では暗記するに値しない矮小な存在に過ぎないと考えていたが、大学時代になると彼らは強大な敵として我の前に立ちはだかったのだ。
それもさらさら流れるくずし字をもたらしてだ。
彼らは手強かった。候と読むところを御や被と読み間違えたり、返読を誤ったりさせて、とことん我に対し恥辱を注ぎ込んでくれた。そんな我に対する先生の鼻笑いで教室内のCO2濃度がどれほど上がったことか、想像しただけで寒気が止まらない。
高校生の諸君。
大学で歴史を勉強したいなら、今のうちに青蓮院流様を敬拝して、スラスラ流れるくずし字を流しそうめんのようにジュルジュルと勉強しておくことをオススメする。
そうでないと、我のように誰にも救いとってもらえない哀れなそうめんになるからだ。
忠告は以上である。